2016年1月11日月曜日

【南シナ海】中国人工島(2):いよいよ周辺国の綱引きが始まった!

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朝鮮日報 記事入力 : 2016/01/15 10:35
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/01/15/2016011501248.html

南シナ海:米日の動きが本格化、年初から中国との緊張高まる
米国、スービックなど8カ所の基地を確保
自衛隊機も南シナ海を経由



 英国BBC放送の中国語放送は14日
 「米国が南シナ海に隣接するフィリピンで8カ所の軍事基地を確保した」
と報じた。領有権をめぐり対立が深まっている南シナ海で、米国が中国をけん制する軍事的足掛かりを整えたというわけだ。

 BBCは
 「フィリピンが米国に提供する軍事基地のうち3カ所は、南シナ海につながる西部パラワン島(2カ所)と、旧クラークフィールド空軍基地があったルソン島に位置する」
と伝えた。
 残る5カ所の位置は、両国間で議論が続いているという。
★.米軍のフィリピン復帰は、米国とフィリピンが昨年締結した防衛協力拡大協定(EDCA)について、
 12日にフィリピン最高裁が「合憲」決定を下したことで可能になった。
 フィリピンは1992年に憲法を改正して外国軍隊の駐屯を禁止したが、南シナ海の領有をめぐる中国との対立が激化していることを受け、米軍を再び引き入れたのだ。

 米国はフィリピン撤収以来24年ぶりに、スービック海軍基地やクラークフィールド空軍基地など、旧太平洋基地を取り戻すことになる。
★.スービック海軍基地は、米軍の艦船が100隻余り寄港できる。
 米国防総省の関係者は
 「米軍は、8カ所の軍事基地のほかにも、
 ルソン島にある民間の埠頭(ふとう)施設や滑走路の使用を希望している」
と語った。
 これまで米軍は、合同軍事演習のため最長14日までフィリピンに滞在できるだけだった。
 しかし今回の最高裁決定で、兵力を長期間配備する道が開けたのだ。
 米国とフィリピンは、外交・国防トップが出席する「2プラス2会談」をワシントンで開催し、軍事・外交面における両国の協力案を話し合った。
 この会談では、米国の「アジア回帰」戦略に力を付与し、南シナ海で中国の膨張を阻止できる軍事的な案が話し合われたという見方がある。
 また、南シナ海での航行の自由をめぐる中国との摩擦で、米国が有利な位置に立ったという分析もなされている。

 日本は、南シナ海への介入を本格化させる姿勢を見せている。
 防衛省は、現在アフリカのソマリアで海賊対策任務に従事している自衛隊のP3C哨戒機が日本へ帰還する際、南シナ海のフィリピン・ベトナムの基地などを経由させる方針を立てている、と読売新聞が伝えた。
 これまでは、南シナ海から離れたシンガポール・タイを中間給油地として利用していた。
 最近米国と接近しているベトナムも同日、独自開発した長距離無人偵察機やロシア製の潜水艦を南シナ海に投入すると発表した。
 北京の外交消息筋は「年初から、南シナ海は『米日対中国』の力比べで熱くなっている。
 東アジア情勢は、北朝鮮の核実験、東・南シナ海での衝突などが複雑に絡んでいる状況」と語った。

北京=アン・ヨンヒョン特派員



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月10日(日) 12時50分
http://www.recordchina.co.jp/a126756.html

ベトナム、国連に「中国への抗議文」送付
=中国の南シナ海・試験飛行で―英メディア

 2016年1月9日、英BBC(中国語電子版)によると、中国の航空機が南シナ海・スプラトリー(中国名:南沙)諸島のファイアリー・クロス(永暑)礁で試験飛行を実施したことについて、ベトナム政府は中国政府に抗議したほか、国連に対しても中国に抗議する文書を送付した。

 ベトナムメディアによると、抗議文書では
 「中国は16年1月の第1週に、ベトナム領空を46回も違法に通過した」
としている。

 ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官はこのほど、
 「ベトナムの主権を侵害し、南シナ海の安全と航行・飛行の自由を脅かす」
として即時停止を求めるコメントを出した。



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月20日(水) 16時40分
http://www.recordchina.co.jp/a127359.html

ベトナム、南シナ海での中国の石油掘削に抗議する談話を発表―米メディア

 2016年1月19日、ロイター通信によると、ベトナム政府は同日、南シナ海における中国の石油掘削に抗議する談話を発表した。

 ベトナム外務省のレー・ハイ・ビン報道官は19日、南シナ海で中国とベトナムの海上の境界線が確定していない海域に中国が石油掘削装置を移動したと述べ、中国に対して石油掘削に関する活動を中止し掘削装置を移動するよう求める談話を発表した。
 ベトナム政府は16日に中国が石油掘削装置を移動していたことを確認したという。
 また、首都ハノイでは同日、西沙(パラセル)諸島における中国の実効支配に反対する抗議デモが行われていたことも伝えている。



サーチナニュース 2016-01-11 17:19
http://news.searchina.net/id/1599388?page=1

ベトナムがロシア製「キロ級」潜水艦の巡航開始か 
中国と対立する南シナ海海域

 中国メディアの参考消息は8日、ベトナム海軍が南シナ海で、ロシアから購入した「キロ級」潜水艦の巡航を始めたと報じた。

 キロ級潜水艦は旧ソビエトが開発した通常動力の潜水艦で、運用開始は1983年。
 現在はロシア海軍が20隻、中国が12隻、ベトナムが4隻を運用している。
 ベトナムは別途2隻を購入しており、2015年に試験航海を始めた。
 ベトナムは世界的に見ても良港とされているカムラン湾に海軍基地を持っており、キロ級潜水艦も同港を母港にしているとされる。

 記事によると、中国の軍事力がベトナムを上回っているが、
 ベトナムはロシアからの潜水艦購入を含めて武器類の充実で、バランスを取ろうとしている
という。

 ベトナムは潜水艦部隊の建設に、すでに数十億ドル(50億ドル=約〓円)を投じた。
 ロシアからはさらにマルチロール機(戦闘爆撃機)や対空ミサイル「SS-300」を、イスラエルからは早期警戒機やレーダーを購入するなどの動きがあるという。

 オーストラリア国防大学のカレール・サイヤ教授はベトナムは対艦ミサイルと対地巡航ミサイルに加えて潜水艦6隻を運用しはじめたことで、南シナ海における攻撃能力が大幅に向上したとの見方を示した。

 ベトナムの「キロ級」潜水艦は、南シナ海において中国と「対立している海域」も巡航するという。


 中国が話し合いに応じないなら、力を持つしかない、というのは常識論である。
 アジアはこの常識で動くようになってきている。
 対話は力をもたない。
 金と軍事力を持ったものの論理が正義だと中国は教えている。
 周辺国はそれにいかに対応していくかである。
 アメリカを引き入れ、日本を引き入れ、中国との均衡を保とうとしている。


サーチナニュース 2016-01-12 10:21
http://news.searchina.net/id/1599430?page=1

自衛隊「P-3C」南シナ海派遣、中国で強い反発
「米への協力に名をかりて軍国主義実施」

 防衛省・自衛隊が
 P-3C哨戒機をフィリピンやベトナムなど南シナ海に面する国の基地を優先的に経由させる方針
を固めたことに対して、中国で強い反発の声が出ている。

 海上自衛隊はこれまで、P-3C哨戒機をアフリカ・ソマリア沖での海賊対処活動に参加させる際、こシンガポールやタイなど南シナ海から比較的離れた基地を給油地に利用してきた。
★.P-3C哨戒機の往路はこれまで通りで、
★.復路はフィリピンやベトナムなど南シナ海に面する国の基地を優先的に経由
させる方針だ。

P-3Cは中国が自らの領海と主張する海域の上空を飛行して「上空飛行の自由」を主張することになる。
 立ち寄るフィリピンやベトナムでの交流活動も予想され、日本として南シナ海での中国の行動を容認しない考えを国際社会にアピールすることになるのは確実だ。

 中国人民広播電台(中国人民ラジオ)が運営するニュースサイトの「央広網」はP-3Cの南シナ海飛行について「日本がP-3Cを南シナ海に派遣、米国との協調に名をかり、軍国主義実施」の見出しで伝えた。

 記事は、P-3Cの飛行ルート変更は、軍事目的ではなく主に政治、外交目的と解説。
 まずは
 「米国に対して、日本は南シナ海の問題に積極的に介入する意向を示すため」
と論じた。
 さらに、米国にとってみれば、日本が同問題に介入するかどうかは
 「同盟関係についての試験田」と主張。
 米国は世界全体の政治・軍事に介入する能力が相対的に低下しており、軍事費も想定的に低減する背景があるため、日本がアジア太平洋問題、とりわけ南シナ海の問題にこれまで以上に介入することを欲していると論じた。

 記事は、米国の考えを批判。
 日本がアジア太平洋地区、ひいては全世界で大きな動きをすることは
 「日本を真の意味で政治軍事大国にすることになる。
 特に、日本のさらに大きな政治目標である平和憲法からの徹底的離脱をさせてしまうことになる」
と主張した。



WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2016年01月15日(Fri)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5838

武力衝突危機高める中国“曖昧戦略”

 デンマーク王立国防大学校准教授のオドガードが、12月10日付ニューヨークタイムズ紙掲載の論説にて、南シナ海での主張の法的説明を曖昧にしながら武力行使を公言する中国の政策は非常に危険である、と中国を批判しています。

 すなわち、南シナ海緊張の最大の要因は中国の硬軟両様戦略にある。
 中国は意図的に領有権主張を避けるが、他方で、厳密に定義されていない領有権の主張を守るために武力の行使にコミットしている。

 中国は過去数十年、南シナ海の約8割をカバーする九段線の地図を公布している。
 習近平は11月7日に
 「南シナ海の島々は古代から中国の領土だった。
 領土と正当な海洋の権利・権益を守ることは中国政府の義務である」
と述べた。

 10月27日の米イージス艦ラッセンのスビ礁の12海里内航行に関する対米抗議に当たり中国は曖昧な言葉しか使用しなかった。
 中国国防省は領海、排他的経済水域を侵犯したとは言わず、
 「中国の主権と安全保障権益に脅威を与え、地域の平和と安定を危うくした」
と述べた。
 人工島を建設したスビ礁に対して領有権を主張することは避け、スビ礁の周辺海域について中国が権限を持っているかどうかについても言及を避けた。

 自らの主張を明確に定義しないでそれを守るために武力を行使するという中国の意図的な曖昧さは、状況を一層危険なものにする。
 本年の国防白書は、周辺国が中国の環礁や島嶼に軍事的プレゼンスを強める場合、軍事力を使用する旨述べている。
 或る退役軍人は、中国軍は戦争の準備ができていると述べている。

 インドネシア、ベトナム、タイ、ミャンマー、マレーシア、シンガポールなど東南アジア諸国はヘッジ政策で対応している。
 対中経済関係の緊密化により中国の影響力を受け入れ、他方で、米との防衛協力の強化を図っている。
 米中のどちらにも味方しないように見られることが優先事項になっている。

 中国は米の同盟システムに対抗するため他国の艦艇や航空機の自由な航行に介入したいと考えている。
 中国による国際海域への規制は許さないことを示す必要がある。
 中国が緊張を和らげたいのであれば、米国が今後もアジアの一部であることを受け入れ、緊張を高める現状変更はしないことが必要である、と論じています。

出典:Liselotte Odgaard,‘China’s Dangerous Ambiguity in the South China Sea’(New York Times, December 10, 2015)
http://www.nytimes.com/2015/12/11/opinion/chinas-dangerous-ambiguity.html?partner=rssnyt&emc=rss&_r=0

*   *   *

◆中国が曖昧戦略を採る理由

 中国の曖昧戦略の問題点を突く論評です。
 経済利益のために対中関係を強める欧州において、中国の動きを批判的に観察、分析している学者がいることは良いことです。

 国際政治、軍事政策の中で曖昧政策は一つの重要な手段となりますが、それは必然的に誤算などのリスクを生み出すことにもなります。
 それを防ぐためには、戦略対話や、時に応じて相手国の出方を試すことも必要になります。
 筆者が、中国が南シナ海についての法的考えを曖昧にしたまま、武力の行使も厭わないとしていることは非常に危険だとするのは、理解できる議論です。
 中国が意図的に法的議論の曖昧化に転じているとの分析は10月頃から言われています。

 何故中国は法的説明を曖昧にしようとしているのか、敢えて推測すれば、
第一に、
 九段線(国際法上受け入れられるものではない)や今まで中国が採ってきた措置、
 海洋法の規定などを理路整然と中国に有利なように説明するのは難しいことが分かってきたのではないでしょうか。
 法的議論は極めて複雑であり中国はそれに勝てないことが分かってきた可能性があります。

第二に、
 法律論は曖昧にして問題を政治問題にしておくほうが有利だと判断した
のではないかとも思われます。
 政治問題であれば勝ち負けははっきりしないですし、二国間の外交交渉に持ち込むこともできます。

第三に、
 時間を稼ぐことが出来れば南シナ海で既成事実を固めることも出来ると判断した可能性があります。

 「東南アジア諸国は経済で中国の影響力を受け入れ、防衛では対米関係強化を図っている(ヘッジ政策)」
 との筆者の説明は的を射ています。
 しかし、その間に中国の影響力は忍び寄っており、中国の主張が既成事実化していくことに注意しなければなりません。

 南シナ海の問題についてのオバマ政権の認識は当初甘いものだったと言わざるを得ません。
 しかし、関係国の働きかけや9月の米中首脳会談の不調によりオバマがラッセン派遣を決断したのは意味があります。
 ただ、航行の自由作戦は継続することが宣言されていますが、やはりオバマ政権が積極的であるようには見えません。

 関係国は引き続き協力を強めコアリッション(連合)を維持していくことが重要です。
 11月の東アジア首脳会議で各国首脳がこの問題につき発言し、大きな議論になり共同声明にも反映されたことは成功でした。
 日本も良い役割を果たしたと言われています。
 中国にも一定のインパクトを与えたものと思われます。



TBS系(JNN) 1月16日(土)7時9分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160116-00000004-jnn-int

 南沙諸島に駐留部隊の家族、中国メディアが写真公開



 中国メディアは15日、中国が飛行場を建設した南シナ海の人工島に駐留部隊員の家族が訪れた際の写真を公開しました。
 島の実効支配に国際社会の懸念が高まる中、イメージアップを図る狙いがあるとみられます

 笑顔でタラップを降りる親子。
 滑走路を歩く姿もあります。
 この写真は、中国が南沙諸島のファイアリクロス礁を埋め立てて建設した飛行場に駐留部隊の家族が訪れた際の写真です。
 訪れた日時や人数などは明らかになっていませんが、複数の中国メディアが15日、これらの写真を掲載しました。
 島の中国名である「永暑礁」と書かれた石碑の前で家族で撮影したものもあります。

 中国政府は、ファイアリクロス礁の滑走路の完成後、民間機を使った試験飛行を繰り返し、実効支配を強化していて、領有権を争うベトナムなどが強く反発しています。
 今月、民間航空機の客室乗務員の女性たちを撮影した写真も公開していて、国際社会の懸念が強まる中、家族の写真などを掲載することでソフトなイメージをアピールする狙いがあるとみられます。(15日21:26)


ロイター 2016年 01月 15日 20:46 JST
http://jp.reuters.com/article/southchinasea-china-idJPKCN0UT19E

中国、南シナ海の島に民間投資呼び込み 定期航空便も開始へ

[北京 15日 ロイター] -
 新華社によると、中国は領有権争いが続く南シナ海で実効支配する島々について、インフラ建設のため民間からの投資を呼び込む考えを示した。
 また、こうした島の1つで、年内に定期航空便の運航を開始するという。
 領有権を主張するフィリピンなどが反発を強めそうだ。

 中国政府は2012年、西沙諸島(パラセル諸島)の永興島(ウッディー島)に「三沙市」を新設。
 三沙市は西沙諸島などを管轄しているが、「市」とは言っても、定住者はわずか数千人に過ぎない。

 新華社によると、三沙市の副市長は民間からの投資を歓迎すると強調。
 「官民パートナーシッププログラムを始動させる」としている。

 また副市長は、
 「海洋救急医療センターの計画と建設も推進する。
 海底光ケーブルを敷設し、年内に利用可能にする。
 WiFiが居住者のいる島々や岩礁を網羅する」
と述べた。
 永興島の空港で、今年中に定期航空便の運航を始めるとも明かしたが、詳細は明らかにしなかった。



サーチナニュース 2016-01-16 10:55
http://news.searchina.net/id/1599904?page=1

中国が南シナ海で「既成事実化」を推進 
年内に永興島に軍民共用空港を開設、
全島でWiFi利用可能に

 中国が年内に、西沙諸島(パラセル諸島)の永興島(ウッディー)に軍民両用空港を開設し、全島でWiFi利用可能にするなど、西沙諸島統治の既成事実化をさらに進めることが分かった。
  同島を所管する海南省三沙市の政策に盛り込まれた。

 永興島にはすでに、中国の軍・警察関係者、漁民などとそれらの家族役1000人が居住しているとされる。
 中国当局は漁民のために住宅を提供し、2015年には幼稚園と小学校を開設するなどで、同島支配の既成事実化を進めていた。

 中国新聞社によると、2016年には軍民共用の空港、医療救助センターなどを建設する。
 さらに本土との間に海底光ケーブルを敷設し、島内全域でWiFiの利用を可能にする。

 三沙市は、永興島を含む西沙諸島、南沙諸島(スプラトリー諸島)、中沙諸島(スカボロー礁)を所管する地方政府。
 ただし、民間人の永住が可能なのは永興島だけとみられる。

 パラセル諸島は19世紀まで、中国とベトナムの双方が利用していた。
 ベトナムを植民地としたフランスは1930年代に同諸島を支配しはじめた。1950年代にフランスがベトナムから撤退すると、中華人民共和国とベトナム共和国(南ベトナム)の双方が同諸島すべての領有権を主張。
 東部の島は中国が、西部はベトナムが実効支配するようになった。

 1974年に中国がベトナムを軍事攻撃して駆逐(西沙諸島の戦い)。
 西沙諸島すべてを支配するようになった。
 ベトナムは2015年に西沙諸島の戦いで戦死した軍人を顕彰・慰霊する記念施設を建設することを決めた。
 中国による西沙諸島支配の既成事実化の動きに、ベトナムが反発するのは必至だ。

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◆解説◆
 中国は領有権で外国と意見が対立する島について、具体的な動き以外にもさまざまなアピールを続けている。
 例えば、南沙諸島、西沙諸島、さらには尖閣諸島についても毎日、自国領としての「天気予報」を続けている。
 主張の是非は別にして、中国が領土問題について「不退転の決意」を示しつづけているのは事実だ。



サーチナニュース 2016-01-21 08:43
http://news.searchina.net/id/1600311?page=1

南シナ海で戦争、ベトナムに勝利したから進出できた
=中国メディアが動画作品を公開

 中国メディア・大手ポータルサイトの新浪網は19日、
 「42年前の中国の南シナ海での第1戦を回顧。
 剣を振り下ろしたことで今日の基礎を築いた」
と題する動画ニュースを配信した。

 ニュースは、中国が軍事力を用いて南ベトナム軍をパラセル諸島(西沙諸島)から完全に駆逐した戦争は、42年前の1974年1月19日の開戦と紹介。
 戦争のきっかけは、中国の漁業会社に所属する漁民が西沙諸島の甘泉島(ロバート島)に上陸して、中国国旗と「中華人民共和国の領土を侵犯することは許さない」と書かれた木碑を建てたことと説明。

 「再現ビデオ」と見られる動画には、島の砂浜に成人男性2人と女児1人が小さな舟でやってきて、引き上げる様子が映されている。

 なお、上記主張のように中国の民間人が甘泉島に上陸して、「愛国的主張」の国旗と木碑を建てたとしても、「自発的意思」だったとは思えない。
 1974年は文化大革命期で、中国では政治や場合によっては軍も指揮系統も混乱していたが、事実とすれば漁民の上陸は何らかの形で上層部の意志の反映と考えるのが自然だ。

 動画はさらに、ベトナムの軍艦が15日に甘泉島に「侵入」し、「中国人漁民が、作業拠点にしていた甘泉島に砲弾10発を撃ち込み、道理もわきまえず退去を要求」と紹介。
 10日の「中国漁民上陸」と15日の「漁業の作業拠点にしていた」とのつながりの脈絡は不明だ。

 動画は、同事態を受けてトウ小平など中国の首脳部が開戦を決意したと紹介。
 双方の軍艦が西沙諸島海域で対峙したと解説した。
 さらに、ベトナム軍部隊が19日に同諸島広金島に上陸を試みたが、中国側の民兵に撃退されたと紹介。
 同部分は以前に制作された映画またはテレビドラマの画面を流用したと思われる。

 上陸を試みるベトナム部隊の数十人は小銃などを持ってはいるが、やや後方のゴムボートが進むでもなく退くでもなく、兵士を乗せたままのんびりと漂っている。
 中国の「民兵」とされる若い女性3人が身を隠すでもなく立ち上がって小銃で射撃するとベトナム軍部隊が反撃もせず逃げて行く光景も印象的だ。

 動画は同海域で中国とベトナムが海戦を行い、中国側がベトナムの軍艦を次々に撃沈する様子や、中国軍が上陸する様子を紹介。
 いずれも古い作品からの流用と考えられる。

 同戦争が始まる前、西沙諸島の東部分の島は中国が、西部分の島はベトナムが実効支配していた。
 動画は同戦争によって、「中国は西沙諸島におけるすべての主権を回復した」と主張した。

 動画は最後の部分で、中国が2015年に埋め立て作業を行い滑走路を建設したスプラトリー諸島(南沙諸島)のジョンソン南礁(赤瓜礁)の画像を紹介。
 さらに、中国が南シナ海で支配を進めている背後には「42年前に戦った将兵の敢闘精神がある」などと主張し、最後の部分で中国国旗を大きく映した。

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◆解説◆
 日本でも、自国がかかわった過去の戦争を題材とする映像作品が制作・公開されることがある。
 ただし日本の場合には、自国の行為を賛美する作品も批判する作品も存在する。
 戦争そのものを批判する作品も多い。

 中国の場合、清朝末期や中華民国期の戦争について、自国側の腐敗や無能ぶりを紹介する作品はあっても、共産党軍あるいは人民解放軍を批判・非難する作品は存在しない。
 日本人の場合、自国がかかわった戦争について、さまざまな立場にの作品に触れることで、改めて自分で考える機会を得られやすいのに対して、中国人の場合、少なくとも自国の作品に接するだけでは、さまざまな立場で客観的に考える訓練がなされる機会は乏しいと言える。



サーチナニュース 2016-01-23 11:13
http://news.searchina.net/id/1600570?page=1

フィリピンが1万トン級の軍艦を建造、
中国メディアが酷評・嘲笑「わが標的艦だ」

 中国メディアの新浪網は19日付で、フィリピンが建造中の1万トンクラスの「戦略輸送艦」で、国を挙げて快哉していると紹介した上で、同艦とその建造について
 「わが標的艦」、
 「フィリピン政府の頭は発熱している」
と酷評・嘲笑する文章を掲載した。

 文章は、フィリピンが保有する最も大きな軍艦は、米沿岸警備隊を退役した「ハミルトン」級の長距離カッターで、排水量は3000トンクラスと紹介。
 フィリピン軍は同艦を護衛艦として使っているが、文章はハミルトン級は非常に優秀な艦ではあるが、護衛艦の役割は「少々荷が重い」と評した。

 文章はさらに、フィリピンが建設中の1万トンクラスの軍艦が、まもなく完成すると紹介。
 フィリピン海軍は同艦を「戦略輸送艦」と位置づけているが、同艦は「強襲揚陸艦」の1種とみなすことができるとの考えを示した。
 フィリピンは同型艦を計2隻、インドネシアから購入するという。

 同型艦には兵員500人と車両、さらにヘリコプター2機を搭載することができるという。
 記事は同型艦が最大で16ノットしか出せないと指摘。
 中国の「071」型強襲揚陸艦は排水量が約2.5倍の2万5000トンクラスであるにも関わらず、最大足とは25ノットと紹介し、フィリピンの「戦略輸送艦」とは「まるでウサギとカメ」と酷評した。

 さらに、フィリピンの「戦略輸送艦」は防空能力の貧弱で、対艦ミサイルが艦船攻撃の重要な手段になった現代戦では「一方的に叩かれるだけの存在」と主張した。

 さらに、フィリピンの航空兵力も、韓国から購入したFA-50などが主力であることから、フィリピン海軍のために強大な防空網を築くことは、全く不可能と主張。

 文章は結論として
 「この種の1万トンクラスの強襲揚陸艦の購入を許可したということは、フィリピン政府の頭脳が発熱していたということだ」
と嘲笑した。



時事通信 1月23日(土)10時58分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160123-00000025-jijp-int.view-000

中国「孤立の道歩む」

22日、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会でカーター米国防長官は、南シナ海で人工島の造成や施設建設を進める中国について、
 「自らを孤立させる行動を取ろうとしている」
と語った。



サーチナニュース 2016-01-24 09:13
http://news.searchina.net/id/1600584?page=1

「南沙諸島を軍事施設化する気はないが、脅威あれば防御固める」=中国海軍トップ

 中国メディアの観察者網によると、中国海軍トップの呉勝利同軍司令員(司令官)は20日午前、米海軍のジョン・M・リチャードソン作戦部長とテレビ電話で会談し、スプラトリー諸島(南沙諸島)に飛行場を建設したことについて、軍事施設化を求めるものではないが、防御施設を強化すると述べた。

 呉司令官は中国が2015年になり、中国が南沙諸島のファイアリー・クロス礁(永暑礁)周囲を埋め立てて建設した滑走路に、当局がチャーターした民間旅客機の離発着を繰り返したことについて、
 「飛行場施設が民間機の標準に適合しているどうかの試験。
 中国が国際的に承諾している責任と義務をよりよく履行し、さらに多くの国際的公共サービスを提供するためだ」
と主張した。

 民間旅客機には運航上の安全性を高めるため、
 「エンジン1発が故障した場合でも一定時間(機種により異なる)以内に着陸できる場所を確保している航路を飛行せねばならない」
との国際的定めがある。

 そのため、地上に空港が少ない海上や砂漠、大山地などを飛行する場合、航路の制約が大きくなる。
 中国は永暑礁で建設した飛行場について、自国以外の航空会社が運航する旅客便についても緊急用の着陸場所として提供すると表明。
 同飛行場の存在によって、民間旅客機の航路選択の自由度が増すので、飛行場建設は外国の航空会社にとっても利益になると主張している。

 呉司令官は南沙諸島で進めているさまざまな建設について
 「必要な防御施設を作っているだけで、軍事施設化ではない。
 ただし、個別の国家とメディアが悪意をもって騒いでいる」
と主張。

 さらに、改めて「軍事施設化を求めているのではない」と述べた後に、
 「防御施設がどのような規模になるのかは、われわれが受ける脅威の程度によって決まる。
 中国海軍には、南沙諸島と岩礁の主権と安全を守る決意も能力もある」
と述べた。



レコードチャイナ 配信日時:2016年2月5日(金) 7時30分  
http://www.recordchina.co.jp/a128445.html

米国とフィリピン、南シナ海で合同巡視活動を実施か
=中国の人工島着陸で警戒強める―米メディア

 2016年2月4日、米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(中国語電子版)によると、米国の駐フィリピン大使は3日、米国とフィリピンが合同で南シナ海の巡視活動を行う可能性があると表明した。

 同大使は、米国とフィリピンが南シナ海問題における利益を共有していると指摘。
 双方がすでに関連するルールについての議論を終え、合同での海洋巡視活動を行う可能性を排除しないと表明した。
 しかし、議論がどの程度まで進んでいるかには言及せず、「米国は国際法の範囲内で行動する」と強調した。

 中国は最近、南沙諸島で埋め立てた7つの岩礁のひとつ、ファイアリー・クロス礁に航空機を着陸させた。
 これを受け、フィリピンは米国に同海域周辺での合同巡視活動を実施するよう求めていた。
 フィリピンのデルロサリオ外相は先週、実現に向けて関係各部門が検討に入っていることを明らかにしていた。





【激甚化する時代の風貌】



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