2016年1月1日金曜日

アメリカなきアジアでの日本の形:日本が中国と対等に渡り合っていくには

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 日本はいまいわゆる「普通の国」への道程を歩いている。
 中国はこの普通の国というのうを「正常な国」と表現している。
 日本より中国の方が表現的には正確である。
 英語なら「ニューノーマル」になる。
 その根本は沈みつつあるアメリカのアジアにとって、
 日本が中国と対等に渡り合っていくにはどうしたらいいか、
ということにつきる。


現代ビジネス 2016年01月01日(金) 伊勢﨑 賢治
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47229

9条もアメリカも日本を守ってくれない! 
そろそろ「国防」についてホンネで話をしよう
いま、真の脅威は何か

 世の中には、ソレを言っちゃおしまいよ、ということがある。

 ソレを言ったら、ソレを意識の外に置くことでそれなりに成り立ってきた業界、それなりの二項/多項対立をつくってきた言論界の土台が崩れてしまう。そういうソレだ。
 まず、国連憲章の中にある「敵国条項」。日本は国際社会の中で、厳然たる「敵国」として今も規定されている。 
 なぜそんなことになっているのか。

■国連の本質は戦勝五大大国の「王様クラブ」

 非戦は憲法9条の専売特許ではない。
 人類の戦争を違法化する人類の痕跡が国際法である。
 そりゃそうだ。
 誰だって大戦の後はこんなもの二度と繰り返したくないと思う。

 第一次大戦後のパリ不戦条約。
 でも、全ての戦争を違法化することはできなかった。
 「自衛」が残った。
 そして第二次大戦。
 国際法はさらに進化する。
 まだ穴だらけで悪用つまり戦争できる余地が多々あるが。

 国連は英語でUnited Nationsという。
 つまり連合国。地球侵略を企てた不埒もの(日本やドイツなど)を成敗した戦勝五大大国(米・英・仏・露・中)が、二度とこういう輩をのさばらせないように、王様クラブ(仲良しクラブとは言えないが)として地球上の全ての「武力の行使」を統制する。

 このレジュームが国連であり、別に国連は人権を守るための世界政府じゃない。
 このレジューム下で許された「武力の行使」の”言い訳”は、たった三つしかない(国連憲章第51条)。
 ①:個別的自衛権、
 ②:集団的自衛権
 ③:集団安全保障、
である。

 侵略者が現れたら、王様クラブの司令の下、全世界がそいつに襲いかかる。
 これが③集団安全保障だ。
 でも、もし王様クラブのアクションが遅れたら? 
ということで、「レジューム」は二つの逃げを設けている。

一つは、
 ③がとられるまで、暫定的に行使を許されている①と②の自衛権(許しているのは”中国”を含む王様クラブだということを忘れずに)。
 当たり前だが、自衛は、武力攻撃を受けてはじめて要件成立となる。

もう一つは、
 地域の取り組みの奨励。
 地域のお仲間で”ミニ国連”をつくって敵に対処してね、と。

 でも、実際の「武力の行使」には事前に王様クラブの許可が必要となる。
 ただし、その敵が「旧敵国(日本やドイツのこと)」だったら、許可なしにボコボコにしていいからね、というのが敵国条項だ。つ
 まり、日本ほど「武力に行使」に気をつけなければならない国はないのだ。

■日本の活路は?

 この敵国条項は、死文化しているという向きもあるけど、希望的観測にしかすぎない。
 かりに今は善人として通っていても、歴史修正主義(不埒ものを成敗した国連の成り立ちの歴史を修正しようとしている)なんてレッテルを貼られ、拙速な武力行使をしでかし「侵略者」として孤立したら、王様クラブを犠牲にしてまでアメリカは日本を擁護すると思うか。

 世界は手のひらを返す。
 それが国際政治だ。
 「武力の行使」をできるフツーの国になるには、軍備を増強しても、何も始まらない。
 どんな武器を持っても、フツーの国より撃ちにくいうちは。
 日本が撃ちにくいのは、9条のせいじゃないのだ。

■それでは日本の活路はどこにあるのか?

 「レジューム」の中で善行を重ね続ける。
 いつか、王様クラブ、特に中露が、保護観察の身からフツーの国への昇格を同意するまで、ひたすら善人を通す。
 これしかない。
 もちろん、「シームレス」などと絶対に言ってはいけない。
 警察力(防犯)と武力の行使(戦争)に切れ目がないとあらかじめ宣言する国がどこにあるか。

 こんなことは、「武力の行使」を統制する「レジューム」への無謀な挑戦としか見えない。
 仮想敵国(中国か?)に対する平時での宣戦布告としかとれない。
 「昇格」などほど遠い。

■中国や北朝鮮の脅威にかまっている暇などない

 次に、ソレを言ったらホントにおしまいよ、というソレ。
 本稿で紹介したい拙著『新国防論 9条もアメリカも日本を守れない』から以下を引用する。

* * *

 仮想敵国の目の前にいながら国防上の〝懐〟のない日本。
だからこそ、かつては大東亜共栄圏を夢想したわけですが、今は平べったい島国に「原発」を並べただけの日本。

 これをボクシングにたとえると、大きなアメリカをセコンドに持つも、9条で後ろ手に縛られたまま、自ら腹を掻っ捌いて臓物を敵に露出しているようなものです。
 この臓物を引っ込めて傷口を縫うことは未来永劫できません。
 核物質を地球外に廃棄する技術ができない限りは。

 そして、もちろん、臓物が狙われたら真っ先に逃げるのはセコンド(アメリカ)でしょう。
  3.11の東日本大震災の時、横須賀の米空母ジョージ・ワシントンが真っ先に逃げ出したように。

 つまり、日本は、臓物を攻撃しないという敵の善意、原子力施設への攻撃が違法化されている国際人道法や戦時国際法を、北朝鮮も含めた国連加盟国なら「守る」だろうという、薄氷のような〝良識〟に依存してゆかなければ、国防という概念さえ成り立たないのです。

 そして、原子力施設への攻撃は、通常兵器に頼る必要すらありません。
 国家でなく、単なる集団でもできる。
 「電源喪失」で済むのです。
 3・11が、世界に、明確に、広く示唆したヒントです。

 今、人類は、そんな〝良識〟など歯牙にもかけない「敵」に直面しているのです。
 中国や北朝鮮の脅威にかまっている暇があるでしょうか?

* * *

 その新たな「敵」とはもちろん、2001年9.11同時多発テロを契機に表面化したグローバル・テロリズムのことだ。
 彼らは、国家では考えられない「防犯」と「戦争」の間を自由に行き来する。
 犯罪は根絶できないように、この敵は根絶できない。
 それどころか、戦況は、アメリカが建国史上最長の戦争を戦い、軍事的勝利を挙げられず撤退したアフガニスタンが物語る。

 これは、日本にとって対岸の火事か? 
 いや、3.11時の「想定外」は二度と許されないのだ。


伊勢﨑 賢治(いせざき・けんじ)
1957年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。インド国立ボンベイ大学大学院に留学中、現地スラム街の住民運動に関わる。2000年3月より、国連東チモール暫定行政機構上級民政官として、現地コバリマ県の知事を務める。2001年6月より、国連シエラレオネ派遺団の武装解除部長として、武装勢力から武器を取り上げる。2003年2月からは、日本政府特別顧問として、アフガニスタンでの武装解除を担当。現在、東京外国語大学教授。プロのトランペッターとしても活動中。著書に『武装解除 紛争屋が見た世界』、『本当の戦争の話をしよう世界の「対立」を仕切る』などがある。



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月3日(日) 23時40分
http://www.recordchina.co.jp/a126292.html

日本は離島への自衛隊配備を加速し米軍は撤退?
=「米国は危険を察知した」
「日本は爆買いのお金で武器を買っている」―中国ネット

  2016年1月2日、中国メディアの国際先駆導報は、
 日本政府が離島防衛を強化しているのに対し、
 米軍は後方へ撤退している
とする記事を掲載した。

 記事は、
 防衛省が石垣島へ500人規模の自衛隊を配備することを決めた事や、中
 期防衛力整備計画では沖縄本島や南西諸島の防衛に重点を置いた内容で、地対艦や地対空ミサイルの部隊も配備する計画である
と紹介。
 その一方で、中国のミサイル攻撃力の強化に伴い、沖縄の駐日米軍は安全ではなくなったため、米軍は戦力の主力をグアムなどへ後退させていると主張した。

このニュースに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「日本は米国のために一生懸命だな」
「米国は危険を察知したな。
 でも日本はわが道を行くようだ」

「米国はずる賢いな。
 一番危険なところは日本にやらせるんだから」
「米国は逃げられるけど、日本は逃げようがないからな」

「日本は局部的な戦争を仕掛けるつもりか?」
「やはり日本に対する警戒を高め、軍事力を強化しないと」

「日本は爆買いする人が落としたお金で武器を買って中国に敵対している」
「日本の軍国主義的な行動は太平洋地区の安全にとって重大な脅威だ」

「直接南シナ海の貿易航路を断ってしまえばいい」
「自衛隊員を配備しても無駄だよ。ミサイルを数発撃てばいいだけ。
 配備数が多いほど損失も大きくなる」



産経新聞 1月3日(日)9時40分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160103-00000501-san-cn

島が危ない! 
着々と整備進む中国軍の着上陸侵攻能力
…米海軍ピリピリ

 中国人民解放軍がいくら精強な着上陸部隊を整備しても、上陸地点まで輸送する手段がなければ意味がない。
 中国海軍の近代化の過程で、揚陸艦は最優先の整備対象ではなく、
 輸送能力は現在のところ台湾本土への侵攻には不十分とされる。
 が、2000年以降の近代化の結果、防御側の態勢次第ではあるものの、日本の離島や南シナ海の島嶼(とうしょ)に侵攻するのに十分な能力を備えているようだ。(台北 田中靖人)

 ■輸送力は1個師団以上

 1990年代から急速に進んだ中国海軍の近代化の過程で、揚陸艦の増強は主要な目標ではなかった。
 ただ、大型化と近代化は徐々にではあるが、確実に進んでいる。
 台湾海軍の学術論文によると、中国海軍は2000年代初頭から揚陸艦の大型化を進めてきた。

 台湾海軍の論文の間でも、中国が保有する揚陸艦の隻数の見積もりは異なり、正確な数量は分からない。
 13年2月の論文は、近海以遠への兵力投射が可能となる
 大型・中型の揚陸艦の総数を88隻以上とし、1個歩兵師団(約1万2000人)が輸送可能
としている。
 台湾の国防部(国防省に相当)は11年の国防報告書で、中国には台湾の離島を奪取する能力があると分析。
 中国大陸に近い台湾の離島の場合、小型の揚陸艦艇も使用できるため一概には言えないが、分析の背景にはこうした見積もりがあるとみられる。

 一方、中国研究誌「中共研究」の14年5月の論文は、
 中国の揚陸艦艇を約230隻と推計し、約2万6000人と戦闘車両1530両が輸送可能
としている。
 前回紹介した海軍陸戦隊2個旅団全ての人員と装備が一度に輸送するのに十分な能力だ。
 だが、推計では小型の玉北級(074A型)揚陸艇(LCU、800~1000トン)が150隻を占める。
 同級は05年までに10隻の建造が確認されているものの、論文は、その後年5隻のペースで増産していると仮定している。

 また、玉北級は小型のため、日本周辺や南シナ海などへの投射能力は不明。
 ただ、中国海軍はかつて、玉北級よりも旧式の玉林級(079型、約800トン)を南シナ海の島嶼への補給用に使用しており、気象条件が良ければ玉北級も南シナ海や周辺国向けに使用されるとみられる。

 ■将来は遠征軍化か

 米海軍情報局(ONI)が今年4月に6年ぶりに公表した中国海軍に関する報告書は、
 「水陸両用艦(Amphibious Ships)」の配備数を北海艦隊11隻、東海艦隊20隻、南海艦隊25隻の計56隻
としている。
 内訳は不明だが、小型の揚陸艇は「水陸両用作戦」の概念に含まれていない可能性がある。
 また、2000年代初等の近代化計画の後、中国の両用戦艦隊の規模は「安定している」としている。

 米海軍が注目しているのは、やはり中・大型の揚陸艦のようだ。
 文中では、「少数の」玉亭2級戦車揚陸艦(LST、満載排水量約5000トン)が、耐用年数を過ぎた玉康級(同約4200トン)を代替する目的で建造中としているほか、大型の玉昭級(071型)揚陸艦(LPD)4隻が建造済みと明記。
 近い将来、玉昭級が追加建造されるのに加え、より大型でヘリ用の全通甲板を備えた強襲揚陸艦(LHA)が建造されるとの見通しも示している。

 13年2月の台湾海軍の論文によると、玉昭級揚陸艦の初号艦「崑崙山」は06年末に進水し、08年7月に南海艦隊に配備された。
 排水量は1万7000~2万トンで、1隻で海軍陸戦隊1個大隊(兵員500~800人、水陸両用装甲戦闘車両15~20両と補給物資)が輸送できる。
 また、大型のドック式格納庫に少なくとも4艘のエアクッション型揚陸艇(LCAC)が登載できるほか、後方の格納庫付きヘリ甲板から同時にヘリ2機(武装兵計30人が搭乗)の離発艦が可能で、ヘリの格納庫がなかった玉亭級と比べ、大幅に作戦能力が向上したとされる。

 2隻目の「井崗山」は11年に同じく南海艦隊に配備。玉昭級揚陸艦は、アデン湾への派遣や行方不明となったマレーシア航空機の捜索などに投入され、国際的にも注目を集めている。
 09年の国防部の論文は、将来、玉昭級6隻と081型と呼ばれる強襲揚陸艦(LHA)3隻で、米海兵隊の海兵遠征軍(MEF=1個海兵師団基幹)と同等の部隊を編成する可能性があると指摘している。

 ■詳細な上陸手順

 これらの上陸部隊は実際にはどのように作戦を行うのか。
 台湾陸軍の14年10月の論文は、1個師団が上陸作戦を行う手順を、中国軍の教材などを元に分析している。
 それによると、師団は 隷下部隊を
 「突撃上陸群」(2個歩兵連隊と水陸両用戦車など)、
 「縦深攻撃群」(1個装甲連隊など)、
 「火力突撃群」(砲兵、対装甲部隊、攻撃ヘリ部隊)、
 「先遣部隊」、「空挺(くうてい)部隊」(1個歩兵大隊)、
 「合成予備群」(戦車、歩兵で1個大隊)
などに分けて編成し、上陸準備を整える。

 師団が上陸する海岸線は6~8キロに及び、その中から2~3カ所が旅団または連隊の上陸地点になる。
 師団は、揚陸艦や輸送艦などで構成する輸送艦隊4~6個に分かれて乗船し、上陸地点に向かう。
 上陸地点に近づくと、部隊は岸から40~60キロの地点で揚陸艦からLCACやヘリに搭乗。
 さらに揚陸艇に乗り換えるのは岸から20~30キロで、水陸両用戦車・装甲車は4~8キロで水上に出る。
 その後、2~6キロの地点から一斉に突撃を開始。
 12~25分で岸にたどり着くという。
 上陸成功後は、6~8時間で長さ1000~1500メートルの簡易埠頭(ふとう)が設置され、後続の部隊や物資の陸揚げを行う。

 こうした構想は各種固定翼機の火力支援を前提とするなど台湾侵攻を想定しているとみられる上、前述のように十分な輸送能力があるかどうかは分からない。
 ただ、中国海軍が目標として掲げていることは事実だ。

 ■空挺部隊も

 これらの上陸部隊に加え、空挺部隊の存在もある。
 国防部の10年4月の論文は、
 第15空軍(約3万人)が保有する輸送機を運8(空挺要員82人を輸送)30機、運7(同29人)30機、IL76(同125人)52機と推計。
 基地から600カイリ(約1100キロ)の地点に計9830人が一度に降下できるとしている。
 沖縄県の宮古島から中国・上海までは約800キロ。
 15空軍の拠点がある内陸部から直接向かうのは無理があるが、事前に進出しておけば不可能な距離ではない。



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月7日(木) 7時20分
http://www.recordchina.co.jp/a126446.html

日本は世界一の兵器輸入大国、
安倍政権誕生後に防衛費はさらに膨張―韓国紙

 2016年1月5日、韓国紙・中央日報は日本の兵器輸入額が世界1位と判明したとの記事を掲載した。
 環球時報が伝えた。

 米国務省は昨年12月31日、報告書「2015年世界軍事支出・兵器移転」(WMEAT)を発表した。
 2002年から12年の11年間で日本の兵器輸入額は166億ドル(約1兆9700億円)で世界1位。
 2位の英国(100億ドル、約1兆1900億円)、
 3位の韓国(61億ドル、約7230億円)
の合計額に匹敵する金額だ。
 防衛費全体では年平均522億ドル(約6兆1900億円)。
 米国、中国、英国、フランスに次ぐ5位となった。

 しかも12年秋の安倍政権誕生以後、日本はさらに防衛費を増額している。
 16年度は史上初めて5兆円を突破した。
 イージス艦や早期警戒機、オスプレイなど朝鮮半島及び北東アジアにおける探知能力を強化し、海外展開能力を強化する武装が導入される。