2016年1月20日水曜日

中国GDPは25年ぶり低水準(1):ソフトでもハードでもないバンピー・ランデイングの見通し、中国発世界不況の見通しは

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 8%維持を目標に掲げたときのスローガンは「保八」であった。
 一段下げて7%を目標にして「新常態」を打ち出したということは、この「1%」がバブルとして弾けて消えたということになる。
 バブル崩壊の始まりである。
 今回の「6.9%」の成長率というのはミエミエに作られたものだということが明らかにわかってしまう。
 当局としては
 「限りなく7%にちかい6.9%
と叫びたいのだろうが、どうみてもこれは
 「限りなく6%にちかい6.9%
のように思えてしまう。
 うがった言い方をすれば、そう見えるように作為されている面がある。
 そのため、意図的に記者に
 「GDPの数字、捏造じゃありませんか?」
という質問をさせている。
 「中国経済は相当に悪いですよ」
と意識的にリークさせているような匂いがプンプンしているということである。
 何かあった時の衝撃材をいっぱいに詰め込んでいる感じがする。
 向こう2,3年は中国経済の回復は見込まれないということから来年から再来年は
 「限りなく5%にちかい5.9%
になりそうである。
 そしておそらく
 5%ぐらいが実体経済の上限で
 「5%から7%の間が泡」
と消え、その部分が引き続きバブル崩壊となるということなのだろう。
 その予防線としての「6.9%」という何とも不安定な数字操作とみることができる。


ロイター  2016年 01月 19日 16:42 JST
http://jp.reuters.com/article/china-analyst-instantview-idJPKCN0UX09H?sp=true

15年中国GDPは25年ぶり低水準:識者はこうみる

[東京 19日 ロイター] -
 2015年通年のGDP伸び率は前年比6.9%で、政府目標の7%前後に沿う内容となった。
 ただ、1990年以来25年ぶりの低水準となった。

 同時に発表された12月の鉱工業生産や小売売上高も市場予想に届かなかった。
 市場関係者のコメントは以下の通り。

<中国招商証券(深セン)のエコノミスト、ZHANG YIPING氏>
 第4・四半期のGDPの伸び鈍化には季節的な要因もあるが、最大の要因は伸びの鈍化がここ数カ月続いている不動産投資だと思う。
 2015年にとられた不動産に対する支援策の効果はまだ見られていない。

<コメルツ銀行(シンガポール)のアジア新興国市場担当シニアエコノミスト、チョウ・ハオ氏>
 ヘッドラインの伸び率は堅調そうだが、内訳を見ると中国経済全体の低迷を示している。
 中国経済の2016年成長率については、市場が6.5%前後とみているのに対し、われわれは6.3%と予想している。
 投資のさらなる鈍化が避けられない一方で、サービス産業に支えられ安定的に伸びている消費は中国経済が直面する「テールリスク」を低減するのに役立つだろう。
 全体的には、中国が今後1年で
 「ガタガタ揺れる着陸(bumpy landing)」
を経験するとみている。
 レバレッジ解消を促すため、中国の金融政策は引き続き極めて緩和的になるだろう。
 中国人民銀行(中央銀行)は向こう数カ月以内に預金準備率を引き下げ、追加利下げを行う可能性がある。

<OCBC銀行(シンガポール)のエコノミスト、TOMMY XIE氏>
 中国経済には安定化の兆しがやや見られるが、ファンダメンタルズの点では、力強さがまだ十分ではない。
 中国は過剰設備や高水準の企業債務など異なる種類の問題に直面している。
 こうした問題は成長見通しの重しとなり続ける可能性が高い。
 中国人民銀行(中央銀行)は追加の緩和策を講じるだろう。
 ただ、追加利下げの余地は引き続き非常に限定的である可能性がある。
 私は第1・四半期に利下げが1度あるとみている。
 商業銀行向けの預金準備率(RRR)については、複数回引き下げられる可能性を見込んでいる。
 重要なのは通貨のボラティリティーで、これは中国にとって新たなリスクだ。
 人民元が下落を続ける場合、ボラティリティーと資金流出は悪い方向に向かい、
中国経済が成長する上での課題をもたらす可能性が高い。

<GUODU SECURITIES(北京)のアナリスト、XIAO SHIJUN氏>
 第4・四半期と2015年の国内総生産(GDP)の数字は予想と一致していた。
 そのため、市場はさほど反応しなかった。
 市場は、2016年も中国経済の減速が続き、成長率は6.5%近辺になると予想している。
 成長率が6.5%を大幅に割り込まない限り、株式市場にとって大きなマイナス要因にはならない。

<オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)香港のエコノミスト、LIU LI GANG氏>
 財政および金融政策ではさらなる追加措置が講じられるだろうが、特に金融政策では大規模な追加策が保証されるとは思わない。
 中国が借金状態にある点、
 デフレが景気減速を招いた点、
 今後数年は減速が続くという成長トレンドを伝統的な金融および財政政策によって変えるプロセスは非常に難しいことを警告したい。
 今年の成長率は6.5%に鈍化し、
 2017年は6.0%に一段と鈍化すると予想
している。
 この間、中国政府は国内企業セクターと地方政府セクターにおける借り入れの問題を解消することで改革を加速させる必要がある。

<オックスフォード・エコノミクス(香港)のアジアエコノミスト、LOUIS KUIJS氏>
 少なくとも、株式市場の大混乱時に浮上した実体経済めぐる懸念は行き過ぎだったと思う。
 今回発表されたような数字は、実体経済について特に取り立てて言うべきことがないことを示唆している。
 不動産部門の低迷が経済全体を圧迫し、2016年も成長は鈍化する。
 景気が突然減速したり、経済が6週間前に想定していたよりも悪い状況になるという兆候はみられない。



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月20日(水) 15時10分
http://www.recordchina.co.jp/a127358.html

中国、2015年の成長率は6.9%で25年ぶりの低水準

 2016年1月19日、ロイター通信によると、中国国家統計局は同日、
 2015年の国内総生産(GDP)成長率は6.9%
だったと発表した。

 中国国家統計局は19日、2015年の国内総生産(GDP)成長率は6.9%だったと発表し、25年ぶりの低い伸び率だったことが明らかになった。
 中国経済の減速や株価急落により、中国人民銀行は利下げも実施したが、今年も引き続き成長の鈍化が続くとみられており、
 国際通貨基金(IMF)は同日、
 中国の2016年の成長率は「6.3%との予測を発表した。



サーチナニュース 2016-01-20 15:01
http://news.searchina.net/id/1600260?page=1

「GDPの数字、捏造じゃありませんか?」 
中国人記者、国家統計局長に素朴な質問?

 中国政府・国家統計局が開催した記者会見で、中国紙の記者が、6.9%と発表された2015年のGDPの伸び率について、
 「実際にはもっと低いと主張する人が多い」
と指摘する質問をした。

 国家統計局は2015年の国内総生産(GDP)の伸び率は前年比で6.9%であり、伸び率は14年よりも0.4ポイント下落したと発表した。
 記者会見に出席したチャイナ―デーリーの記者は、
 「多くのメディアや研究機関が中国のGDPの真実性について疑問を示しています。
 GDPの真実の成長率は5%以下という人も、一部にはいます。
 どうお考えですか?」
と質問した。

 王局長は、
 「いろいろな機関や研究者の、中国のGDPに対する意見はいつも聞いている」
と述べた上で、
 「中国はGDPを低く見積もりすぎていると言うもある」
と説明。
 さらに、中国中央政府は統計の水準を向上させつづけることや、データーの偽造を真剣に防止することを明確に求めていると主張した。
 王局長は、工業、建築業、商業、サービス業の4分野で全国の主要企業100万社から、インターネットを通じて情報を得ていると説明。
 企業から直接データを得るので、中間におけるデータ改竄することはありえないと主張した。

 さらに、統計局はで2万人の直属調査スタッフがデータの確認を行っていることや、
 企業だけなく市場の動向の調査も行っていること、
 さらにGDPの産出では2015年から国際通貨基金(IMF)のSDDS標準を導入するなどで、
 統計局が産出するGDPは、世界の基準に合致すると強調した。

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◆解説◆
 中国人記者の上記質問は意外であり「大胆な質問」と思う人がいるかもしれない。

 しかし中国の場合、「率直な質問かどうか」ということ自体に疑問が残る。
 政府各当局が自国人記者に「してほしい質問」を指示する場合があるとされている
からだ。

 現在の日本でも同様の事態が全くないとは言い切れないが、「表沙汰」になった場合には「権力の報道への介入」として当局責任者もメディア側も強く非難されることは免れないだろう。

 一方で、当局が言論を統制している
 中国では、比較的自然な「宣伝の手法」と見なされている
といってよい。
 もちろん、当局側の回答に欺瞞があり、それが発覚した場合には大問題になる可能性はある。

 統計局は上記記者会見の様子を公式サイトで公開した。
 中国当局は記者会見などの発表は積極的に行っているが、公式サイトに掲載する場合に
 「都合が悪い質疑応答」を割愛する場合がある。
 統計局は上記記者会見で、王局長の主張を全面的に紹介した。

 いずれにしろ、統計局自身が、自らが発表する数字について疑念を持たれていることに神経質になっていると考えられる。



ニューズウイーク 2016年1月19日(火)20時41分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2016/01/post-4394.php

IMFが世界成長率予想を下方修正 
中国景気減速や原油安で
2016年の成長予想を昨年10月時点の3.6%から3.4%に引き下げ.

 国際通貨基金(IMF)は19日、世界経済見通しを公表し、2016年の世界成長率予想を昨年10月時点の3.6%から3.4%に引き下げた。
 中国貿易の大幅な伸び悩みや商品価格安によってブラジルなど新興国市場が打撃を受けていることが要因。

 17年の世界成長率予想は3.8%から3.6%に下方修正した。

 IMFは、政策当局者は短期的な需要を促進する方策を検討すべきだと指摘した。

 16年の中国成長率予想は「6.3%」、
 17年は「6.0%」
で据え置いた。
 ただ、14年の7.3%、15年の6.9%からは依然大幅な景気減速となる。

 IMFは、中国の一段の需要鈍化が引き続き世界経済に対するリスクとなっており、予想よりも弱い同国の貿易が、他の新興国市場や資源輸出国を大きく圧迫していると指摘した。

 IMFの主任エコノミスト、モーリス・オブストフェルド氏はビデオに録画された声明で
 「6カ月前と比べて中国のファンダメンタルズに大きな変化は見られない。
 しかし、市場はそこで起こる解釈が困難な小さな事象によって明らかに動揺している」
と語った。

 IMFは市場の混乱によってリスク回避の動きが強まり、新興国市場の通貨が下落した場合、世界の成長率はさらに下振れする可能性があると警告。
 その他のリスクとしてドル高の進行や地政学的な緊張の高まりを挙げた。

 米経済については、ドル高による製造業への影響や原油安を受けたエネルギー投資の縮小によって回復ペースが減速するとし、
 16年と17年の成長率予想を2.8%から2.6%に引き下げた

 欧州では原油安が民間消費を支援するとし、16年のユーロ圏成長率予想を0.1%ポイント引き上げ、1.7%とした。
 17年の予想も1.7%。

 ブラジルの16年成長率予想はマイナス3.5%。
 前回の予想から2.5%ポイントの下方修正となった。
 中国の需要減退を背景に17年はゼロ成長が見込まれている。

 オブストフェルド氏は、日本や欧州など一部の国・地域について、緩和的な金融政策を維持すべきだと提言した。



2016.1.21(木) Financial Times  By Martin Wolf
(2016年1月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45835

中国の経済構造大転換、待ったなし
25年前の日本と比べると、成長余地は大きいが・・・

 中国の政策立案者は経済運営の質の高さで高い評価を受けている。
 しかし、それと同じことは30年前の日本についても言われていた。
 その後、貯蓄と投資が多い「キャッチアップ」型経済モデルからの転換は、日本にとって非常に難しいことが明らかになっている。
 実際、この転換はまだ完了していない。

 今日の中国経済には、四半世紀前の日本よりもはるかに大きな成長余地があるものの、経済の不均衡はそれ以上に大きい。
 また世間一般の見方とは異なり、新しい経済成長パターンへの移行は実はまだ始まっていない。

◆舵取りを誤り、評判ががた落ち

 この移行を進めることは容易ではなく、すでに中国の政策立案者の評価を傷つけている。
 1980年代には、「バブル経済」崩壊の舵取りを誤った日本の政策立案者の評価が傷ついたが、今回は為替と株式市場の舵取りを誤った中国当局の評価が低下している。
 同様に、2007年と2008年の世界金融危機では西側諸国の金融機関と政策立案者の評価ががた落ちになった。
 信用が急拡大しているときには、誰もが天才に見えるのだ。

 無理からぬことだが、外野からは、中国当局はもっと透明性を高めるべきだというもっともな指摘がなされている。
 「一番よく分かっているのは官僚だ」とされる政治体制であることを考えれば、その実行は容易ではない。
 しかし、これは最も重要な問題ではない。
 最も重要なのは、
★.今よりもバランスの取れた経済への移行がどのように進められるのか、
★.そもそも本当に進められるのか
いう2点が明らかでないことだ。

 また、観測筋の間には製造業からサービス業への移行に注目する向きもある。
 こちらについては、まずまずうまくいっているようだ。
 中国の統計によれば、2015年1~9月期に工業(第2次産業)は年率でちょうど6%の成長を遂げており、サービス業(第3次産業)は同8.4%の成長を達成している。
ただ、一見成功しているこの数字の大部分は、金融サービス業の増益によるものだ。
 危機の前の西側諸国の場合と同じく、これはよりバランスの取れた「新常態(ニューノーマル)」への移行の兆候でもあるが信用増加の兆候でもある。

 中国経済の形態の変化を示す基礎的な指標を挙げるとすれば、
1].貯蓄および投資の減少と、
2].消費の増加
になるだろう。
 そのような変化が必要なのは、大半の投資がムダなものであるうえに、債務の爆発的な増加と結びついたものであるからだ。
 中国の国内総生産(GDP)に占める投資の割合は現在、
 東アジアのほかの高成長国が過去に経験したどの数字よりもはるかに大きくなっている。

 さらに、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートによれば、
 中国全体の債務は額が極めて多いうえに借り手が非金融法人に集中している。
 その集中度は米国のそれよりも高いという。

 中国は2008年の世界金融危機への対策として、借入金を原資とした投資の急拡大を促進し、外需の落ち込みを埋めようとした。
 しかし、中国経済の成長は鈍りつつあった。
 その結果、「限界資本係数」――国民所得を新たに1単位増やすのに必要となる資本の量――は2000年代初めに比べてざっと2倍になっている。

 中国経済全体の資本係数*1も非常に高く、依然上昇している。
 そのため、
★.これから新たに行われる投資の大半は赤字
になる公算が大きい。

 もし赤字になれば、それに関連する借入金も焦げ付くだろう。
 とはいえ、そうした
 「ムダな投資」をもし減らしてしまったら、中国経済は景気後退に陥る
だろう。

◆投資を縮小しながら消費を増やす経済構造の調整

 従って必要なのは、借入金による投資がGDPに占める割合を縮小しながら逆に消費の割合を高めていくという経済構造の調整を慎重に行うことである。

 この調整はもう行われているのだろうか。
 答えはノーだ。
 もし行われているとしたら、そのペースはあまりにも遅すぎる。
 GDPに占める投資の割合はわずかに縮小したが、債務は増大し続けている。
 GDPに対する債務の割合は
 2007年末には「157%」だったが、
 2013年末には「250%」になり、
 2015年第2四半期末には「290%」
に達している。

 一方、家計の可処分所得の対GDP比は、2013年には「61%」にとどまっていた
(これが利用可能な最も新しいデータである)。
 2008年の59%よりは若干高いが、2000年の実績に比べれば5ポイントも低下している。

 また、中国の家計は可処分所得の約3分の1を貯蓄に回している。
 GDPに占める消費の割合が40%程度しかないのはそのためだ。
 GDPにおける消費の割合を決定的に増やすのに必要な家計への所得配分の増加は、恐ろしいほどゆっくりとしか進んでいないのである。

 要するに、
★.中国の需要は、借入金によるムダな投資の伸びに依存する状態が続いている。
 そして、この依存から脱するのに必要な経済構造の変革は進められていないのである。

*1=国民所得全体とそれを生み出すのに要した資本との比率

 では、これに代わる方法はないのだろうか。

1].第1に考えられるのは、投資を減少させ、
 その穴を経常収支の黒字増大で埋めるという手法である。
 これには通貨安が寄与するだろう。

外貨準備高が減っていることから分かるように、
 中国の人々は自分のお金を国外に持ち出したいと強く思っている
ため、米国が要求している人民元の変動相場制の下では思惑通りに事が運ぶ可能性がある。

 しかし、例えば
 GDPの10%相当に上るような巨額の経常赤字には、
 世界経済はまず間違いなく対応できないだろう。

2].2番目に考えられるのは、財政赤字をさらに拡大することである。
 この赤字を使って購買力を家計に移転するのだ。
 これは政府の借入残高を増やし、経済のほかの部門の借入残高を減らすことにもなるだろう。

◆当局が抱えるジレンマ

 中国経済はまだ消費主導にはなっていないのが現実だ。
 実際、GDPに占める家計の割合が低い現状では、消費主導になどなり得ない。
 この国はまだ、借入金による投資に大きく依存し続けている。
 つまり、当局は1つのジレンマに直面している。
 ムダの多い成長を促進し続けるか
 それとも短期的には不安定要因になるかもしれないが長期的には有益となる大胆な改革を推し進めるか、というジレンマだ。

 どんな言葉で飾り立てようと、これまで選択されてきたのは前者である。
 だがこれも、がっかりするほど低い経済成長率、借入残高の増加、さらには金融ショックにまで向かう道になってしまうだろう。
 中国の政策立案者は、以前の評価をすぐには回復できそうにない。

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サーチナニュース 2016-01-21 07:43
http://news.searchina.net/id/1600309?page=1

中国経済の「光」と「影」 
可処分所得がGDP上回る伸び

 中国政府・国家統計局は毎年の1月中旬、前年の経済情勢についての主要指標を「国民経済運行」として発表している。
 2015年の中国国民1人当たりの可処分所得は名目ベースで前年比8.9%の伸びだった。
 中国では所得の伸びが経済成長よりも早い状態が続いている。

 2014年については名目ベースで10.1%、
 物価変動分を控除した実質ベースで8.0%の伸びで、
 中国国民1人当たりの可処分所得は2万167元になった。

 中国当局にとって、経済成長を目指した「改革開放」とは、国民の共産党への支持を獲得するためのものだった。
 1989年の天安門事件で共産党の威信は大きく傷つけられたが、1993年ごろからの経済高度成長で、人々は体制批判よりも「豊かになる」ことに全力を注ぐようになった。

 ソ連崩壊後のロシア経済が大混乱し、多くの人々が窮乏したことも、中国共産党にとっては都合がよかった。
 「政治が安定を失うと、人民は苦しむ」との言い方が大いに説得力を得たからだ。

 そのため、中国当局は人々の収入増に殊の外、神経質だ。
 経済活動を大幅に自由化した結果、深刻な格差問題が発生したが、中国政府はおおむね最低賃金の引き上げも、GDPの成長を上回る速さで実施してきた。

 可処分所得が実質ベースで、少なくとも1人当たりの平均では経済成長を上回る率で上昇していることからも、
 「中国人は経済成長の恩恵を受けてきた」
と言えるだろう。
 経済成長が国民の所得に還元されていることは「中国経済の光」の部分と言ってよい。

 ところが、経済成長の恩恵を人々に与え続けているうちに、賃金コストが上昇した。
  実は中国で企業活動を営もうとすると、複雑煩瑣な許認可制度や政府との関係維持と構築で、相当なコストが発生する。
 賃金コストの上昇はまだ「絶対的に高騰」とまでは言えないが、さまざまなコストを総合すると、
 「中国での生産活動は割高になる」
との声も出始めた。
 「光」が転じて「影」になりはじめた。

 中国共産党首脳部も、2000年ごろには賃金コストの上昇を視野に、さまざまな政策を進め始めていた。
 例えば、農村と農民の生活を改善して、購買力を持たせることだ。
 内需拡大をもたらすことで、「投資と輸出頼み」の経済構造を改革しようとした。
 2013年に就任した李克強首相は、「中国経済の光が影に転じる」ことについて、危機感を極めて強く抱いていた。
 そのため、内需拡大策と規制緩和を大胆に進めようと考えた。

 現状を見ると、中国経済の減速は李首相の想定よりも早くやってきたように思える。
 李首相が手がけた改革が成功すれば、中国経済の体質は大きく改善されるだろう。
 しかし、経済が減速する中で、「痛みのともなう改革」がどこまで実現可能かには、疑問も残る。

 中国経済に「光」をもたらした要素が次々に「影」と化している現在、中国経済はまさに「剣ガ峰」を迎えたと言える。



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月24日(日) 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/a127612.html

中国人は摩天楼がお好き、
新規建築の過半数が中国に集中も景気減速でガラガラ―米紙


●21日、米紙ウォールストリートジャーナルは記事「経済成長は減速も中国の摩天楼への愛は不滅」を掲載した。写真は天津に建設中の超高層ビル「高銀金融117」。高さ500メートル超えの建造物としては世界で8棟目。

2016年1月21日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは記事
「経済成長は減速も中国の摩天楼への愛は不滅」
を掲載した。
22日、環球時報が伝えた。

中国経済の成長率は過去25年で最低にまで落ち込んでいるが、超高層ビルへの執着はいささかも衰えていない。
中国は8年連続で超高層ビル(高さ200メートル超)の建設数で世界一の座を獲得している。
2015年には62基が建設された。
全世界の超高層ビルの58%が中国で建設された計算となる。

もっとも需要の減退は明らかだ。
オフィスビルの着工数は2015年に前年比で10.6%減少した。
大都市には空室が目立つ高層ビルが乱立しており、アナリストや不動産デベロッパーの懸念材料となっている。



レコードチャイナ 配信日時:2016年1月24日(日) 0時25分
http://www.recordchina.co.jp/a127523.html

ジーパン1本に見る中国の輸出危機―香港紙

2016年1月20日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「ジーパン1本に見る中国の輸出危機」と題した記事を掲載した。
21日付で環球時報が伝えた。

広東省広州市郊外にある市場には、ジーンズを中心に衣類を扱う販売店がひしめき合っている。
中東から来た2人のブローカーに、中国人店主が「ジーンズ、いくらなら買う?」と声をかける。
市場ではジーンズ1本の最低取引額は38元(約680円)だが、2人は取引を焦らず、そのまま歩き去ってしまう。

市場を訪れた外国人ブローカーはこの2人だけ。
買い手よりも売り手の方が圧倒的に多く、完全に「買い手市場」となっている。
中国は安価な労働力と外国の資本を背景に成長してきたが、
生産コストの上昇と価格競争力の低下で、
低価格帯商品の受注は減少を続け、輸出型経済は行き詰まりを見せている。

現状を打開するには高度な技術や管理を習熟する必要があるが、一朝一夕に成し遂げられるものではない。
バリューチェーンの上位につける必要性は異論のないところだが、
成長モデルを一変させる必要もあり、実行は難しいのが実態だ。


レコードチャイナ 配信日時:2016年1月23日(土) 21時31分
http://www.recordchina.co.jp/a127524.html

600万の中国人、海外で旧正月を過ごす見込み―中国メディア

2016年1月19日、中国銀聯インターナショナルが発表したデータによると、今年の春節(旧正月、今年は2月8日)期間中に600万人の中国人が海外で過ごす見込みだ。
中国国際放送局日本語版が伝えた。

また、中国旅行研究院が発表した「2015年中国海外旅行発展年度報告」によると、
1].北京を中心とする環渤海地域、
2].上海を中心とする長江デルタ地域、
3].広州と深センを囲む珠江デルタ地域及び
4].成都・重慶都市群
の中国人が、海外旅行に出かける主な観光客だ。

(提供/人民網日本語版・編集/武藤)

【資料】







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