2016年1月30日土曜日

「一帯一路」という夢構想(4):「踏み絵」になってしまったインドネシア高速鉄道、中国がインドネシアの政府保証を求める

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 以前にも中国はフィリピンで請け負ったが、途中で投げ出してしまった。
 両国の政治問題もからんでいたのであろうが、今回のインドネシア高速鉄道は「一帯一路」稿相後のはじめてのプロジェクトであり、これを取得すべく強引にして破格の条件で日本から強奪したものである。
 それがためにも中国は威信をかけて臨んでいるはずである。
 もしこれが、フィリピンと同じような経緯をたどるようなら、「一帯一路」は実施の始めから躓き「悪帯長路」にもなってしまう。
 そうなれば中国の世界評価は一気に没落することになる。
 今、中国の人気は下降気味であり、
 周辺国は中国を信用に価する国、信頼できる国とは見ていない。
 この不人気を挽回するのが、お金の「バラマキ作戦」である。
 ゼニを見せびらかして見方を増やそうということである。
 その作戦の最初がこのインドネシア高速鉄道事業である。
 そのためにはなんとしても中国はこれを成功させたい。
 もし、それに失敗すると中国を見る他国の眼は相当に厳しいものになる。
 最後は軍事力しかない、ということにならないようにしないと中国の立場は危うくなる。
 言い換えれば、このインドネシア高速鉄道事業とは中国にとって踏み絵になってしまっている。


レコードチャイナ 配信日時:2016年1月30日(土) 7時0分
http://www.recordchina.co.jp/a128058.html

迷走のインドネシア高速鉄道、
中国が「工期内の完成」目指すも建設許可は線路5キロ分だけ―中国紙

 2016年1月29日、環球時報によると、中国が受注したインドネシアの高速鉄道建設をめぐり、一部プロジェクトで当局の許可が下りない中でのスタートだと報じられた問題に関し、現地の中国大使館関係者は28日、
 「インドネシア側と細かい点について踏み込んだ協議を続けている」
と説明、予定工期内での完成を目指す決心は揺るぎないとの考えを示した。

 首都ジャカルタとバンドンを長さ150キロの線路で結ぶ同事業は、今月21日に起工式が行われた。
 地元紙ジャカルタポストは27日付で、
 「企業からの書類提出が不十分なため建設許可を出していない」
 「このような事業はわが国にとって初めて。慎重な姿勢で臨みたい」
とする交通担当相の発言を紹介。
 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは
 「中国とインドネシアがこの事業のために立ち上げた合弁企業は11の文書を提出する必要がある」
と指摘した上で、現段階で設計関連の資料や工程説明図などが欠けていると報じた。
 建設許可が下りているのは5キロ分だけだという。

 さらに、ジャカルタポストは
 「中国語で作成された一部文書は合弁企業に返却された。
 インドネシア政府が未翻訳の資料を基に事業評価を進められないからだ」
とも指摘。
 当局と企業の間には「敏感な問題」があり、交通担当相は
 「工事期間中にトラブルが生じても政府は責任を取れない。
 この点に関する保証がほしい」
と発言、
 当局が提示した条件には
 「何らかの原因で工事が終わらなかった場合、
 企業側が原状回復の責任を負う」
という項目が含まれている。



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月27日(水) 14時50分
http://www.recordchina.co.jp/a127827.html

中国のインドネシア高速鉄道、許可下りる前に着工
=日本メディアの「見切り発車」報道
中国ネットが反論「最も効率的な建設方法」「日本は焦ってる」

 2016年1月25日、中国紙・参考消息によると、21日に起工したインドネシアの高速鉄道プロジェクトについて、日本メディアは
 「落札からわずか4カ月で建設を開始するのは例がない」
とし、一部のプロジェクトはまだ監督官庁の建設許可も出ておらず、見切り発車を強行する形になっていると報じた。


サーチナニュース 2016-02-02 06:32

「日本に任せれば良かった」と言わないよう、
ジャワ高速鉄道で早くもトラブル、
中国の杜撰さ

 インドネシア・ジャワ島の高速鉄道の受注競争において、中国は日本より遅れて競争に参入したうえで、インドネシア政府の財政負担や債務保証などを求めない破格の条件を提示、受注をさらっていったことは記憶に新しい。

 中国側が提示した破格の条件に対し、果たして本当に問題なく高速鉄道が開業できるのか、その後も問題なく営業を継続できるのかなどと疑問視する声が存在した。
 だが、開業はおろか着工式典が行われたばかりのインドネシア高速鉄道で、早くもトラブルが起きているようだ。

 中国メディアの新浪はこのほど、日本や英国メディアの報道を引用し、中国側がインドネシア政府側に提出した書類の大半は中国語で記載されており、政府関係者がプロジェクトの評価ができずにいると紹介。

 さらに、インドネシア政府側の見解として、中国側がまだ必要な書類を提出していないため、工事の許可証もまだ発行されていないとしたうえで、
 「インドネシア高速鉄道の工事は着工式典が行われてわずか1週間後に一時停止に追い込まれた」
と指摘した。

 一方で記事は、高速鉄道の建設のほか、運営を行う中国とインドネシアの合弁企業「インドネシア中国高速鉄道」の関係者は
 「着工式典は単なる式典だ。
 許可証が発行されれば工事は始まる」
と述べたことを紹介している。
 インドネシア中国高速鉄道の関係者の話は確かに間違っていない。
 だが、本当の問題は
 「当たり前のことを当たり前のようにできていない」という点ではないか。

 工事を行うには許可が必要で、そのために書類を提出して許可をもらうならば、完璧な書類を提出しようと思うのが普通だ。
 少なくとも、日本が受注していたら、このようなつまづきはなかったはずだ。
 必要な書類も未提出であるうえに、提出した書類も中国語で記載しているという点から、「当たり前のことを当たり前のようにできない」ことがわかり、工事そのものだけでなく、完成後の安全性すら信頼できないと言わざるを得ず、将来的に「日本に任せれば良かった」などという声があがらないことを願いたい。

サーチナニュース 2016-02-04 06:32

インドネシアが態度を急変させた! 
ジャワ島の高速鉄道で中国メディアが不快感

 日本との競り合いの末に中国が受注したインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画。着工式典が行われたばかりの計画に、早くもトラブルが生じ始めているようだ。
 日本や英国のメディアの報道によれば、中国側はプロジェクトを進めるにあたって必要となる一部の書類をインドネシア政府に提出していないほか、提出した書類の大半は中国語で記載されており、インドネシアの政府関係者がプロジェクトの評価ができずにいるという。

 こうした中国側の動きに対し、インドネシアの現地紙は「準備不足」、「計画が失敗に終わる可能性は高い」などと批判している。
 日本と受注を競った中国側は、なりふり構わぬ形で受注をさらっていったが、インドネシア紙が指摘しているとおり、明らかに準備不足としか言いようがない状況だ。
 しかし、中国メディアの突襲新聞はジャワ島の高速鉄道計画が
 「不完全な書類と未解決の問題を理由に、一時停止に追い込まれた」
と伝えている。

 記事は、インドネシアの政府関係者が
 「必要な書類が提出されていないため、プロジェクトに対して許可を出していない」、
 「プロジェクトに対する評価も完了していない」
と述べたことを紹介。
 一方で、インドネシアの態度について、
 「中国が世界に高速鉄道を売り込むための努力に対する打撃である」
と主張したうえで、
 「インドネシアが態度を急変させた」
などと主張、自国の不手際を棚に上げてインドネシアに対して不快感を示した。

 中国がジャワ島の高速鉄道計画をなりふり構わずに受注しようとしたのは、中国が自国の影響力を高める「一帯一路」戦略が背景にあったとの見方もある。
 「一帯一路」を推進するためには、ジャワ島の高速鉄道は今後のロールモデルとして何が何でも成功させる必要があると推測されるが、それだけ重要な存在であるにもかかわらず、
 「受注さえしてしまえば、その後は杜撰」
という形では、今後の中国高速鉄道の売り込みにおいても悪影響が出るのではないだろうか。




レコードチャイナ 配信日時:2016年2月5日(金) 13時20分   

インドネシア高速鉄道、「誤ったイメージ持たれている」
=建設許可めぐる問題で大統領府が火消し―中国紙

 2016年2月4日、建設許可が不十分なままでスタートしたと報じられたインドネシアの高速鉄道建設事業をめぐり、同国大統領府は「この問題で工事が中断されたりはしない」との考えを表明した。5日付で環球時報が伝えた。

 インドネシア高速鉄道は中国が日本との競争に競り勝ち、受注を獲得。
 先月21日に起工式が行われたが、提出書類不備の問題から一部プロジェクトには当局の建設許可が下りていないと伝えられている。 

 この問題について英BBCから取材を受けた大統領府報道官は
 「プロジェクト全体で許可が下りていないといった誤ったイメージが持たれているようだ」
と語り、
 「無許可のままで起工式を開催するなどあるはずがない」
と指摘。
 その上で、「(建設許可の問題で)工事が中断することなどない」と工事の継続を強調した。

Global News Asia 2月5日(金)4時39分配信

中国がインドネシアの政府保証を求めるー高速鉄道計画

 2016年2月4日、現地メディアによると、高速鉄道計画の中国案採用を積極的に勧めた国営企業大臣は
 「中国側がインドネシア政府の保証を求めている」
と明言し激震が走った。
 中国案を採用した理由は『中国は、
 インドネシア政府の債務保証を一切求めないこと』だったからだ。

 しかし、大統領令(2016年第3号)には「政府保証を行う」と明記されていた。
 この問題について国営企業大臣は、法律面だけで事業資金の事ではないと苦しい言い訳をしているが、批判の的になっている。

 インドネシアの高速鉄道計画は、政権内部で混乱の原因になっている。
 1月21日の高速鉄道の起工式に担当の国土交通大臣が欠席したことから、注目を集め露見した。

 国土交通大臣は
 「私は高速鉄道の認可についての手続きをするだけで、この計画が正しいのか、必要なのか、採算性はあるのかについては国営企業大臣に聞いてほしいと」
と話しを濁している。
 
 以前から国土交通大臣は、日本案を高く評価しており、中国案の採用が決まった時に「国土交通省は、高速鉄道の認可についての手続きをするだけで、計画について責任は持てない」と不安を示していた。

 国土交通大臣の不安は的中しており、許可申請の書類も中国語で提出するなど、中国側の対応は杜撰だ。
 従来、提出書類の言語はインドネシア語だけだったが最近は英語での提出が認められるようになった。







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