2016年1月2日土曜日

アジアインフラ競争(1):「AMRO」発足:アジア版「IMF」=今春にも国際機関に―日本主導の経済調査組織

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時事通信 2016/1/2 16:00
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20160102-00000004-jijnb_st-nb

アジア版「IMF」発足へ=今春にも国際機関に
―日本主導の経済調査組織

 日本や中国、韓国、インドネシアなど13カ国が参加する
 「東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3マクロ経済調査事務局(AMRO)」
が今春にも国際機関に昇格する。
 主導する日本は、国際金融システムの番人である国際通貨基金(IMF)のアジア版と位置付け、
 通貨危機の警戒体制強化などを目指す。

 AMROは2011年4月に設立された。参加国から派遣されたエコノミストがアジア域内の経済や金融情勢を調査・分析。
 通貨危機時には、外貨を融通し合うチェンマイ・イニシアチブ(CMIM)の発動を13カ国に勧告する役割を担う。
 現在は本部を置くシンガポールの一法人にすぎないため、人材難などを理由に組織として未熟との見方が多かった。
 国際機関化を実現する協定発効には各国議会の承認が必要だが、日本は既に手続きを終えており、残りの国でも今春までに承認されるめどが立った。
 国際機関への昇格で信用力が向上し、IMFなどとの連携・情報交換を通じて調査・分析能力が高まれば、AMROの存在感は強まる。
 15年には米国が利上げ局面に入り、新興国では資金が流出し、通貨が売られるなど通貨危機の火種がくすぶる。
 危機の芽を早期発見する監視体制を強化する意義は大きい。 



サーチナニュース 2016-01-18 18:40
http://biz.searchina.net/id/1600058?page=1

日本政府、4案件に952億円の円借款

  深田博史駐ベトナム大使とブイ・クアン・ビン計画投資相はハノイ市で1月15日、総額951億6700万円を限度とする円借款4件に関する書簡の交換を行った。

  対象案件は以下の4件。

◇南北高速道路建設計画(ダナン~クアンガイ間)(第3期):300億円

 ベトナム南北高速道路網の一部であるダナン(南中部沿岸地方ダナン市)~クアンガイ(同クアンガイ省)間高速道路(全長約130km)の建設により、ダナン市周辺における交通需要増大への対応や物流の効率化を図る。

◇ラックフエン国際港建設計画(港湾)(第3期):322億8700万円

 紅河デルタ地方ハイフォン市に、大型コンテナ船が入港可能な港湾を新たに建設すると共に、周辺基礎インフラの整備を行うことで、経済成長に伴う貨物需要の急増への対応を図る。
 日越合弁企業が荷役機械などの上物整備や運営を行う上下分離型の官民連携案件となる。

◇ラックフエン国際港建設計画(道路・橋梁)(第3期):228億8000万円

 ハイフォン市に建設中の港湾へのアクセス道路及び橋梁の整備を行うことで、後背地との間に良好な陸上交通インフラを整備し、円滑な物流活動を実現する。

◇気候変動対策支援プログラム(第6期):100億円

 財政支援と政策対話などを通じて、気候変動の緩和及び適応能力強化、気候変動に係る分野横断的課題への対応を図る。



サーチナニュース 2016-01-21 09:43
http://news.searchina.net/id/1600324?page=1

日本など恐れるに足らず!
激しさを増す日中のアジアインフラ争奪戦

 中国の伝奇小説「西遊記」に登場する孫悟空の頭には「緊箍(きんこ)」と呼ばれる金の輪があった。
 奔放な孫悟空の行動を三蔵法師が抑制するための道具だ。
 中国メディアの捜狐はこのほど、激しさを増す日中によるアジアインフラ受注争奪戦で、日本が中国に勝利するために頭の「緊箍」を投げ捨てる決定をしたと伝えている。

 日本の頭にあった緊箍とは、国際協力銀行(JBIC)の厳しい投融資条件のことだ。
 国際協力銀行は日本企業が国外でインフラ事業を行うときに投融資する政府金融機関だが、これまではリスクが高い事業への投融資は認められなった。
 つまり「返済確実」が投融資の条件だったと言える。

 記事はこの条件のせいで、これまで日本は国際プロジェクトで大胆に前進できなかったと指摘。
 しかし、日本政府は条件を緩和する意向を表明、国際協力銀行の比較的リスクが高いインフラ事業へも投資や融資を可能にする方針だ。
 また国際協力銀行が現地金融機関から資金を調達する際にも、これまで認められていたのは1年以内の短期借り入れだったが、今後は1年を超える長期借り入れも可能になる。

 中国側からみれば、日本側の条件緩和はまさに孫悟空が頭の緊箍を投げ捨て、本来の力を発揮することに例えられるのだろう。
 アジアのインフラ受注競争で中国に打ち勝ちたい日本の必死さが表れている。

 だが記事は、
 「中国にとって日本の動きによる影響はたかが知れている」
と主張している。
 その理由の1つは、日本のアジアにおけるインフラ受注が増えても、結局は中国の一帯一路構想の実現を促進することになるからだ。

 さらに、ある分析によればアジア開発銀行(ADB)が資金提供した2013年のインフラ事業の受注率は日本企業のわずか0.21%に対し、中国企業は20.9%だった。
 これはコスト面で日本は中国に大きく水を開けられていることを意味する。
 日本が「緊箍」を投げ捨てたところで、中国にとっては釈迦の手のひらを飛び回った孫悟空のように見えるのかもしれない。



サーチナニュース 2016-01-31 22:46
http://biz.searchina.net/id/1601240?page=1

日中によるインフラ受注戦争はアジア各国に「戦争特需」をもたらす

 戦争特需は戦いの当事者でない国に利益をもたらす。
 例えば朝鮮特需は日本に工業技術の向上をもたらし、その後の高度経済成長の基盤になったといわれる。
 中国メディアの中国日報網はこのほど、激しさを増す日本と中国のインフラ競争が、東南アジアの国々にいわば「インフラ戦争特需」なる利益をもたらすことになると伝えた。

 日中インフラ戦争は東南アジアの人びとにとって、どのような意味があるだろうか。
 記事は「渋滞都市」で有名なインドネシアのジャカルタに住むある住民のコメントを紹介、同市民はジャカルタの渋滞に対し「時間とエネルギーと燃料の無駄」と何度も不満を口にしたうえで、状況はどんどん悪くなっていると述べていることを伝えた。

 また、タイに住むあるアパレル工場の実業家の現状を紹介、この実業家は工場を拡大したいと願いながらも道路や電気、また製品を発送するための港など様々なインフラの整備が必要であると認めている。

 1997年のアジア通貨危機の後、東南アジア諸国家のインフラ投資は大幅に減少、現在も以前の水準に回復していない。
 インドネシアもそのような国の1つだが、日本企業はジャカルタの大型港湾建設に参画しており、またジャカルタの大量高速交通システム(MRT)の建設も手掛けている。

 さらに中国もバンドン-ジャカルタ間の高速鉄道のほかにインドネシア東部の30の港の整備開発を行う契約に調印した。
 日中がインフラ受注をめぐって激しい競争を繰り広げる一方で、その競争はインドネシアやタイの人びとに利益をもたらすことになる。

 記事はこのような日中インフラ競争は東南アジア地域に
 2010年から2020年にかけて4兆5000億ドル(約532兆円)、
 2020年以降は8兆5000億ドル(約1000兆円)
の収益をもたらすと分析している。

 もはや二桁の経済成長率の再現は難しくなった中国、なかなか経済成長の糸口が見えない日本、どちらも潜在力豊かなアジアインフラ市場に経済成長の新しい方法を見出そうとしている。
 したがって、東南アジア諸国は当面の間、日中インフラ戦争による特需がもたらされることになりそうだ。


サーチナニュース 2016-02-09 06:32
http://biz.searchina.net/id/1601956?page=1

新幹線の輸出は順調、
地震の多いインドネシアで中国高速鉄道は大丈夫か?

 2015年12月、インドのムンバイ-アーメダバード間高速鉄道で日本の新幹線が導入されることで合意したのは記憶に新しいが、開業すれば両都市間の移動時間は8時間から2時間に短縮される見通しだ。
 さらに米テキサス州のダラス-ヒューストン間の約400kmを日本の新幹線で結ぶ計画も着実に前進しており、2017年の着工を目指している。

 新幹線の輸出は日本の成長戦略の柱の1つだが、中国メディアの今日頭条はこのほど、日本の新幹線について知られている情報を紹介する記事を掲載した。

 記事は、15年5月にはタイのバンコク-チェンマイ間でも新幹線方式の採用で合意が得られているほか、
 16年に入札実施予定のマレーシア・シンガポール間の高速鉄道建設計画も日本は受注を目指していると紹介。
 新幹線の輸出は1件につき1兆円規模になるため、日本の経済成長に大きく貢献することになる。

 しかし安倍政権がインフラ輸出を非常に重視しているのは経済効果のためだけではなく
 インフラ輸出を通して国際貢献ができるからだ。
 資源輸入国である日本にとって対外関係を安定させることは重要だが、
 インフラ輸出を通して各国との良い関係を築いていくことはこうした必要性にかなうものだ。

 さらに日本は米国のワシントンDC-ボルティモア間において「リニア新幹線」の導入を目指しているが、15年には米国のアンソニー・フォックス運輸長官が来日し、リニア実験線に試乗。
 また連邦政府が同区間のリニア新幹線の構想に2780万ドル(約32億4751万円)の調査費の交付を承認している。
 ワシントンDCとボルティモア間は約64kmだが、
 リニア新幹線が採用されれば将来的にはニューヨークまで延伸の予定であり、約370kmをわずか1時間で移動できることになる。
 「リニア新幹線」の名を世界に宣伝するための非常に大切なプロジェクトであるといえる。

 記事は、日本の新幹線の特長は開業50年来、乗客の死亡事故がゼロであることや早期地震検知システムにあると説明。
 日本はもとよりカナダ、インドネシア、チリなどの地震が活発な地域ではこのような早期地震検知警報システムは非常に必要とされる機能であると指摘している。
 東日本大震災のときにも活躍したこのシステムは、地震帯の国々に対して大きなセールスポイントの1つであり、中国高速鉄道の導入を決めたインドネシアも中国に対して早期地震検知警報システムの導入を求めているとされるが、地震の多いインドネシアで果たして中国高速鉄道が安全に走行できるのか不安が募る。




【激甚化する時代の風貌】



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