2016年1月2日土曜日

解放軍改革(1):ロケット軍とサイバー戦略部隊の創設、 「紅い皇帝」習近平の野望

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●中国人民解放軍、「ロケット軍」など3部隊を新設
TBS系(JNN) 1月2日(土)6時31分配信


時事通信 1月2日(土)1時31分配信
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2016010200007

ロケット軍など新設=軍大規模改革が始動―中国

 【北京時事】
 中国人民解放軍が12月31日、
★.「陸軍指導機構」(陸軍司令部)、
★.「ロケット軍」、
★.「戦略支援部隊」
の3機関を新たに創設した。
 習近平中央軍事委員会主席(共産党総書記、国家主席)が創設大会に出席し、3機関の司令官らを任命した。
 国営新華社通信が1日伝えた。習主席は昨年11月、1949年の新中国建国後、最大規模の軍改革推進を宣言したが、本格始動した形だ。

 ロケット軍は第2砲兵(戦略ミサイル部隊)を改称、任務を引き継ぐ。
 習主席は「戦略抑止力の中心であり、わが国の大国地位を保つ戦略的な支えだ」と強調。
 国防省の楊宇軍報道官は
 「核兵器の先制不使用の政策を終始実行し、中国の核政策・核戦略に何の変化もない」
と説明した。

 一方、解放軍は従来、陸軍が中心の縦割り組織で、陸軍の司令部は存在しなかった。
 今回の軍改革では
 陸、海、空軍とロケット軍を統括する「統合作戦指揮」体制の確立
が柱になる。
 南シナ海などでの対立を受け、習指導部が海、空軍の強化に乗り出す中、陸軍司令部の新設で陸、海、空軍、ロケット軍を対等に位置づけ、伝統的な陸軍主導の指揮系統を見直す狙いだ。

 また戦略支援部隊に関して習主席は「国家安全を守る新型作戦戦力だ」と指摘した。
 サイバー戦略などの任務を担うとみられる。
 陸軍司令官には李作成成都軍区司令官、
 ロケット軍司令官には魏鳳和・第2砲兵司令官、
 戦略支援部隊司令官には高津・軍事科学院院長
が任命された。 



朝日新聞デジタル 1月1日(金)23時54分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160102-00000001-asahi-int

中国、サイバー戦略担う戦略支援部隊創設 「火箭軍」も

 中国の国営新華社通信は1日夜、中国軍が新たに
★.「火箭軍(ロケット軍)」
★.「戦略支援部隊」
★.「陸軍指導機構」
を創設したと発表した。
 習近平(シーチンピン)指導部は米軍に対抗するため、1949年の新中国成立以来の大規模な軍の組織改革を進めている。

 中国軍は北京や瀋陽など七つの軍区に分かれ、陸海空の各部門と第2砲兵(戦略ミサイル部隊)で構成されてきた。

 新華社通信によると、12月31日、北京にある中国軍の施設「八一大楼」で、共産党中央軍事委員会主席を兼ねる習国家主席が出席し、新たな部隊の発足式が開かれた。

 習氏は発足式の訓示で「軍隊強化の道を揺るぎなく進んでいく」と強調。
 ロケット軍について「わが国の戦略的抑止の中核戦力であり、大国としての地位の戦略的支柱だ」と述べ、「核抑止と核反撃能力を増強し、中長距離・精密攻撃力を強化する」との方針を示した。

 また、習氏は戦略支援部隊について「国の安全を守る新しいタイプの作戦力で、重要な成長ポイントになる」とした。
 中国国防省や北京の軍事筋によると、ロケット軍は第2砲兵が強化・名称変更したもので、戦略支援部隊はサイバーや衛星分野の戦略を担う方向で検討されているという。



Yahoo!ニュース 2016年1月2日 17時42分配信 遠藤誉
http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20160102-00053063/

中国、軍の大規模改革――即戦力向上と効率化

 習近平国家主席は昨年12月31日、「陸軍指導機構、ロケット軍、戦略支援部隊」創設大会で強軍の夢を語った。
 1月1日の中国メディアが一斉に報道。建国以来の大規模軍事改革とは何か、中国の軍は何をめざすのか?

◆「陸軍指導機構」の創設とは?

 習近平国家主席は、昨年11月24日に(~26日)、中央軍事委員会主席として「中央軍事委員会改革工作会議」を招集し、「陸海空軍を一体的に運用するための聯合作戦指揮機構の創設」を指示した。
 そして12月31日、中国人民解放軍本部の「八一大楼」で「陸軍指導機構、ロケット軍、戦略支援部隊」創設大会が開催され、1月1日の中国の全ての新聞紙面や中央テレビ局CCTVなどで華々しく発表された。
 「八一」というのは中国人民解放軍建軍記念日8月1日から取ったものである。

 習近平中央軍事委員会主席は、この創設大会で「中国の夢、強軍の夢」を実現するために現代化を図るとして人民解放軍の代表らを激励した。

 それではまず、「陸軍指導機構」が何を意味しているかをご説明しよう。

 中国の軍隊である中国人民解放軍を管轄する中国共産党中央委員会(中共中央)軍事委員会は従来、「総政治部、総参謀部、総后勤部、総装備部」の4大総部に分かれ、このうちの総参謀部が「作戦・指揮」に当たっていた。

人民解放軍は建国以前(国共内戦時代)から「陸軍」を主体としていたため、総参謀部が事実上の陸軍司令部の役割を果たしていたので、これまで総参謀部と分離する形で「陸軍司令部」を特別に設置するということはしていなかった。
 一方、建国後、総参謀部の下に「海軍」「陸軍」などが増設されていったために、まるで陸軍の補強軍種として海空軍が存在しているような形になっていた。
 しかし今や海空軍の力はあなどれない。
 内戦が起きたり、国境線上で領有権争いが起きたり、あるいは他国が中国大陸上に攻め込んで来たりするような事態が生じない限り、陸軍が力を発揮するようなケースは想定しにくい。

 それに比べて、近隣諸国との間の軍事力のバランスを考えたときには、陸軍よりも海空軍の強化の方が重要だと言える国際情勢になっている。
 そこで陸軍司令部を新たに新設して総参謀部から切り離し、海空軍と並列に陸軍を置こうというのが、まず第一の基本改革である。
 それが「陸軍指導機構」創設の意味する内容だ。

◆「ロケット軍」の創設とは?

 「ロケット軍」とは、これまで臨時に置かれていた「第二砲兵」(ミサイル部隊)の新しい位置づけによる名称である。
 これからは総参謀部の下に、
 「陸軍、海軍、空軍、ロケット軍」という形で、4大軍種
が置かれることになる。
 従来の第二砲兵は1966年7月1日に創設されたもので、当時の毛沢東主席の批准を得て、当時の周恩来総理が命名したものである。
 陸軍の軍服を着用していたが、実際上は陸軍とは区別されており、核ミサイル攻撃に対応するため「国家機密」の必要から、「陸軍の第二砲兵」という装いの形を取ってきた。
 しかしこれからは「現代化ロケット軍」として、(アメリカ軍などを想定した)「敵対勢力」による「核」(核弾頭搭載可能な弾道ミサイル)の脅威から中国を守るのだという趣旨のことを、習近平・軍事委員会主席は創設大会で述べた。

 中国が現在保持している短距離弾道ミサイルDF-16(東風16、核弾頭搭載可能。グアムを射程に置ける)や準中距離弾道ミサイルDF-21D(東風21D、核弾頭搭載可能。射程約1500キロ)などは、あくまでも他国から攻撃された場合の「抑止力」として作用するのであり、敵から攻撃されない限り、中国は決して自ら積極的にロケット軍の武器を使用することはないとしている。

 その一方で、
 ロケット軍創設の目的は、「海の底」(原子力潜水艦)から天空(核弾頭搭載弾道ミサイル)までを包括的に掌握する立体的な核戦力掌握でもある
と言える。

◆「軍区」から「戦区」への転換と「聯合作戦体制」

 習近平国家主席はまた中央軍事委員会主席として、「軍区」から「戦区」への転換と「聯合作戦体制」の構築に関しても指示を出している。
 中国の陸軍はこれまで「7大軍区」と呼ばれる7つの軍区に中国大陸を区分化し、総参謀部が管轄していた。
 7つの軍区には
 「瀋陽軍区、北京軍区、済南軍区、南京軍区、広州軍区、生徒軍区、蘭州軍区」
があり、これは1985年6月に開催された中央軍事委員会拡大会議で決定されたものである。
 このとき100万人の兵力削減を行うと同時に、11大軍区を7大軍区に統廃合した。

 今般の軍事大規模改革では、昨年9月3日の軍事パレードで習近平国家主席が宣言した中国人民解放軍30万人削減とともに、「軍区」という概念を捨て、「戦区」によって中国の軍事力を高めることを狙っている。
 軍区という概念は陸軍や野戦部隊を中心とした守備で、現在のハイテク化した国際軍事情勢には適合しない。
 そこで7大軍区を4大(あるいは5大)戦区に分けて、
 「陸海空軍+ロケット軍」全体で「聯合作戦体制」を組み、即戦力を高めていこうという戦略だ。
 また、これまで軍区を管轄していた総参謀部を中心としてでなく、習近平が主席を務めている中央軍事委員会と戦区の二つのレベルの「聯合作戦指揮体制」という機構を構築し、途中の指揮系統を省略して効率化を高めていくという狙いもある。

 情報戦という側面を考えれば、瞬時にして戦場の形勢が変化する可能性もあり、電光石火のごとき変化に俊敏に対応するには、命令指揮系統が多いと、作戦を誤る危険性もあるので、一気に動ける聯合作戦体制が不可欠なのだと、中国政府関係者は説明している。

(その意味で、総参謀部は、これまでのような絶大な力を持ちえなくなるかもしれない。)

 4大戦区案に関しては今のところ、「西北戦区(蘭州軍区+成都軍区)、華南戦区(広州軍区+南海艦隊+東海艦隊)、華北戦区(南京軍区+済南軍区)、東北戦区(瀋陽軍区+北京軍区+北海艦隊)」という話もチラホラとあり、そうではなくて「東西南北+中部」の5区分にするとも言われており、これに関しては決定的な決議はまだなされていない。

◆戦略支援部隊と紀律検査委員会

 このたび創設された部隊の中に、「戦略支援部隊」というのがあるが、これに関して1月1日に開催した国防部外事弁公室による記者会見で、「これは国家安全を守る新型作戦戦力で、軍事力を高めると同時に総合保障能力を高める」と回答している。
 上記の改革が実行されたのちに正式に動き始めるとのこと。

 それ以外にも軍事委員会内に紀律検査委員会を設置し、軍事法院(軍事裁判所)や軍事検察院(検察庁)も設けて、腐敗の防止に軍事委員会が直接目を光らせることなどが、軍事委員会改革工作会議で決議されている。

 このとき発表された「国防と軍隊改革を深化させることに関する意見」をめぐって、軍事専門家に新華社がインタビューした記事が、たとえば今年1月1日の中華人民共和国国防部ウェブサイトや、1月2日の人民網などに転載されている。

 中国語だが、詳細を知りたい方は、これらのページをクリックしてみていただきたい。

◆中共中央軍事委員会の強化と集中的な統一指揮

 軍事はもちろん中央集権的でないと強烈な力を発揮できないだろうが、このたびの大規模軍事改革から、
 「即戦力の向上と命令指揮系統の効率化」
以外に、
 「中共中央軍事委員会の強化と集中的な統一指揮」
を目指していることが見えてくる。
 それはすなわち、そのトップに立つ習近平主席の一極集中化を際立たせている。

 習近平が中央軍事委員会主席として「陸軍指導機構、ロケット軍、戦略支援部隊」創設大会に姿を現していた12月31日、国防部の楊宇軍報道官は同日の記者会見で、中国初の「国産空母」を遼寧省大連で建造していると発表した。
 上海では3隻目の空母製造に取り掛かっている模様だ。

 楊宇軍報道官は、「国家の海上安全の防衛、領海の主権と海洋権益の保護は中国軍の神聖な職責 だ」と述べたが、今般の軍事大規模改革が完遂する2020年までに、東シナ海だけでなく南シナ海における覇権も確保し、対米軍対応を完備していくつもりだろう。

 陸軍指導機構やロケット軍の新設と同時に軍区を戦区に切り替えていく中国は、まさに「陸海空軍+ロケット軍」の聯合作戦により、海と空への覇権を万全のものにしようと狙っていることが見えてくる。

 これは「一帯一路(陸と海の新シルクロード)」構想完遂のためにも不可欠と言えるだろう。

 さて、正月にも息ができないほどの大気汚染に見舞われている北京の中南海において、
 「紅い皇帝」習近平の2016年は、順調に滑り出すのだろうか?

その野望と現実に注目していきたい。

遠藤誉: 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦(国共内戦)を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。



yahooニュース 2016年1月4日 6時0分配信 遠藤誉
http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20160104-00053086/

中国軍改革、なぜ今なのか
――南沙諸島もこのタイミング

 中国の軍改革は、なぜこのタイミングなのか?
 そして南沙諸島の人口島における民間機の試験飛行との関係は?
 習近平政権誕生以降、2020年までに達成するとしている軍事戦略から、なぜ今かを読み解く。

◆「2015年~2020年」の軍事達成目標

 日本人から見ると、中国の軍改革は、いかにも唐突感があり、しかも年末の12月31日であったことから、「なぜ、そんなギリギリに?」とか「なぜ今なのか?」という疑問が湧いてくるだろう。
 そこで今回は、習近平政権が何を考えているかを解明することによって、「なぜ今なのか」の謎解きを試みたい。

 2012年11月の第18回党大会が終わると、中央軍事委員会主席に選ばれた習近平は、立て続けに軍関係者に会い、軍の根拠地などを視察した。視察したのは陸海空軍と第二砲兵および武装警察である。
 その視察の中で「中華民族の偉大なる復興は強国の夢であり、強軍の夢である」と何度も檄(げき)を飛ばした。
 そして2014年3月までに、5つの軍関係の「領導小組(指導グループ)」を結成している。

その5つとは(順不同)、

1.中央軍事委員会、国防と軍隊改革を深化させる領導小組
2.全軍軍事訓練監察領導小組
3.中央軍事委員会、巡視工作領導小組(紀律検査委員会による巡視)
4.全軍と党の群衆路線教育実践活動領導小組(イデオロギー教育が目的)
5.全軍基本建設プロジェクトと不動産資源検査工作領導小組(腐敗防止が目的)
である。

 このうち、2014年3月15日に開催された「中央軍事委員会、国防と軍隊改革を深化させる領導小組」第一回全体会議で、習近平軍事委員会主席は「2015年から2020年までに軍事改革を行ない、新しい時代に沿った現代化システムを構築する」という趣旨の「重要講話」をしている。
 これに沿って、実施されたのが
 1月2日の本コラム「中国、軍の大規模改革――即戦力向上と効率化」で書いた「中央軍事委員会改革工作会議」(2015年11月24日)であり、
 12月31日に開催された「陸軍指導機構、ロケット軍、戦略支援部隊」創設大会
である。

 「2015年から」と宣言したのに、2015年内に着手されていないとまずいので、ギリギリの「12月31日」に漕ぎ着けて、約束を守ったわけだ。
 なぜ、そんな時まで延ばしてしまったかというと、この大規模改革に対する反対勢力がいたからである。
 それはすでに逮捕された元中央軍事委員会副主席だった徐才厚(牢獄で病死)や郭伯雄などの江沢民一派の残存勢力(腐敗をしたがる既得権益層)が不満を抱いていたからで、今では腐敗分子はことごとく逮捕したので、抵抗勢力もなくなり、ようやく大規模改革に踏み切れたというわけなのである。

 だから、これまでは4総部の中の総政治部の下に置かれていた軍関係の紀律検査委員会を、直接、中央軍事委員会の管轄下に置き、レベルを引き上げることができたのである。
 なんと言っても
 総后勤部(補給や輸送)や総装備部(兵器調達や開発)などは、莫大な不動産資源を持っており、腐敗の温床
となっていた。
 これらを上から見張る仕組みを作ったわけだ。

◆南沙諸島のファイアリー・クロス礁における
 試験飛行のタイミングとの関係

 1月2日、中国が埋め立てを進めていた南シナ海の南沙諸島のファイアリー・クロス礁で、中国の民間機が造成された滑走路を用いて飛行したことが判明した。
 この滑走路はファイアリー・クロス礁を埋め立てて造られた飛行場に作られたもので、ベトナム外務省の報道官は、「主権の侵害だ」と抗議する声明を発表した。

 中国外務省の報道官は、ファイアリー・クロス礁に新しい飛行場が完成し、民間機の試験飛行を行ったと認めた上で、
 「ベトナムの不当な非難は受け入れられない」
 「自国の領土内で、この飛行場が正常に機能するか否かを確認するため試験的に飛行しただけだ」
などと反発する声明を出した。

 なぜこのタイミングで試験飛行をしたのかというと、それはまさに1月2日の本コラム「中国、軍の大規模改革――即戦力向上と効率化」で書いたように、ロケット軍などの創設大会が開催された12月31日に、国防部の楊宇軍報道官が中国初の国産空母を遼寧省大連で建造していると発表したことと同じ理由だ。
 軍の大規模改革は、主としてアメリカに見せるためであり、
 したがって本来なら秘密にしておくべき空母の建造も、あえて公けにしたし、大規模改革を実行すると何が起きるかを、「南沙諸島のファイアリー・クロス礁における試験飛行」をアピールすることによって、アメリカに見せようとしているのである。
 これら一連の行動により、中国が狙っているのは
 「アメリカに対する防御力(あるいは戦闘力)の誇示」
であることが見えてくる。
 中国には戦争をするつもりはないが、しかし「一帯一路」の完遂を「邪魔させない」という意思表示でもあるとみなすことができる。

 軍事のあらゆる側面における近代化を促進し、2020年までには完遂させる戦略だ。
 2020年は2021年が中国共産党建党100周年記念であるための、区切りの年で、
 習近平国家主席は2022年にそのポストを次期政権に譲る
ことになっている。
 自分の政権内に、何としても軍の近代化に向けた改革を完遂しようとしている。
 この方針は変わらないだろう。



サーチナニュース 2016-01-06 10:55
http://news.searchina.net/id/1598975?page=1

中国ロケット軍が誇る、9大ミサイル 
第二砲兵部隊からの改名にみなぎる自信

 中国メディア・人民網は1日、昨年末に誕生した中国人民解放軍ロケット軍が誇る9大ミサイルについて紹介する記事を掲載した。

 記事が紹介した9大ミサイルは、
1).DF(東風)-5B大陸間弾道ミサイル、
2).DF-11近距離弾道ミサイル、
3).CJ(長剣)-10巡航ミサイル、
4).DF-16弾道ミサイル、
5).DF-15B弾道ミサイル、
6).DF-21D対艦弾道ミサイル、
7).DF-21C中距離弾道ミサイル、
8).DF-31A大陸間弾道ミサイル、
9).DF-26核攻撃・通常攻撃兼備型ミサイル。

 なかでも
★.DF-5Bについては「わが国の国防の実力が顕著に表れたシンボルであり、国の主権と民族の尊厳を守る強力な盾である」
と説明。
 エース級のミサイルとして紹介した。
 また、海上からの米軍接近阻止を目的に開発されたとされる
★.DF-21Dについては「中国軍の通常のミサイル攻撃能力を飛躍的に高めた」
と評価している。

 中国ロケット軍は、1966年に設立された戦略ミサイル部隊・第二砲兵部隊が前身。陸・海・空の三軍から独立した第4の軍種という位置づけだったが「特定の歴史的な条件により、おとなしい名前が付け」られていた。
 澎湃の3日付報道によると、今回の改名は「中国軍の自信、透明性を顕示する」ためとのことである。

 中国人民ラジオ局のウェブサイト・中広網は4日、ロケット軍が元日連休中に零下20度の雪原やゴビ砂漠で複数のミサイル発射模擬演習を実施、天候やミサイルの種類を問わず、規定時間内にミサイルを発射できる能力を示したことを伝えた。
 「ほぼ公然の事実」でありながらも掲げ続けてきた「おとなしい名前」の看板を掛け替えた裏側には、「誰にも文句を言わせない」という中国軍の強い自信が伺える。


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