2016年1月4日月曜日

中国カタログロケット軍(1):米空母常時監視衛星の打ち上げ成功

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サーチナニュース 2016-01-04 08:33
http://news.searchina.net/id/1598680?page=1

米空母を常時監視で攻撃能力が大幅向上 
地球観測衛星「高分4号」の打ち上げ成功=中国メディア

 中国メディアの新浪網はこのほど、12月29日に打ち上げられた同国の地球観測衛星「高分4号(GF4号)」について、西太平洋で活動する米空母の動向を常時監視できることが大きな意味と紹介する記事を掲載した。
 事実とすれば、中国の対米空母攻撃力が大いに高まることになる。

 「高分」計画は中国政府が2006年に発表した「国家中長期科学・技術発展計画要綱(2006-20)」のひとつで、高分1号は2013年に、2号14年に、8号が15年6月26日に打ち上げられた。
 残りは5号、6号、7号で、2018年末までに打ち上げられる予定だ。

 12月29日打ち上げの高分4号は地球の自転周期と一致する対地同期軌道に投入された。
 同軌道に打ち上げられた観測衛星は、地上の定められた地域を観測するに適している。
 高分4号は地上の物体に対して解像度50メートルの光学観測機器を搭載とされている。

 新浪網掲載の記事は、米国において、
 中国が高分4号を、米空母の位置を特定するために用いられるとの見方が出ている
と紹介した。

 中国が何らかの意図で米空母を攻撃する場合、最も有効なのは「DF-21(東風-21)」シリーズや「DF-26」などの弾道ミサイルによる攻撃とされてきた。
 しかしこれまで、中国には遠距離からのミサイル攻撃を可能とする米空母の位置特定能力に劣るとされてきた。

 例えば1995-96年に発生した台湾海峡危機(第3次)だ。
 李登輝政権が実施した台湾初の総統直接選挙を嫌悪した中国は、台湾近海へのミサイル撃ち込みを含めた、大規模な軍事演習を実施した。
 台湾で軍事的脅威を恐怖する民意が高まり、李登輝首相が選挙中止に追い込まれるとの計算があったとされる。

 しかし、李総統は中国が台湾を本当に攻撃する懸念はないと、国民に説得。
 一方、米国は航空母艦を台湾周辺に派遣。
 すると今度は中国が、演習を中止して「沈黙」せざるをえなかった。
 米国側も中国軍に米空母を攻撃する能力がないと知っている以上、中国側がそれ以上の「ブラフ」をできなくなったとされる。

 上記例でも分かるように、中国にとって、海上に存在するすべての米空母の活動を監視する必要は、それほどない。
 重要なのは、中国近海など、西太平洋に出動した米空母の動向情報だ。
 そのために、特定範囲を常時監視できる対地同期軌道に投入された地球観測衛星は「好都合」という。



産経新聞 1月9日(土)10時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160109-00000512-san-cn

中国軍精鋭のはずの「ロケット軍」 
その驚くべき腐敗と軍紀の乱れ…

 習近平指導部が推進する軍改革で、ロケット軍が新たに発足されたことを日本メディアは大きく報じた。
 しかし、厳密にいうと、発足ではなく、いままで第2砲兵とよばれていたミサイル部隊の名称を変更しただけだった。
 予算や定員の変更に関する発表はなく、戦力がどれだけ増強するかは未知数だ。

 実は、この第2砲兵は中国軍の中で最も軍記が乱れ、汚職などが横行している部隊といわれている。
 ロケット軍設立のニュースを聞いて、2年ほど前、およそ3日間行動を一緒にした元軍人の話を思い出した。
 この元軍人は、出張先の河北省で雇った白タクの運転手で、第2砲兵部隊の青海省の基地で4年も勤務した。
 雑談の中で、軍現場での状況をいろいろと教えてくれた。
 その腐敗ぶりにびっくり仰天した。

 元軍人は高校時代、喧嘩で同級生を怪我させたため学校を退学させられた。
 彼の将来を案じた父親は親戚中からお金を借り、5万元(約90万円)を地元の軍人募集担当役人に送り、彼を軍に入れた。
 「楽なところにしてくれ」と父親が頼んだため、ミサイル部隊に配属されたという。
 その後計4年間勤務し、最後は班長にはなったが、退役する前、上司から「20万元を払えば、軍付属の大学で研修を受けさせ、その後小隊長にしてやる」といわれた。
 しかし、金が足りなかったため、諦めざるを得なかった。

 彼によれば、軍の中で昇進するのに、連隊長や大隊長、中隊長などにはすべて相場があるほか、功二級、功三級などの栄誉もすべて金で買える。
 金でポストを買えば、そのポストの権力を使って金儲けができるシステムになっているという。
 彼は班長に過ぎないが、それでも多くのおいしい思いをしたという。
 彼の班はほかの部隊駐屯地から遠く離れる石油タンクの警護するのが任務だった。
 定員は12人だが、実際はその半分の6人しかいなかった。
 意図的に定員割れの状況にしている。
 毎月12人分の生活物資が届き、余ったものを地元の牧民に売ることができるからだ。
 例えば、市販で一袋200元の米を150元前後で売り、軍用の靴や靴下なども人気が高く飛ぶように売れたという。
 「不正について上司は何も言わないのか」と聞くと、「私たちは袋ごとで売っているが、上司はトラックごとで売っているからお互い様だ」と言った。

 彼が所属する部隊の副連隊長が、連隊長になるのに100万元を使ったが、一年で投資を回収できたという。
 儲ける方法はいくつもあるが、最も金になるのは羊の放牧だという。
 連隊長はミサイル基地のなかの膨大な草原を管理していた。
 空気が新鮮で青草も豊だが、軍事部門のため当然外部の人間は立ち入り禁止だ。
 連隊長は基地の中での放牧を特定の牧民に許可を与える。
 その代わりに自分の羊を管理させる。
 例えば、ある牧民は百匹の羊があれば、連隊長は自分の分としてさらに百匹を与え、面倒を見てもらう。
 環境の良いところで放牧できるため牧民も喜ぶ。
 このような牧民を10人見つければ、毎年1000匹分の羊を収入が得られる。
 地元の牧民の10倍の年収に相当する。

 彼は部隊で4年間、最も好きだった仕事は基地内の巡回だという。
 青海省は冬虫夏草とよばれる貴重な漢方薬の産地だ。
 キノコの一種で、免疫力アップ、精力増強の効果があるといわれる。
 2センチほどの小さなものでも1000元近くの値段もするという。
 近くに住む牧民はよく冬虫夏草狩りのために基地に入ってくる。
 警らする兵士たちはそうした牧民たちが帰るタイミングを見計らって彼らを捕まえ、冬虫夏草をすべて没収することが目的だ。

 彼は基地の外へ必死に走って逃げる牧民の後ろから発砲して重傷を負わせたこともあったという。
 「勝手に軍の施設に入ってきたわけだから、こちらには発砲する権利がある。
 牧民は射殺されても文句は言えない」
と笑いながら言った。
 ただ、牧民から奪った冬虫夏草の半分以上を、小隊長、中隊長などに上納しなければならないことになっている。

 この運転手の話に衝撃を覚え、ほかの数人の軍関係者に話し感想を聞いたが、誰も驚かなかった。
 ある陸軍関係者は「よくある話だ」と聞き流した後、
 「軍の中の腐敗が最もひどい部分は新兵訓練の部署だ」
と指摘した。
 班長や小隊長は新兵に対し賄賂を強要することが横行しており、10元を渡してタバコに買いに行かせ、90元のおつりを要求する。同じ日に何回も買いに行かせる。
 おつりを持ってこなければ殴る蹴るの暴行を加えること日常茶飯事だという。
 新兵の中で最初に班長になるのは、広東省や上海市など豊かな地域の出身者で、訓練中に“事故死”するのはほとんど河南省や貴州省など貧しい地域出身の兵士だというジンクスがあるという。
 理由は実に簡単で、広東省など出身の兵士は実家から送金してもらい上司に賄賂を送ることができる。
 これに対し河南省の兵士にお金がないから上司に撲殺されたあと「事故死」にされるからだという。

 習近平政権は近年、軍内で反腐敗キャンペーンを展開して、元制服組トップを含めて多くの将軍が失脚した。
 しかし、軍関係者は
 「あれば権力闘争にすぎない。
 誰が上司になっても一緒で、現場で全然よくなっていない」
と証言する。
 中国人民解放軍は、すでに首脳から下士官まで腐敗が進み、組織的に機能不全に陥っているのが実態のようだ。



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