2016年1月13日水曜日

日中開戦の可能性(1):中国の言い訳は「後ろにアメリカがいるから」、衝撃シュミレーションの「何これ的!」ハテナ?

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 日本と中国がタイマンでやっても日本が勝つだろう。
 中国の最強部隊である陸軍が日本に泳いで渡ってくるわけにはいかない。
 そして各部隊は任務から軍事力を割くわけにもいかない。
 日中開戦のとき、日本は中国のほかにはロシアを考慮に入れねばならない。
 中国は地続きの周辺国すべてを考慮に入れねばならない。
 どさくさにまぎれて中国侵攻する国がないともいえない。
 よって、陸軍は日本に行けないと同じように管轄地から動くわけにもいかない。
  その陸軍とて最新技術の兵器はカタログ化している。

 地政学的にいって、日本に向けられる中国軍の戦力は限られてくる。
 陸軍を除けば、日本に向けられる戦力はほぼ海軍・空軍に限られる。
 海軍・空軍はたかが知れている。
 これらの軍はカタログ兵力で、実戦経験がない。
 いったいどれほど使えるかはほとんど未知数である
 数を並べるだけのものである。
 物量評価で戦争を占うのも良いが、
 質からいうとほとんど中国は日本の敵にならない。
 空自は確実にスクランブルできるが、中国空軍がそんなことをやったら、戦闘機は数回のスクランブルでたちまちポンコツ化してしまう。
 東シナ海には日本の潜水艦が潜み、上を対潜哨戒機が見回るとなると、戦闘機の優劣で勝敗が見えてしまう。
 核兵器は使えないし、日中戦争では日本の都市部にミサイル攻撃することは許されない。
 もし、それをやれば北京に反作用としてのミサイルが打ち込まれてことを考慮に入れなければならない。
 もし、北京にミサイルが打ち込まれ、象徴的建物にわずかでも被害が出て、それがメデイア宣伝に載れば、時の政府はつぶれてしまう可能性がある。

 開戦したら中国は日本に勝ち続けなければならない
という重荷を背負っている。
 でないと国内が混乱し、共産党政権が倒れる可能性もある。
 そして、問題なのは
 「ささいな負けもを許されない解放軍」
という責務を背負っているのが、中国共産党である。
 戦争は勝った負けたの繰り返しである。
 特に日本は敗戦経験があるので、負けることによる心理的ダメージには慣れている。
 よって、中国としては日本とは戦争したくない。
 しかし、それでは「軍事力は勝る」と宣伝し、「反日を煽る」ことで国内を抑え込んでいる中国当局としては、内部の突き上げに抗しきれない。
 そこで、
 「日本の後ろにはアメリカがいる、
 だから中国は開戦できない」
という言い訳で、事を回避しようと綱渡りしている。

 日本からみると、核を使えな現代では、豊富な戦争キャリアからして、
 中国軍は怯える対象にはならない
と思い判断している。
 ゆえに容易に
 「中国の前に立ちふさがる行為を、ためらいなしに出来る」
ということにもなる。
 つまり日本は中国に怖れを全く抱いていない。
 ちょっと粗暴にして厄介な隣国がある、といったところなのだろう。
 その備えも対策もとりつつあるということでもある。

 日本は中国が共産党政権であるかぎり安全と判断している。
 というのは共産党政権というのは許容範囲の狭い独裁で、
 その存在自体が内部に敵を抱え込んでいる形になっている
ため大きな行動にはでにくい構造になっているからである。
 具体的には「武装警察。公安部」の予算は、解放軍の予算と同額である、
ということがある。
 単純に言うと、
 解放軍が相手にする国外敵と同じほどに国内の敵を持っている
ということである。
 つまり
 外国の敵と戦うと同じくらいに、
 国内の敵と戦わないこの政権は維持できない形になってしまっている
 のである。 
 そのために
 中国は、外に対しては数で脅しをかけ、
 言葉で恐怖を煽る、
 という策しかとれない
ということである。
 もし、行動に移した時に僅かな失敗でも共産党政権が崩壊する可能性があるかぎり、動きにくくなる。
 中国が日本にとって本当に恐ろしい時とは、
 選挙によって選ばれた集団が政権をとり、
 その政権が軍事力行使に動いたときである。

 それ以外には恐怖の対象にはならない。

 しかし、それを日本政府はあからさまには言わない。
 中国の数と言葉の圧力を逆利用しているからである。
 あたかも中国の前では蛇に睨まれたカエルのようなポーズをとって、日本が中国に対抗できるのは後ろにアメリカの存在があるからだ、もしそれがなかった日本は中国にいともたやすく飲み込まれてしまう、というムードを作り上げている。
 なぜそうするのかというと、それによって自衛防衛の対策がとれ、予算の獲得が容易になるというメリットがあるからである。
 「このままでは、中国にやられてしまう。
 中国の侵略に対抗できるようにしなければならない」
というのはピカピカの武器をもたらす「打ち出の小槌に」なる。
 この仕組を中国は「『中国の要素』を利用する日本」と表現する。
 日本は中国という要素を利用してニューノーマルな国への道を歩み出している、ということになる。
 ありがたいことに、中国はそれを応援してくれている。
 両者相身互いである。


サーチナニュース 2016-01-22 08:33
http://news.searchina.net/id/1600443?page=1

日中戦争が勃発する可能性は?
中国メディアが推測する答えは・・・

 人類の歴史は戦争の歴史でもある。
 一部の分析によれば、戦後70年の間に国連に加盟する193カ国で戦争をしなかったのはわずか8カ国だけだ。
 その8カ国には日本も含まれる。

 日本と中国は尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐって対立しているが、近い将来「日中戦争」が勃発する可能性はあるのだろうか。
 中国メディアの捜狐はこのほど、さまざまな角度から日中戦争の勃発の可能性について分析している。

 記事はまず、
★.中国が日本に宣戦布告する可能性について分析し、
 その可能性について「可能性はない」
と論じた。
 その理由として、日米安全保障条約の存在を挙げ、
 米国が日本を見捨てる可能性が少ないとし、
 米国が日本の背後に控えている以上、中国は日本に宣戦できない
と指摘した。

★次に、日本が中国に宣戦布告する可能性について分析、
 その可能性についても「ない」
と論じた。
 日本には米国の参戦が必要だが、もし中国が日本に宣戦布告するなら「国家の威信」がかかっている米国は日本を助けにくる。
 しかし日本が中国に宣戦布告するなら米国には日本を助ける理由がなく、むしろ日本に武器を売って稼ぎに走ると記事は分析している。
 米国の参戦を期待できないなら日本は中国に喧嘩をしかけることはできないだろう。

 さらに日中の軍事力の圧倒的な違いを指摘、
 「核兵器」を持っている中国に日本が宣戦布告することはない
と主張、結局のところ
 日本には中国に打ち勝つだけの軍事力がない
との見方を示した。

 また記事は、日中どちらの国民も戦争を望んでいないと主張している。日本国民が戦争を望んでいないのは周知のとおりだが、中国国民も戦争を望んでいない。どちらの国民も平和で経済的に安定した生活を心から望んでいる。記事はこの点と関連して、現代の戦争は以前の戦争と違って国家に経済的なメリットをもたらさない点を指摘している。費用は高くつき、国家としての利益も小さいのが現代の戦争だと言えそうだ。



サーチナニュース 2016-01-13 08:35
http://news.searchina.net/id/1599516?page=1

日中両国の「軍事工業力」、
どちらの国が戦争を優勢に戦えるか=中国報道

 もし今、日本と中国の戦争がぼっ発したとしたら、いったいどちらが勝つのだろうか。
 さまざまな分析があるなか、中国メディアの捜狐はこのほど、日中両国の「軍事工業力」に注目し、どちらの国が戦争を優勢に戦えるかを分析する記事を掲載した。

 戦争で優位に戦うには優れた戦略や熟練した兵隊という要素のほかに「武器の質と量」も相手国を上回ることが重要だろう。
 では兵器の質と量に直接関係する軍事工業の実力については、日中はどの程度の水準にあるのだろうか。

★.総体的に見た場合は中国のほうが日本を上回る圧倒的な実力がある
と主張。
 続けて、まず
★.日本の弱さについて、「平和憲法があるために大規模生産ができず、生産コストも高い」
と指摘し、個々の分野で開発された先端技術を軍事に活用し、実用化するのが苦手であることが日本の弱点だと論じた。
 また、
★.日本はハード開発は得意だがソフト開発は苦手であり、軍事技術の重要な部分を米国に依存している
ことは日本の最大の弱点であると主張した。

 中国にしてみれば、日本の軍事工業力はまるで「大人の助けが必要な子ども」のようなもの
なのかもしれない。
 大砲技術はドイツ、レーダー及びミサイル技術は米国、航空機や船のエンジン技術も米国と英国に依存していると記事は主張する一方、
★.中国は戦争に必要な軍事工業技術をすべて掌握しており、他国に頼る必要がない
と論じた。

 さらに記事は
★.「もし米国が手を貸さなければ、日本の軍事体系はたちまち麻痺する」
としている。
 例えば制空権確保は非常に重要だが、最新の戦闘機開発においても日本は米国の助けが必要だ。
 もし米国が何かのことで日本を離れるなら、第5世代戦闘機を自力で開発できる中国との実力差を埋めることは非常に難しくなる。
 結論として記事は「ボクシングに例えるなら、中国にとって日本は同じ階級の選手ではない」と主張し、
 「軍事工業力」においては中国のほうが優位にある
との見方を示している。



サーチナニュース 2016-01-25 18:25
http://news.searchina.net/id/1600716?page=1

なぜだ!中国はこれだけ強大なのに
日本はなぜ屈服しないのか=中国

 中国は世界第2位の経済大国であり、軍事的にも近年は急成長を遂げている。
  中国人は自国のぼっ興に誇りを持つと同時に、驕りもあるようだ。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、中国は日本を上回る経済規模をほこり、軍事力としても米ロに次ぐ実力を持っていると主張する一方、
★.多くの中国人は「中国に対して屈服しようとしない日本が不思議でたまらない」
と思っていると主張する一方、
★.こうした中国人の考え方は誤ったものだ
と論じる記事を掲載した。

 記事はまず、現代においては国家という組織だけが国際情勢を左右するわけではなく、グローバル企業や非政府組織なども大きな影響を持ち始めていると指摘。
 国と国の関係だけをもって国際関係を論じることはできないのが現代だとしながらも、あくまでも日本と中国という国の関係を見た場合、
 「近年の日本で軍国主義が台頭してきているのは、国土の大きさや経済力とは無関係だ」
と主張。

 中国ではしばしば、日本で軍国主義が台頭してきているとする報道が多く、かつて日本が中国に侵攻したのも日本の国土が小さく、国土拡大のためだったという主張も見られる。

 一方で、これまでの世界史を紐解けば、国土が小さく、人口も少ない英国が世界を牛耳った例もあるとし、
 「国土の大小や人口の規模を見て、国家の優劣を論じることが間違っている」
と指摘。
★.日本の国土が小さいからといって、国土の大きい中国に屈服するわけがない
と論じた。

 また、中国やインドはかつて世界有数の経済規模をほこったが、経済規模は中印以下であったが、産業革命を成し遂げた英国に支配されたと指摘し、経済規模も国の優劣を決める要素にはならないと指摘、だからこそ日本が中国に屈服することはないのだと論じている。



サーチナニュース 2016-01-22 13:13
http://news.searchina.net/id/1600495?page=1

中国はなぜ、最新式「99A」式戦車を124台しか保有していない?  
「高価で信頼性がないからだ!」=中国メディア

 中国メディアの新浪網は19日、
 「中国はなぜ、99A式戦車を124台しか持っていないのか」
などと題する論説を掲載した。

 論説はまず、戦車は現在でも陸軍にとって最もな主戦兵器と解説。
 性能が向上したこともあり、冷戦期の米ソのように1万台以上を保有している国は、すでに存在しないと紹介した。

 中国が保有する主力戦車は7000台以上で、世界で最も多い。
 しかし問題は、旧式戦車を多く使っていることだ。
 最も古い「59式」は、ソ連が1947年に量産型を完成させた「T-54」の中国国内でのライセンス生産版だ。
 59式から派生させた「59-2」、「59D」、「69」「79」の各型式戦車がまだ現役だ。

 中国はその後「88」、「88A」、「96」式の戦車を、「第2世代」あるいは「第2.5世代」戦車として完成させた。
 そして「99式」、さらに最新の「99A」式を開発した。

 「99A」式戦車が配備されているのは、第38集団軍だ。
 ただし、配備数は124台のみという。

 論説は、「99A」式の配備数が少ない理由として、まず
1].「高価であること」を挙げた。
 同戦車は装甲、火力、通信能力のいずれを見ても、中国の「最先端・最高峰」の技術が込められており、その結果として極めて高価であるために、大量に装備するのは現実的でないという。

 論説はさらに、戦車開発関係者の話として、
2].「99A」式はまだ、信頼性に欠けると紹介した。
 最新の技術を投入しただけに、問題も多いと言う。
 同関係者は
 「2017年には、成熟したと言える状態になるだろう」
と話したという。



JB Press 2016.1.27(水)  部谷 直亮
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45849

衝撃のシミュレーション「中国は5日で日本に勝利」
米ランド研が警告、米国は尖閣に関わるな

 軍事問題におけるリアリズムの観点からの分析で知られる米ランド研究所。
 彼らがシミュレーションを実施したところ、日本は尖閣諸島をめぐる中国との戦いにおいて5日間で敗北し、手も足も出なくなるというのです。
 そして、彼らの出した結論は、「不毛の島」を巡る日中の争いは最終的に米中戦争を引き起こす可能性が高いので、米国は無視するべきというものでした。

 このシミュレーションを取り仕切ったのは、ランド研究所の上級アナリスト、デヴィッド・シラパク氏です。
 彼は中国の軍事問題やウォーシミュレーションの権威として知られています。

 シラパク氏は30年以上も米国の将校と外交官のために精緻なシミュレーションを作成してきました。
 昨年発表した、中国のアジア各地の米空軍基地への攻撃能力の増大についての彼も関与した報告書は、日本の安保研究者の間でも高い評価を受けています。

◆5日目に中国は尖閣諸島を確保

 彼はつい先日、外交専門誌「フォーリンポリシー」の記者たちを招いて、尖閣諸島における「5日間戦争」をシミュレートし、彼らに概略を公開させました。
 その内容を簡単に紹介しましょう。

【1日目】
 日本の右翼活動家たちが、尖閣諸島の魚釣島に上陸し、日本の国旗を掲揚し、YouTubeで中国を挑発。
 日本政府が対応に追われる間、中国はただちに海警を送り込み、全員を逮捕・拘束する。


【2日目】
 日本は周辺海域に護衛艦や戦闘機を展開。
 中国側も海軍艦艇を展開し、一瞬即発の状況になる。
 日本は、米国に防衛義務を果たすように要請し、米国は受諾。
 日本側の要請に応じて、米駆逐艦を日本海にも展開し、尖閣諸島周辺には攻撃型潜水艦を送り込む。
 ただし、空母は横須賀から西太平洋に避難させる。

【3日目】
 中国の海警が尖閣諸島周辺の日本の漁船と衝突し、沈没させたことで事態はエスカレート。
 海上保安庁は、放水等で対抗する。
 中国のフリゲート艦は30ミリ機関砲を空自機に対して発砲、これに日本側も応戦。
 その結果、中国側が航空機と対艦ミサイルで反撃し、2隻の日本側の艦船が撃沈し、500人が戦死。
 もはや、日中間の外交チャンネルは一切機能しなくなり、日本政府は米国に、より多くの支援を要請。
 日中それぞれに存在する米大使館は、現地の市民によって包囲され、米国の保守メディアは自国政府の弱腰を批判し、上院議員たちは激論を交わす。

 しかし米政府は、
 『日本の要請にゼロ回答だと他の同盟諸国が離反しかねない。
 だが、要請に完全に応じれば、同盟諸国の不信よりも多くの国益を失う米中全面戦争になりかねない』
というジレンマに陥る。
 そこで、米兵のリスクが少ない、米潜水艦による中国軍艦艇への魚雷攻撃を選択。
 これは中国への警告のためであり、米中戦争を引き起こすためではなかった。
 その結果、中国軍の駆逐艦2隻を撃沈し、今度は中国軍の水兵数百人が戦死する。

【4日目】
 中国指導部は事態の展開に驚愕する。
 ここで、中国側も米中の本格的な戦争を避けつつ、米国に痛みを与えることを決断。
 今や中国には何億人ものネット市民が存在し、彼らの報復を求める声を無視することはできないからである。

 中国側は、
★.米国の送電システムに埋め込まれている破壊工作ソフトウエアを起動し、ロサンゼルスとサンフランシスコを停電に追い込む。
★.そして、証券取引所の自動取引システムを操作し、何百億ドルもの損害を与える。
★.極めつけは米国債の売却をほのめかし、急激なドル安へと追い込む。

【5日目】
★.中国軍は尖閣諸島周辺の海自艦艇に対して、弾道・巡航ミサイル中心の攻撃を継続する。
 そして、
★.24時間で海上自衛隊は戦力の20%を喪失。
★.同時に中国は日本経済への攻撃を開始する。
★.日本の脆弱な送電システムを作動不能に追い込み、重要なジェット燃料の精製所を爆破する。

 ここにきて、日本は再び米国に支援を嘆願する。
 具体的には、
★.西太平洋に展開する空母打撃群の参戦、
★.中国軍艦艇へのさらなる攻撃、
★.中国本土の対艦ミサイル基地の破壊
などである。

 しかし米側は全てを拒否する。
 その代わりに、
★.米軍の潜水艦と航空機を増派し、海自の撤退を支援。
 米中総力戦を回避しつつ、日本の海自と経済の壊滅を回避できるという考えに基づく行動だった。
 この海自部隊の撤退を以てゲームは終了。
★.中国は尖閣諸島を確保する。

 こうして中国は“短期的な”勝利者となる。
  ただし、日本やアジア諸国は中国に対抗するための軍拡と経済連携を加速させる公算が高く、「割に合わない勝利」と評するべきかもしれない──。

◆米国は尖閣諸島をめぐる紛争を「無視するべき」

 以上が日中5日間戦争のシミュレーションです。
 シラパク氏は、もし米国が日本の要請に応じ、空母打撃群を尖閣諸島周辺に派遣し、中国本土の対艦ミサイル基地を叩いていたらどうなっていたかについても検討を加えました。
 その場合のシラパク氏によるシミュレーションは次の通りです。

中国の弾道ミサイル攻撃により嘉手納基地が壊滅し、
 米空母も対艦弾道ミサイルによって撃沈し、
 死者は数千人単位に及ぶことになる。
 米側はこれに対し、中国海軍の重要な基地を攻撃するか、中国軍唯一の空母を撃沈するか、中国経済を窒息させるために南シナ海の封鎖を継続するか、のいずれかができる。
 しかし、
★.米軍は日本の島嶼や海自の防衛には協力しない。
 その結果、中国側は無制限の損害を日本に与えることができることになる──。

 そして、彼らは5つの結論を導き出します。

★.第1に、同盟には「巻き込まれる」という危険な面もある。

★.第2に、対日防衛義務の多くは履行するのは難しい。
 ミサイル防衛は不可能ではないが、中国の膨大なミサイル保有量を考えれば難しく、日本は脆弱である。

★.第3に、中国の大軍拡および彼らの新しい戦争方法は全てを変えた。
 今の中国には現代的な海軍、多数の強力な弾道及び巡航ミサイル、効果的な空軍、洗練された無人機がある。
 10年前の日本ならば単独で尖閣諸島を防衛できただろうが、今や時代は変わった。

★.第4に、今や米空母は中国の対艦ミサイルに対して脆弱な存在である。

★.第5に、日米中におけるナショナリズムは事態を悪化させ、政策決定者の選択肢を奪うという意味において非常に強力であり、致命的な存在である。

 そして、シラパク氏は
 「米国が日中間の尖閣諸島をめぐる戦いに関与することは、特大の戦略的な失敗でしかない。
 尖閣諸島における危機管理の最高の手段は、無視することなのかもしれない」
と結語します。

◆自衛隊の体制の抜本的な改革を

 以上の内容は日本にとってどのような意味を持つのでしょうか。

 それは
 第1に、米国をどのように日本の戦争に引きずり込むか、そのための軍事的、政治的、経済的、文化的な手段を組み立てておく必要があるということです。
 ランド研究所を代表するリアリストまでが、尖閣諸島問題に関わるべきではないと公言する時代になってしまったのです。
 少なくとも、平和安全法制のような、米国の善意に期待するもの“だけ”では不足でしょう。

第2に、このシミュレーションは自衛隊の体制の抜本的な改革の必要性を示唆しているということです。

★.中国のサイバー攻撃および大量の弾道・巡航ミサイル等による奇襲能力、
 すなわちA2/AD戦力が、有事における米軍の活動および来援を困難にするレベルに達している
というのは、米国の議論ではすでに前提となっています。
 米軍ですらそうなのですから、自衛隊がより困難な状況にあることは言うまでもありません。

 しかも、
★.現在の自衛隊の戦力構成は、中国の対地・対艦弾道ミサイル攻撃等、
 そして、サイバー攻撃やゲリラコマンド攻撃に対して非常に脆弱
と言わざるを得ません。

★.海自のいずも型ヘリ空母は弾道・巡航ミサイル攻撃の前には無力です。
 中国の対艦弾道ミサイルDF-21は1ユニット6~12億円、いずもは1隻1200億円であり、100発撃ち込んでもお釣りがくる計算です。
 海自の対潜能力は最高水準ですが、対ミサイルには関係なく、そもそもミサイル保有数も限定的です。
 空自の基地にける戦闘機用の掩体壕(えんたいごう)は少数であり、ミサイル弾薬のほとんどが高蔵寺弾薬庫に集中しています。
 陸自はそもそも輸送力が決定的に不足しており、国内の有事の輸送は日本通運、通信はNTTが頼りです。

 中国は、こうした自衛隊の脆弱な面に特化して軍拡をしてきたと言っても過言ではありません。

 どのようにすれば継戦能力を有事に維持することができ、
 中国のA2/AD能力を無効化・緩和できるのか、どうすればたった5日間で尖閣諸島を奪われるという屈辱的な事態に至らないで済むのか、
 自衛隊のあるべき戦力構成や作戦構想について真剣に議論すべき時が来ています。

 これは大変だ! となるのだが。
 どうも意図的に偏った形でシュミレーションが展開されているようにしか見えない。
 危機感を煽るにか都合がいいが、何か
 日本政府の回し者的な論理
が散見される。
 こんなものに右往左往する人もいないだろうが、日本政府としてはしてやったりの論だろう。


JB Press 2016.2.4(木)  織田 邦男
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45950

あまりに稚拙な「日本が5日で敗北」シミュレーション
冷戦時のデジャブ、
「コミットメント・パラドクス」の罠にはまる?

 1月15日、米国の外交専門誌「Foreign policy」は、ランド研究所が実施した尖閣諸島を巡る日中衝突のシミュレーション結果を公表した。
 その結果は「日本は5日で敗北」という衝撃的な結末だった。

 冷戦時、筆者は現役自衛官だったが、
 「日本は極東ソ連軍に1週間で完敗する」とか、
 「航空自衛隊は開戦後15分で消滅する」
とかよく言われたせいかデジャブ感を覚えた。

 シミュレーションの詳細が不明なため(「Foreign Policy」はシナリオと結果のみ報道)、この評価は難しい。
 「5日」の正否はともかく、日中が直接ガチンコ勝負になれば、結果は同じようになるかもしれない。
 さりとて、複雑な要因が入り乱れる国際社会の中で、こんなに単純にはいかないというのが率直な感想だ。
 それより、ランド研究所は今、なぜこういう衝撃的な結果を発表したのだろう。
 筆者はその思惑の方に興味をそそられる。

◆次々発表される「コミットメント・パラドクス」

 最近、米国では中国系シンクタンクが「コミットメント・パラドクス」を相次いで発表しているという。
 「コミットメント・パラドクス」を簡単に言うとこうだ。
米国は同盟国へのコミットメントとして、ジュニアパートナーにあまり肩入れし過ぎない方がいい。
 さもなければ軍事大国との全面戦争に巻き込まれることになる。
 それは決して人類にとって幸せなことではない。

 つまり尖閣諸島と言った無人島の領有権を巡り、米国はあまりコミットすべきではない。
 米国にとって何の価値もない無人島にコミットし過ぎると、中国との紛争に巻き込まれる可能性がある。
 日中間の紛争に巻き込まれたら、米中核戦争にエスカレートする蓋然性もゼロではない。
 それは米国の国益にとって決してプラスにはならないという助言を装った一種の警告である。
 中国は台湾、南シナ海のみならず、尖閣諸島も「核心的利益」として位置づけ、領有権に関しては一歩も引く気配はない。
 だが、米国のバラク・オバマ大統領が「尖閣は安保条約5条の対象」と明言したことにより、身動きが取れないでいる。
 27年間で41倍という驚異的な軍拡を図ってきた中国も、いまだ米軍だけには歯が立たない。
 だから中国は決して米国とは事を構えたくないと思っている。
 もし日中間で小競り合いが起こっても、何とか米軍が動かない方策を探し求めている。

 人民解放軍の高官が語っている。
 「我々にとって最良の日米同盟は、ここぞという絶妙の瞬間に機能しないことだ」
と。
 この言葉に中国の本音が透けて見える。中国にとっては、
 米国の宿痾とも言える「引きこもり症候群」を再発するのが一番好都合に違いない。

 今回のランド研究所の公表内容は「コミットメント・パラドクス」そのものである。
 近年、米国の有名大学やシンクタンクに莫大な額のチャイナマネーが流れているのは公然たる事実である。
 あるシンクタンク関係者が語っていた。
 公正中立を標榜する有力シンクタンクでも、莫大なファンドを寄付する顧客の意に沿わない報告書はなかなか出せないと。
 「ランドよ、お前もか」ともよぎるが、「天下のランドだから、そんな」との思いもある。
 オバマ大統領は2013年9月、「米国はもはや世界の警察官ではない」と明言した。
 その後も同発言を繰り返している。
 これが今後の米国外交方針の潮流ならば、この流れに迎合する「時流迎合型」報告書なのかと考えたりもする。

◆ランド研究所の思惑とは

 ランド研究所がこれを公表した12日後、ハリス(ハリー・ビンクリー・ハリス・ジュニア)米太平洋軍司令官は、沖縄県尖閣諸島について「中国からの攻撃があれば、我々は必ず(日米安保条約に基づき)防衛する」と公開の席上で述べ、米軍の軍事介入を言明した。
 この発言を見る限り、潮流の方向性が定まっているとも思えない。

 では、冷戦時によくあった、日本の防衛力増強を強要するための警鐘なのだろうか。
 だが、オバマ政権はこれまで、日本に対し際立った防衛力増強の要求はしてこなかった。
 これを考えると、首をひねらざるを得ない。
 正直に言って今回のランドの思惑は筆者には分からない。
 なぜ、思惑について興味を引いたかというと、
 シミュレーション内容がランド研究所にしては、あまりにも稚拙で、一方的だったからだ。(シミュレーションの詳細が不明なため、「Foreign policy」の記事からのみ判断していることをお断りしておく)

 シナリオは日本の右翼活動家が魚釣島に上陸したことから始まる。中国は直ちに海警を派遣し、これを逮捕、拘束する。2日目、日本政府は周辺海域に護衛艦や戦闘機を展開。米国も日本の要請に応じ、駆逐艦や攻撃型潜水艦を派遣する。中国側も海軍艦艇を展開したため、周辺海域は一触即発の緊張状態となる。

 3日目、中国の海警が日本の漁船と衝突、沈没させたことにより事態はエスカレート。
 中国フリゲート艦が30ミリ対空機関砲で空自機に発砲したことで、日本側も応戦し、一気にテンションは高まり、交戦状態となって海自艦艇2隻が沈められる。
 ここまでが交戦に至るまでのシナリオであるが、どうも素人っぽい。
 勉強不足の学生が書いた未熟な卒論の感が否めない。
 実態と乖離し過ぎると、シミュレーション自体の信頼性が失われる。

 2日目に海自艦艇や空自戦闘機を展開したとあるが、根拠は何だろう。
 海警による上陸日本人の逮捕、拘束は、武力攻撃事態とは言えない。
 当然、防衛出動は下令されていないはずだ。
 治安出動、海上警備行動がその根拠かもしれない。
 2日目だったら、時間的余裕なく、ひょっとしたら、海自、空自部隊の展開は「行動」ではなく、防衛省設置法の「調査研究」を根拠にしているかもしれない。

◆あり得ない前提条件

 いずれにしろ、防衛出動が下令されない限り、展開した海自、空自は武力の行使はできない。
  仮に攻撃を受けた場合でも警察権に制約された武器の使用しかできない。
 だとしたら、海自指揮官は中国艦艇からは距離を置き、防護体制を整えて被攻撃を避け、行動の監視を命ずるだけだろう。
 まして中国フリゲート艦の30ミリ対空機関砲の威力圏内に空自戦闘機を飛ばすことなど、まずあり得ない。
 また海上保安庁の巡視艇が中国海警に「放水」して対抗とあるが、日本の海上保安庁は法律上、他国の公船に対して放水はできないし、するはずもない。
 以上だけでも、シナリオの未熟さが分かる。

 現実的には、米国が駆逐艦、攻撃型潜水艦を派遣した時点で、中国は矛を収めざるを得ないだろう。
 人民解放軍は近代化されたとはいえ、いまだ米軍には歯が立たないことは、人民解放軍自身が一番よく知っている。

 1996年、初の台湾総統選挙を妨害するため、中国は台湾近海に4発のミサイルを撃ち込んだ。だが、ビル・クリントン大統領が即座に2隻の空母を派遣した途端、矛を収めざるを得なかった。
 人民解放軍はこの屈辱をいまだに忘れてはいない。
 だが、中国軍にこの屈辱を覆せるだけの実力は今なお備わっていないのが現実だ。
 同じ屈辱を味わうようなバカなことはするはずはない。

 中国の軍事行動の蓋然性は、国際政治の観点も考慮しなければならない。
 現在の中国の最優先課題、つまりコアな国益は、

(1):共産党一党独裁体制の存続
(2):国内社会秩序の維持(分離独立の排除、治安維持)
(3):経済成長の持続
 である。
 特に(3)は(1)と(2)支える必要条件であり、至上命題となっている。

 グローバル経済に依存する中国にとって、
 (3)のためには、国際社会から糾弾されるような行動、つまり経済成長に悪影響を及ぼすような行動は慎まねばならない。
 2014年、中国が西沙諸島で石油掘削作業を一方的に実施した時の対応が象徴的である。
 ベトナムは漁船にNHK、CNN、ABC各記者を乗船させ、警備にあたる中国船が、ベトナム漁船に衝突を繰り返す動画を全世界に配信させた。
 中国の暴虐無道ぶりに対し国際社会で一斉に非難の声が上がった。
 途端、中国は掘削作業を取りやめた。
 ベトナムは中国が国際社会の非難には敏感だという弱みをうまく利用したわけだ。

 だからこそ、中国は「核心的利益」であっても、国際社会から糾弾されるような通常戦や熱核戦は回避し、「不戦屈敵」を最善とする。
 これが「三戦」つまり「心理戦、世論戦、法律戦」を重視するゆえんであり、目立たないで実利をとる「サラミ・スライス戦略」を遂行するわけだ。

◆米本土が攻撃されても怒らない米国人?

 こういう中国が、先に空自戦闘機に攻撃を仕かけ、海自艦艇を沈めて、500人の犠牲者を出すようなシナリオにはかなり無理がある。          
 シナリオに戻ろう。
 3日目、海自艦艇撃沈を機に事態はエスカレートし、米海軍も中国艦艇2隻を撃沈する。
 4日目、中国は米国に対しては、本格戦争へのエスカレーションを避けるため、サイバー戦に限定し、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市を停電に追い込む。
 証券取引所にもシステム妨害を実施して莫大な損害を与える。
 大被害を受けた米国は日本に対するコミットを下げていくという。

このシナリオにも相当無理がある。
 米本土の国民に被害が及んだ時点で、第2の「真珠湾攻撃」となり、米国民の怒りは頂点に達するだろう。
 さらにサイバー攻撃なら軍事的反撃は制約されるという前提そのものに誤謬がある。
 サイバー攻撃については、米国は「サイバー空間国際戦略」( International Strategy for Cyberspace 2011)を公表し、方針を明確にしている。

「合衆国は、他の国々と共に、責任ある行動を促進し、
ネットワークとシステムを破壊しようとする者に対し、悪意のある行為者を抑止・抑制すると同時に、
国家の重大な財産を必要かつ適切な範囲で防衛する権利を留保する」
とし、国家の固有の権利である自衛権はサイバー空間においても適用され、自衛のための軍事力を展開する権利を有すると明言している。

 米国防総省が公表した「サイバー空間作戦戦略」(Department of Defense Strategy for Operating in Cyberspace 2011)でも、サイバー空間における敵対行為に対する自衛権及び軍事力行使の可能性を明示している。
米国民が激昂すれば、コミットを下げるどころか、
 本格的な対中戦争にエスカレートする確率が高いことは、中国が一番知っているはずだ。
 本格的な米中戦争で勝てる確信がないまま、米中戦争の誘因になる作戦を遂行するほど中国は愚かではあるまい。
 同盟国に対する米国のコミットメントにより、米国が多大な損害を受けるという結論が先にあるために、荒唐無稽なシナリオを重ねているような感じがする。
 これで最終日を迎えるが、無理の上に無理を重ねているため、軍事的に見ても非常に奇妙なところが出てくる。

◆航空機優勢獲得の戦いはどこへ

5日目、尖閣周辺海域の海自艦艇は弾道ミサイルと巡航ミサイルの攻撃を受け、海自戦力の5分の1を喪失。
 中国はさらに日本への経済中枢へも攻撃を開始する。
 日本政府は米国政府に策源地攻撃を要求するが、米国はこれを拒否。
 その代わり、潜水艦と戦闘機を増派して海自の撤退を支援する。
 これでゲームは終わり、中国が尖閣諸島を確保するというシナリオだ。

 日本の軍事基地や政経中枢へのミサイル攻撃などというが、これでは明らかな日中全面戦争である。
 国連を含め国際社会の中国非難は高まり、中国のリスクは相当なものになる。
 もしこのリスクを冒すとしたら、先述のコアな国益、つまり
(1)共産党一党独裁体制の存続、または
(2)国内社会秩序の維持が本当に危うくなった時だけ
であろう。
 百歩譲って、こんなこともあり得ると仮定して軍事的に見てみよう。
 これは組織的、計画的な武力攻撃であり、当然防衛出動は下令されるだろう。
 であれば空自戦闘機も戦闘に参加しているはずだ。
 このシミュレーションでは航空優勢獲得の戦いが見えない。

シナリオは海上戦闘が主とはいえ、航空優勢の帰趨に大きく勝敗が左右される。
 周辺海域の制空権を握らずして、1~2日で海自艦艇の20%を喪失させることは難しい。
 もし対艦弾道弾ミサイル「DF-21D」だけで20%の破壊をカウントしていたとしたら、それはミサイルの過大評価である。
 まして中国海軍艦艇も空自の対艦攻撃で大きな損害を被っているはずだ。
数百発単位の弾道弾ミサイルを保有するとはいえ、ミサイル攻撃だけで制空権を獲得した近代戦史は存在しないし、今後もそう簡単にはいかないだろう。
 ミサイルだけで日本にある全滑走路を潰すことさえ不可能に近い。

 日本には、戦闘機が活動できる2500メートル以上の滑走路は全国で約60本ある(民間空港含む)。
 これをすべて破壊しなければ事実上の完全航空優勢は取れない。
 だが、1~2日で完全に破壊するのはまず不可能と言える。
 ランド研究所は弾道弾ミサイルを過大評価しているようにも思えるが詳細は不明である。

 策源地攻撃の要請を米国は拒否したとある。
 (これは十分にあり得る)それでも、シナリオでは周辺海域で米海軍艦艇が行動している。
 艦艇が行動する限り、策源地攻撃はなくても、その海域の制空権を取るための防勢的対航空作戦(Defensive Counter Air)は実施されているはずだ。
 となると、さらに完全な航空優勢獲得はあり得なくなる。
 つまり1日や2日で、海自艦艇の20%も喪失することは荒唐無稽に近い。

◆中国の仕かける罠には注意が必要

 稚拙なシナリオに喧嘩してもしようがない。
 だが、冒頭述べたように、「5日」の正否は別として、日米同盟が機能しない場合、日中がガチンコ勝負すれば、最終的にはこのような悲惨な結果になることを否定するつもりはない。
 我が国の「弱さの自覚」は極めて重要である。
 だが必要以上に怖れることもない。

 だからこそ、米国が「コミットメント・パラドクス」に安易に同意しないような対米外交、日米防衛協力などの日本の努力がさらに重要となる。
 こういう意味で、昨年の安全保障法制整備は一歩前進であったことは間違いない。

 同時に、現実的には尖閣諸島で安保条約5条が発動されることはないだろうということも、覚悟しておかねばならない。
 中国は米国が「尖閣は5条の対象」と言っている限りは、軍隊を出さないだろう。
 その代わりに軍艦もどきの公船を出してくる可能性がある。
 公船を出してくる限り、武力攻撃事態の認定が難しく、防衛出動も下令できない可能性は高い。
 その場合、安保条約5条の発動はないというわけだ。
 防衛出動も下令されず、自衛隊が戦っていないのに、米軍が出動するということはあり得ないからだ。

 中国は今、大型で重武装の軍艦もどきの公船を続々建造中である。
 まもなく1万2000トン級の大型公船が完成するという。
 だが、公船である限り、たとえ大型で重装備であっても、安易に自衛隊を出してはならない。
 日本が先に軍を出したとして、日本を悪玉にしつつ人民解放軍を出す口実を中国は探っているからだ。
 この対策としては、海上保安庁法と警察官職務執行法を改正して、海保と警察に領域警備の任務を付与すべきというのが筆者の自論なのだが、紙幅の関係上、細部は別の機会に譲ることにする。

 詳細が不明なシミュレーション結果に一喜一憂する必要はない。
 だが、東シナ海の平和維持について、重要なパラメーターは日米同盟であることは間違いない。
 中国は何とか米軍が出てこない日中紛争の機会を伺っていることは確かだ。
 今年末には米国の新大統領が決まる。
 誰がなろうが、「コミットメント・パラドクス」の罠に陥らないよう対米外交を進めなければならない。
 それには日本も相当な自助努力が必要である。
 ロバート・ゲーツ元国防長官が離任時に述べた言葉を、もう一度思い出す必要がありそうだ。
 「国防に力を入れる気力も能力もない同盟国を支援するために、貴重な資源を割く意欲や忍耐は次第に減退していく」。




サーチナニュース 2016-01-29 13:53
http://news.searchina.net/id/1601159?page=1

米軍司令官「中国に攻撃されれば尖閣守る」 
中国ネット民「自国領だから攻撃しないよ」



 環球網など中国メディアは28日、米太平洋軍の米太平洋軍のハリー・ハリス司令官がワシントン市内での講演で現地時間27日、
 「中国に攻撃されれば、我々は尖閣を明確に守る」
と述べたと伝えた。

 環球時報は日本時間28日午前11時半に、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)で自らが保有するアカウントで同記事の要約を発表。
 環球時報が運営するネットメディアの環球網は日本時間28日午後2時すぎに、比較的長い記事を掲載した。

 環球網は、
 「釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)問題は中国にとって核心的利益」、
 「米国や日本が何を言おうと、小細工をしようと、中国側が釣魚島に絶対的な主権を持つ事実を変えることはできない。
 中国政府と軍の、国家の主権と領土の完全性を維持仕様という決心と意思を動揺させることはできない」
と、中国のこれまで通りの主張を展開した。

 環球時報のツイッターでの投稿には、日本時間午後3時50分までに約780件のコメントが寄せられた。
 同時点までに「いいね」が最も多い2つは
 「米国のお父さんがまた、自分の息子の日本をだましてカネを取るんだよ」、
 「米国の考えは簡単。
 パパはお金がなくなったんだ。
 日本よ、早くおくれよ」
だ。

 興味深いのは、「いいね」の件数が3番目と4番目であるコメントが
 「自分の家の島をなんで攻撃しなければならないのだ」、
 「(河北省)唐山を中国軍が攻撃するか? 
 (江蘇省)蘇州が中国軍に攻撃されるか? 
 自国の軍隊が自国を攻撃するか?」
だ。
 さらに、
 「中国は外国人の侵入から、釣魚島を保護するだけだよ」
とのコメントも、「いいね」を多く集めている。

 中国では尖閣諸島についてこのところ、自国の公船派遣の常態化を理由に
 「すでに日本と中国の双方が管理するようになった」
と、日本の実効支配を認めない言い方が増えた。
 中国当局の意図は不明だが、尖閣諸島について「不完全ではあるが、中国が支配している」と認識する中国人が増加していることが感じられる。


 尖閣は言葉遊びに終始するだけである。
 中国には尖閣に軍事行動をおこすだけの勇気はない。
 そんなことをすれば共産党が滅びる。
 あたかも、すでに
 日中共同支配をしているような雰囲気を醸しだして、国民をなだめよう
とするのが中国の方針で、言葉遊びにすぎない。


レコードチャイナ 配信日時:2016年1月29日(金) 18時0分
http://www.recordchina.co.jp/a121332.html

「中国は潜在的侵略者」、
米太平洋軍トップが異例の発言―米メディア

 2016年1月28日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版サイトによると、米軍高官が
 「中国は潜在的侵略者」
と異例の発言をした。

 米太平洋軍のハリス司令官は27日、米ワシントンのシンクタンク「戦略国際問題研究所」で講演し、中国を「潜在的侵略者」という異例の表現で批判した。
 その上でオバマ大統領をはじめとする米高官が繰り返し発言してきたとおり、
 「尖閣諸島が中国から攻撃されれば米軍は防衛する」
と明言している。

 米国はこれまで「尖閣諸島は日米安全保障条約の適用範囲」と表現してきたが、ハリス司令官の発言は「中国の攻撃」と具体的に言及、従来より踏み込んだ表現となった。


レコードチャイナ 配信日時:2016年2月4日(木) 6時50分
http://www.recordchina.co.jp/a128366.html

日本の軍国主義復活を決める3つの条件とは?―中国専門家

 2016年2月3日、環球時報によると、日中関係に詳しい専門家が
 「日本の軍国主義復活の可能性は低い」
と指摘している。

 南京大学国際関係研究院の朱鋒(ジュー・フォン)院長は、
 「安倍政権が誕生して以来、日本は至る所で中国に対抗しており、
 日中関係はすでにアジア太平洋地域で最も不安定な戦略的ライバル関係
になっている。
 こうした状況下で、安倍政権は憲法改正を行い、戦後日本の平和体制と徹底的に決別しようとしている」
と指摘している。

 一方で、中国国内で日本のこうした動きを「軍国主義の復活」とする見方が広まっていることについては、「いささか一方的な見方だ」と慎重な姿勢を示す。

 朱氏は、日本の軍国主義復活は
★.「日本が再び“皇国思想”を中心とする国家主義を形成すること」
★.「日本の民主体制が崩壊し、軍人が権力構造の主体になること」
★.「日本国民が再び軍事拡張こそが日本の生きる道だと信じること」
3つの条件によって決まると指摘。
 「現在の状況から見て、この3つの条件は予見できる未来においてどれも具備する可能性は高くない」
とし、日本軍国主義復活の可能性は非常に小さいと主張している。

 朱氏は、
 「日本は至る所で『中国の要素』を利用して、平和憲法とこれまでの安保体制を捨て去ろうとしている」
 「国際社会で“中国の孤立”を狙っている」
などと指摘。
 「日本の中国に対する脅威は、多くの中国人が想像する“軍国主義の復活”などではなく、
★.多方面にわたる対中世論の形成、
★.外交挑発、
★.安全上の脅威
である」
とし、
 「歴史問題の中で単純に概念化された日本という認識はすでに過去の物。
 対日関係をどう処理するかは、大国としての試金石である」
としている。





【激甚化する時代の風貌】



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