2016年1月1日金曜日

中国カタログ空軍力(1):「J-20」戦闘機の美文カタログの夢に酔う、仕様書だけの兵器

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 カタログ兵器というのはいうなれば仕様書だけの兵器である。
 こういうものをつくりたいという希望を文書化した兵器である
 その仕様書どうりに作られ得るのかは次の問題である。
 しかし、周りは仕様書が作られカタログ化されたとき、それがあたかも成就したと思い込んでしまうものである。
 その典型のシロモノが「J-20」である。
 中国製戦闘機エンジンがいまだ安定せず、ロシア製に依存している現状ではなかなか
 「カタログから実機」とは成りにくい。


サーチナニュース 2016-01-01 07:33
http://news.searchina.net/id/1598643?page=1

「J-20」戦闘機は2017年配備も夢でない、
黄海に飛ばして日本の反応を検分だ=中国メディア



 中国で開発中の「J-20(殲-20)」ステルス戦闘機の新たな写真が12月26日、中国のインターネットサイトに投稿された。
 経緯は明らかでないが、軍の意向が反映されていると考えて間違いない。
 中国メディアの新浪網は同写真を分析し、
 「2017年の範囲も夢ではない」、
 「まずは東シナ海に飛ばして、日本の自衛隊や米軍、台湾軍の反応を見る」
と論じる記事を掲載した。

 記事はまず、新たなJ-20の写真が投稿されたの12月26日であることに注目。
 中国人は、政治上の何らかの行為が、歴史上の特定の日と同一または近い場合、極めて敏感に結びつけて解釈する傾向が強い。
 例えば日本政府が7月7日(盧溝橋事件、1937年)や、9月18日(満州事変、1931年)ごろに、中国にとって“不愉快”な言動をしたとたん、ネットに「あえて挑発した」との書き込みが多く寄せられることも、珍しくない。

 中国人にとって12月26日が毛沢東の生誕記念日であることはほぼ「常識」であり、新たなJ-20の画像を同日に広めたことも、意図的だった可能性が強い。

 新たなJ-20の特徴は、黄色い塗装が施されていたことだった。
 また、これまでに広まった写真の機体には「20」に2桁の数字を続けた計4桁の番号がついていたが、今回の番号は「2101」だった。

 新浪網は、塗装と番号の変化に注目し、
 「これまでの例から、J-20は試験飛行用原型機から、試験量産機に進化した」、
  「つまり、J-20の技術が、まずは確定した。

 極めて迅速に部隊に配備されるかもしれない」
と解説した。

 さらに、外国の衛星が9月に撮影した画像からは、J-20の生産施設の建設も急ピッチであり、2015年末までに完工すると判断されたとして、
 「J-20の試験量産は2016年に始まる」、
 「生産が安定すれば、J-20の年産量はJ-10と同程度以上の14-18機になるだろう」
との考えを示した。

 記事はさらに、中国空軍は
 「J-20の試験運用部隊をすでに編制したことを明らかにしている」
として、空軍が極めて速やかにJ-20を運用することになると主張。
 その場合、武器類の試験だけでなくて、ステルス性能を実証することになると指摘した。

 実証方法としては、
 河北省蒼州にある空軍基地から離陸させ、
 黄海の中韓中間線の韓国側、
 日中中間線の日本側、
 さらに台湾北部を飛行させる
と予測。

★.韓国軍、自衛隊、台湾軍が戦闘機をスクランブル(緊急発進)させるか、
 通常はない無線連絡が増えればJ-20の飛行を探知されたこと、
 すなわち同機のステルス性は不足していることを示し、
 相手側に動きがなければ、J-20は十分なステルス性を持っていると確認できたことを意味する
と説明した。

★.J-20の試作機はこれまで、中印国境で飛行したことがあるが、インド側に反応はなかった
という。



サーチナニュース 2016-01-07 07:33
http://news.searchina.net/id/1599067?page=1

中国は「J-20」を700機生産、
米「F-22」を圧倒して西太平洋を奪う=中国メディア豪語

 中国メディアの新浪網は4日「700機のJ-20は世界にとって何を意味するか。
 F-22を圧倒して西太平洋を奪う」と題する記事を掲載した。

 同記事は、中国が開発中の「J-20(殲-20)」ステルス戦闘機について、公的筋から生産総数が500-700機になる見通しとの情報が出ていると指摘。
 運用開始については2017年との見方が強いが、前倒しになる可能性が大きいとの考えを示した。

 「前倒し」の理由としては、研究スタッフが極めて精力的に仕事をしている以外に、
 「試験飛行を繰り返しているが、機体を破損する事故を起こしていないこと」
を挙げた。

 比較の対象としてロシアのスホーイ社が開発中の「PAK FA」戦闘機を挙げた。
 同戦闘機は2014年6月に飛行中のエンジン出火事故を起こし、緊急着陸で機体を破損した。
 PAK FAの引き渡しが2016年末か17年になるとされることから、同記事はJ-20の運用開始についてPAK FAよりやや早いとの考えを示した。

 また、中国がロシアから「Su-35」戦闘機24機を購入することが決まったため、エンジンと電子装置などを改めて「手本」にして、J-20をさらに改良できる可能性があると指摘した。

 J-20はPAK FAや米国のF-22と同じ「第5世代ジェット戦闘機」に分類される。
 記事はJ-20について、米国やロシアの同世代戦闘機と比べて「不足する面がある。
 最も重要なのはエンジンだ」と認めたが、「差は少しずつ縮まっている」と主張した。

 記事はさらに、F-22が試験用の8機を含め、187機しか生産されないのに比べ、J-20は生産量が500-700機であることを強調。

 J-20とF-22と比べて一定程度劣っていても
 「数量で品質の差を補充することができる」
論じ、さらに
 「J-20の性能がF-22に接近している場合、西太平洋における空のバランスが逆転する」
と主張した。



サーチナニュース 2016-01-08 07:35
http://news.searchina.net/id/1599176?page=1

中国の航空エンジン「WS-10」はロシア製に遥かに劣る=中国メディア

 中国メディアの新浪網は5日
 「中国の国産エンジンはいつになったらロシアに追いつき米国を抜くのか。
  WS-10はロシア製に遥かに劣る」
と題する記事を掲載した。

 記事は冒頭で、中国では最近になり、中国の航空工業はロシアを抜いたと主張する声が多いと指摘。
 ソ連解体後のロシアは工業生産において、大型工作用機械の大部分を西側からの輸入に頼るなどで、西側から制裁を受ければ製造を中国に委託するような局面も発生しているとも認めた上で、それでも航空産業については
 「中国人は食器だけを持ってロシアの食堂に行き、食べ物を買っているようなもの」
と、
 中国には最も重要な物を自ら作る力が欠けている
と指摘した。

 記事は改めて、中国は過去40-50年間に総合的な航空工業を育成してきたと主張。
★.総合航空工業が成立しているのは米国、ロシア、中国だけ
であり、
★.英仏などの工業先進国の航空工業も全目的でなく、
 日本も軽量化など非常に優れている分野はあるが、全面的ではない
と評した。

 米国については、製造業の衰退はあるが、依然として世界一の工業強国であることは疑いないと指摘。
 中ロの比較については「工業における中国の実力はロシアほど強大ではない」と主張。
 航空工業分野で中国がロシアに及ばない例として、まず
★.エンジン製造で劣っている
ことを挙げ、さらにロシアの航空工業はソ連時代より劣ってはいるが、
★.「Il-76」や「An-124」などの大型輸送機を「完全に作る」ことができる
と指摘した。

 記事は、中国が開発中の
★.大型旅客機のC919も「国産化率は30%程度」
と指摘した。

 中国が開発中の戦闘機「J-20(殲-20)」については、ステルス性能がロシアの「PAK FA」より優れていると主張。
 ただし、中国はロシアから大量の航空エンジンを買い続けているとして、
★.中国が実用化した「WS-10(渦扇-10)」は、推進力や寿命などで、ロシアのAL-31と比べて遥かに劣る
と論じた。

 記事は「WS-10」について未完成との見方を示し、
 「いつになったら本当に成熟し、信頼できるエンジンとして量産が可能になるのか?」
と疑問を提示した上で
 「はっきりしたことは言えないと言うしかない」
と論評した。

 記事は最後の部分で、
 「現在の中国製エンジンはロシア製よりも15-20年遅れている。
 しかも、差がさらに開く恐れもある」
と指摘。
  その上で
 「われわれは全力で中国国産エンジンの開発せねばならない! 
 われわれの(使う)エンジンが、他人の制約を受けないために」
と主張した。



サーチナニュース 2016-01-15 07:33
http://news.searchina.net/id/1599772?page=1

わが「J-20」戦闘機の最初の餌食はインド軍機かそれとも日本の自衛隊機か
=中国メディアが妙に力説

 中国メディアの新浪網はこのほど、
 「殲-20(J-20)戦闘機が最初に撃墜するのはどいつだ。日本とインドの心理に影」
と題する記事を掲載した。

 記事はまず、
 「米中に本格的戦争が発生する可能性は少ない」
と主張。
 その上で、
 J-20は米国のF-22には差をつけられており、エンジンも劣っているが、
 J-20が存在すれば、「F-22も中国の周辺で理不尽な挑発行動もできなくなる」
と主張した。

 さらに、
 「J-20は単に先進的な戦闘機であるという、そういう単純な存在ではない。
 空母、原潜、弾道ミサイルと同様に戦略的威嚇能力を備えるスーパー・ウェポンだ」
と論じた。

 文章は、中国の周辺国として
 「戦闘発生」の事態がありえる国としてインドと日本を挙げた。
 両国とも先進的兵器を渇望しつづけてきたと論じ、
 インドはロシアのPAK FAを求めており、
 日本はF-35を頼りとして、「心神」を開発中と紹介した。

 インドが求めるPAK FAについては、ロシアが防空ミサイルのS-400と「込み」でなければ売らないと主張していると紹介。
 さらに、ロシアがインドにPAK FAを売ったとしても、自国が運用する同型機より性能を落としており、中国のJ-20よりも有利である保証はないと断じた。

 記事は、
★.J-20に比べてPAK FAが優秀なのはエンジン
だけであり、
★.電子装置も、武器類も、操縦士もすべてJ-20にはかなわない
と主張した。
 また、
★.インドが自国でPAK FAを生産できないと指摘し、
 補給ができないために半分も撃墜されれば、インドは制空権を完全に喪失する
と論じた。

★.日本については現役のF-15Jは「中国のJ-11Bに対抗するのも困難。
 J-20についてはいわずもがなだ」と酷評。
 日本が「心神」を開発中だが、
 「日本に先進的なエンジンを開発する能力はない。
 したがって心神は“心臓病”持ち」
と断じた。

 さらに「心神」の開発が成功してもJ-20は「石で卵をつぶす」ような楽な戦いができ「離陸できたらすぐに大量に撃墜されるだろう。
 このことは、操縦士の心理にとっても重苦しい刺激になるだろう」と論じた。

 なお、上記記事が論評した「心神」は、三菱重工業などが開発に着手した「先進技術実証機(ATD-X)」を指す。
 「心神」は通称で、正式には用いられていない。

 ATD-Xで得られた知見により、日本が戦闘機を開発するかどうかは未定。
 ATD-Xは本物の戦闘機よりも小さく、実証機であるため武器搭載能力はない。
 しかし中国メディアはしばしば、「J-20と“心神”が戦わば」というテーマの記事を発表している。
 日本の戦闘機開発が、よほど気になっていると理解することができる。



サーチナニュース 2016-01-20 10:19
http://news.searchina.net/id/1600207?page=1

「J-20」戦闘機の実戦配備で「台湾解放」が可能に、
米軍もはや恐れるに足りず=中国メディア

 中国メディアの観察者網は、台湾で16日の選挙の結果、独立志向が高い民進党政権の誕生が決まったことを受け、「最も重要なことは海峡はすでに赤くなっていることだ」と題する論説を掲載した。
  同論説は中国が開発中のステルス戦闘機「J-20(殲-20)」の実戦配備で、武力による台湾の“解放”が可能になると論じた。

 論説は、次期総統に決まった民進党の蔡英文主席(党首)は一貫して台湾独立を主張しており、選挙期間中には中台関係の現状維持を唱えてきたが、政権交代で大陸と台湾の関係が難しくなることは「分析した人ほとんどすべてが出した結論」と主張。
 台湾海峡で戦争発生という最悪の結果を懸念する人すらいると論じた。

 論説は、台湾軍の実力が大陸に比べて最も充実していたのは2000年ごろと主張。
 1990年代に始めた軍備の拡充が、空ではF-16、ミラージュ200-5、IDFなど第3世代ジェット戦闘機300機以上、海では成功級、康定級、済陽級など各種新鋭フリゲートが20隻以上、次々に就役したと説明した。

 当時の中国は第3世代戦闘機が100機もなく、「なんとか現代化した」と言える軍艦は十数隻しかなかった。
 台湾軍と「質の差」は明らかで、台湾側を「数で圧倒」したとしても、米軍の存在を考えれば、通常戦力で台湾を「急速に開放」するのは困難だったという。

 論説は次に、2000年ごろ以降の状況を解説。台湾も新兵器を導入しているが、それ以前と基本的に大きな変化はないと主張。
 技術装備に大規模な更新がない一方で、兵員数は2001年の40万人から現在は17万人以下になったと指摘した。

 一方の中国側は、現在までに第3世代戦闘機を700機に増やしたと説明。
 さらに航空母艦や大量の「イージス艦」を配備し、情報システムも向上させたことで
 「解放軍は台湾海峡両岸の軍事力比較で全面的に勝るようになっただけでなく、米軍も軽視できないようになった」
と主張した。

 さらに、米国はこれまで台湾に対する武器売却で、台湾海峡における軍事バランスが大きく変化することを阻止していたが、すでにその方法は通用しないと主張。

 論説は、その切り札となるのが、
 2017-18年ごろに実戦配備が始まるとみられる「J-20」
と論じ、
 同機は米国のF-22にも対抗できる先進的な戦闘機であり、
 「F-35を含めて、米国が輸出しているいかなる戦闘機に対しても、圧倒的に優勢」
と議論を展開した。

 さらに、中国側がそれ以外にもさまざまな新兵器を投入していることから、台湾軍は戦争になった場合に「苦しい場面を持ちこたえて救援を待つ」こともできなくなったと主張。

 論説は、米国が「国を傾けてでも台湾を救う」ことを決断した場合には話が別だが、すでに台湾海峡の軍事力のバランスで、中国は圧倒的に有利になったとの考えを示した。

 記事は最後の部分で、
 「われわれは今まで通り、最大の誠実さを持って両岸関係の平和と交流を推進する。
 しかしわれわれには念頭に置いていることがある。
 穏やかに話し合っている場合でも、手には大きな棍棒を握っているということだ
と主張した。



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月21日(木) 7時30分
http://www.recordchina.co.jp/a127337.html

最新鋭戦闘機J−20の新機体を確認、
量産体制に入った可能性も―中国

 2016年1月19日、台湾・中央通訊社によると、中国の最新鋭戦闘機J−20(殲−20)の新機体が確認された。
 すでに小規模量産がスタートしたとみられている。
 中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

 中国の軍事ニュースサイトにJ−20の新機体「2102」の写真が流出した。
 従来は「2001」「2002」など20から始まる番号の機体が確認されてきたが、昨年末から「2101」「2102」という21から始まる番号の機体2機が確認された。
 この2機はいずれも黄色く塗装されている。

 中国の専門家は番号と塗装の変化からみて、新たな機体は量産されたものだと指摘。
 米軍の最新鋭戦闘機F−22に匹敵する第5世代戦闘機J−20が小規模ながらも量産体制に入ったと分析している。



サーチナニュース 2016-01-28 08:49
http://news.searchina.net/id/1600977?page=1

「F-22」撃退には「J-20」が出動  
米軍パイロットにとって「恐怖の空」になるであろう=中国メディア豪語

 中国メデイァの新浪網はこのほど、日本の在日米軍横田基地に「F-22」戦闘機が増派されているとして、中国軍と衝突が発生した場合を想定する記事を掲載した。
 記事は、中国は密集した防空網と、さらには卓越した「J-20(殲-20)」戦闘機で対応するので
 「米軍パイロットにとっては恐怖の空になるであろう」
と主張した。

 記事はまず、中国空軍と防空部隊は過去20年間にわたる拡充の成果として、中国東部は「世界で最も防空火力が密集している地区」になったと説明。
 米軍のF-22が中国周辺空域に侵入する場合、低空・低速でやってくる可能性があると指摘した。

 記事は続けて、中国は2020年ごろまでに、米軍のステルス戦闘機を「絞殺」するシステムを完成させると主張。
 単純な防衛システムではなく、J-20戦闘機で積極的に打って出る戦術が実現するという。

 中国は各種波長のレーダーと赤外線によりF-22の動きを探知し、早期警戒機とJ-20の連携でF-22に火力を浴びせるとの主張だ。

 過去の例からは、F-22やF-35にも対抗するために、J-20は700-800機が生産されると見られるという。
 記事は、中国はさらに、J-20を戦術爆撃機に改造してもよいと主張。
 その場合には、米軍基地を直接攻撃することも可能という。
 記事はまた、J-20が取れる作戦はF-22よりも広範と主張。
 ステルス戦闘機であるJ-20を広く海上に飛ばしておけば、米軍のKC-135給油機、E-2早期警戒機、RC-135電子偵察機、P-8対潜哨戒機を100キロメートル以上離れた場所から攻撃することも可能と論じた。

 記事は、中国はJ-20の配備で、「隣国を数で圧倒せねばならない」と主張。
 米軍は飛行場の数や兵力の制約があるため、中国の「物量」に対抗することができないと主張。
 中国が南西太平洋で作戦を実施する場合には、飛行場の数の制約は受けないので、J-20を大量に生産して十分な機数を配備する必要があると論じた。



サーチナニュース 2016-02-05 08:33
http://news.searchina.net/id/1601748?page=1

「J-20」登場で日本は東シナ海で「絶望的状況」に、
米国の「F-22」ほしくても「見てるだけ」=中国メディア

 中国メディアの観察者網はこのほど、米国の第5世代戦闘機も日本を救えないと主張する論説を発表した。
 新浪網は同記事を転載したが、見出しに
 「J-20は日米の戦闘機を東シナ海で絶望的にする」
を盛り込み、自国の優位さをさらに強調した。

 記事は1月下旬に米軍が「F-22」戦闘機を沖縄に配備したことと、日本が那覇に第9航空団の創設を決めたことなどに注目。日本の防空力において、「F-15」の旧式化が甚だしくなり、東シナ海からの脅威に対して、日本としては「数を増強して局面に対処する」ことしかできなくなったと論じた。

 さらに、導入が決まった米国の「F-35」については、価格が高騰したばかりか、「性能は自衛隊の要求に合わない」と指摘。
 さらに、日本が本当に必要と認識し、長年にわたって求め続けてきたF-22は「飛んで来るのを見てるだけ、飛んで去るのを見てるだけ」ことになったと紹介した。

 記事は過去の経緯について、1970年代から、日本は専守防衛をの大原則を順守しつつも日本の航空自衛隊は東アジアで第1の実力を持っていたと説明。
 大量の「F-4EJ」や「F-15J」を配備し、中国や北朝鮮、さらに韓国をも上回る「質の面での優勢」を保っていたと論じた。

 2000年以降は、尖閣諸島や東シナ海のガス田の問題で、日本にとっての「潜在的脅威」はかつてのソ連から中国に移行した。
 そして中国は、ロシアから「Su-27」を導入し、「J-11(殲-11)」シリーズを開発するなど、航空兵力の増強に努めた。

 記事は、それでも「自衛隊の優位はゆるがなかった」と論評した上で、「自衛隊も、中国空軍の迅速な増強を予期したため、さらに先進的な戦闘機を求め始めた」と解説。
 しかしF-22には高度な秘密が多く採用されているため、米国には日本に売却する意志はなく、F-22は米国本土に配備しておき、必要と判断した場合にのみ「消防士」として海外に派遣することに決めたと紹介した。

 西太平洋地区にF-22を配備するようになったのは、突発事態が発生する可能性があると判断したためで、より迅速に投入できるようにしたためという。

 記事は、日本が将来、仮にF-22を入手することになれば、中国に対する優位さをしばらく保てると主張。
 日本が実証機「X-2」の開発に着手したのは、米国にF-22の対日売却を促すためとの見方を示した。

 記事は最後の部分で、中国がF-22に対抗できる唯一の重戦闘機であるJ-20を実戦配備すれば、F-22はもはや、中国にとって脅威とは言えなくなると主張。
 今年(2016年)には、J-20の空軍部隊配備が始まるとされているので「ことしはあるいはラプター(F-22)が存在意義を持つ最後の年になるかもしれない」と論じた。




【参考】

サーチナニュース 2015-12-02 08:39
http://news.searchina.net/id/1595823?page=1

「中国製エンジン搭載」をパキスタン拒否  
「過去の戦闘機で懲りているから」=中国メディア

 中国メディアの新浪網はこのほど、「パキスタンが梟龍戦闘機に中国製エンジン搭載を拒否。中国産発動機に残る悪名」と題する記事を掲載した。

 「梟龍」とは中国とパキスタンが共同開発した「FC-1」戦闘機の愛称だ。パキスタン側は「JF-17/サンダー」と呼んでいる。

 同機は中国が入手したロシアの技術に加え、パキスタン空軍の協力で得た米国の「F-16」の特徴を参考にして開発したとされる。中国の成都飛機工業が製造するが、運用しているのはパキスタン空軍だけだ。

 FC-1はロシア製エンジンの「RD-93」を搭載している。中国は同機に搭載できるターボファンエンジン「WS-13(渦扇-13)」の開発に力を入れている。新浪網は英軍事情報誌「ジェーン・ディフェンス・ウィークリー」を引用して、中国は過去数カ月にわたり、FC-1のエンジンをWS-13に換装するよう申し出ているが、パキスタンは「まったく意味がない」として拒否していると紹介した。

 記事によると、パキスタン側に中国製エンジンを使う考えがない理由として、RD-93に満足していること以外に、「歴史的背景」があるという。

 パキスタン空軍はかつて、中国製戦闘機の「J-6(殲-6)」と「J-7」を大量に購入した。J-6が搭載しているエンジンは中国製の「WP-6(渦噴-6)」で、J-7が搭載するのはやはり中国製の「WP-7」または「WP-13」だ。いずれも旧式で、中国がエンジン開発後に寿命や信頼性の向上を重視しなかったこともあり、パキスタン側は中国製エンジンによい印象を持たなくなったという。

 その後、パキスタン空軍は米国のF-16を導入。米国製エンジンと中国製エンジンの落差は、パキスタン空軍関係者を驚かすことになったという。さらに、WP-13は、ロシアのRD-93より優秀さであるわけでもなく、パキスタン側がWP-13を採用しないのは「正常な反応」という。

 記事は、「エンジンの悪評は、中国が軍用機を輸出する上で大きな痛手」になっていると紹介。多くの国がエンジンの信頼性、寿命、補修の問題を理由に中国製軍用機の購入を見合わせるという。

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◆解説◆
 パキスタンは中国と最も友好的な国のひとつ。パキスタンが隣国のインドと対立しており、中国もインドとの間に問題を抱えているという背景がある。中国が天安門事件で、パキスタンが核開発で米国と距離を置くようになると、両国はさらに親密になった。

 中国語でパキスタンは「巴基斯坦」と書くが、「巴鉄」との通称も定着している。中国との「鉄の友情」を示す愛称だ。




【激甚化する時代の風貌】


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