2016年1月20日水曜日

●●宮崎正弘「中国崩壊のカウントダウンが始まった」




●宮崎正弘「中国崩壊のカウントダウンが始まった」
<ダイジェスト版>2016 01 20
日仏共同テレビ局フランス

  独裁国家は権力闘争はつきものだが、いまの中国の権力闘争はイデオロギー対立・人脈対­立が全然ない。
 金と女をめぐる争いだ。
 習近平がこの三年でやったのは、他の派閥の利権­を全部召し上げる闘いだ。
 周永康は石油派のボスといわれた。
 検事・警察・裁判所の最終­決定権は習近平が握っている。
 石油利権をみんな漁って、上納システムを作って、本人は­1兆4000億円ぐらいはため込んでいただろう……といわれている。
 中国は上に献金す­る。
 日本で云えば暴力団のシステムで、子分からどんどん上がっていって山口組のボスに­上納される。
 たとえば、副市長が市長になる、将軍になるにはその地位に見合った相場が­ある。
 中将が大将になるには相場のお金を支払わなければならない。
 軍隊は最も腐敗して­いるところで、武器庫をあけたらカラだったとか、戦闘機が基地にあるはずなのにスクラ­ップされて業者に売られていたとか…ということがある。
 軍事物資が入ってきたら、半分­は部隊長が横流しにする。
 訓練用に入ってくるガソリンも横流ししてしまう。

 石油利権の話だが、周永康は江沢民派だがみな失脚した。
 鉄道利権を握っていた劉志軍も­粛正した。
 彼が貯め込んだお金は1兆2000億円といわれている。
 新幹線を一つ創るの­に当時6兆かかるといわれ、いまはプラス6兆円であちこち創った。
 中国の賄賂の相場は­20%に決まっている。
 業者は手抜きをする。鉄工を十本いれるところを一本にするとか­。
 だから、ビルや橋は崩れ落ちる。橋桁が落ちたことがあったが、鉄骨が入っていると思­ったら、生ゴミが入っていた。

 次ぎに狙ったのが石炭利権。
 中国の発電の72%が石炭をくべた火力発電だ。
 石炭利権を­牛耳っていたのが、胡錦濤の秘書役だった令計画だ。
 彼もとっつかまった。
 水力発電を握­っていたのが、李鵬・元首相の娘・李小琳。
 令計画の末弟が令完成だ。
 2700の秘密フ­ァイルを以てアメリカに逃げた。
 中国はこれがバレたら大変だと100人の暗殺団を送り­込んだ。
 米国の知るところとなって、FBIに保護されている。
 この秘密は米国に伝わっ­ているということだ。

 次ぎに通信に手をつけた。
 これを牛耳っていたのが江沢民の息子・江綿恒だ。
 これも失脚­した。

 大物だけで460人、失脚した。
 公務員の末端に至ると、13万人が失脚・更迭・左遷。
  血を流さない文革だ。この結果、行政の人たちが判子を押せなくなった。
 判子を押せば賄­賂を受け取ったと思われるからだ。

 ポストは相場がある。
 みんな3年前に買ったポストなのに、この3年間、一銭も入らない­。
 来年10月、党大会がある。
 あと、1年半で元をとらないといけないが、反腐敗などと­いって、綱紀粛正の憂き目に遭っていて、みんな不満たらたら。
 習近平は完全に権力を掌­握したという報道もあるが、まだ危ない橋を渡っている。





●【宮崎正弘のチョット一言】基調講演「中国崩壊の始まり」
2016/01/24 に公開






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