2016年1月18日月曜日

「一帯一路」という夢構想(3):ギリシャ最大の港、中国に売却?

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● アテネの海の玄関口 ピレウス港、中国が買収


サーチナニュース 2016-01-17 09:34
http://biz.searchina.net/id/1599918?page=1

日本の対抗策に警戒感!
中国の「一帯一路」の競合相手は日本?

 2013年に中国が新しい経済構想として新シルクロード構想「一帯一路」を提唱してから2年が経過した。
 「一帯一路」構想とは、端的に言えば中国を中心とした経済圏を構築することを目指す戦略だ。

 「一帯一路」は、中国が世界経済の中心的地位を占めていた次代の古代シルクロードの再現を意識したものとされ、陸上と海上の双方において中国と中央アジア、欧州までを結ぶ構想だ。
 中国メディアの中国網はこのほど、一帯一路構想の実現に向け、中国は日本とどのように対峙すべきかを論じる記事を掲載。
 中国社科院世界経済政治研究所の研究員の分析として、
 日本は一帯一路構想の実現における競合として中国の前に立ちはだかる
と主張した。

 日本が中国の競合となると主張した
1].1つ目の理由は、「シルクロード文化に最も興味を示しているのは日本である」ことだという。
 日本にはシルクロードを題材にした小説やドキュメンタリーが多く、シルクロードに対する熱意は中国をも凌ぐゆえだ。
 確かに日本ではシルクロードを題材とした小説などは多いが、これは納得できない理由だ。

 記事が挙げた
2].2つ目の理由は「冷戦後、もっとも早くシルクロードに商機を見出したのが日本」であることだという。
 日本は1997年に当時の橋本総理が「対シルクロード地域外交」を打ち出したが、これはどの国よりも早くシルクロードの重要性に注目した結果であると指摘した。

3つ目の点は「中国に対して、もっとも競争力を有しているのが日本である」ことで、
 日本が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対抗して、1100億ドルのインフラ投資をアジアで行う方針を打ち出したことを指摘。

 また、日本は一帯一路構想に対する「破壊力」も有しているうえ、
 日本は経済面、政治外交面、軍事面で「もっとも中国に対して懐疑的」であることから、中国の一帯一路構想について、日本が何らかの形で対抗策を打ち出してくるのではないかと警戒感を示した。

 中国の台頭に対し、日本は指をくわえて黙って見ているわけにはいかず、アジア各国で中国と高速鉄道市場を争っているのも、見方を変えれば「一帯一路」に対する日本の対抗策と取れる。
 アジア各国から中央アジア、そして欧州までが中国高速鉄道で結ばれれば、それは「一帯一路」の完成を意味するからだ。



読売新聞 1月16日(土)7時34分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160116-00050056-yom-int

中国、ギリシャ最大港買収へ…「一帯一路」要衝

 【ローマ=青木佐知子、北京=鎌田秀男】
 財政再建中のギリシャで、国内最大のピレウス港の国営運営会社が中国の国有企業に売却される見通しとなった。

 中国政府は、アジアと欧州を陸海のシルクロードで結ぶ経済圏構想「一帯一路」の要衝として、ピレウス港を重視している。
 中国海軍による利用拡大の可能性も指摘されている

 ギリシャ政府は、同港の国営運営会社の株式67%の売却を進めている。
 国有資産の売却を管理する「ギリシャ資産開発基金」は12日、買収に名乗りを上げたのは、中国国有の海運会社「中国遠洋運輸(コスコ)」だけだったと発表した。
 今後、提案内容を精査するという。

 金額は公表されていないが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、今後5年の設備投資も含めて約7億ユーロ(約895億円)と報じた。
 同基金は、コスコに対し、買収金額の引き上げを求めている。



Record china 配信日時:配信日時:2016年4月10日(日) 15時0分
http://www.recordchina.co.jp/a133007.html

ギリシャ最大の港を中国企業が“爆買い”、
総支出額は約1850億円に―独メディア

 2016年4月8日、独ラジオ局ドイチェ・ヴェレは記事
 「中国遠洋海運集団、ギリシャ最大の港湾ピレウス港の株式過半数を取得」
を掲載した。

 8日、中国遠洋海運集団はギリシャ民営化基金とピレウス港株式取得で正式に契約を交わした。
 まず株式の51%を3億6800万ユーロ(約450億円)で売却。
 その後10年間で3億5000万ユーロ(約430億円)の投資を実行するなどの条件を満たすと、さらに16%を売却するとの内容だ。
 株式取得額と追加投資をあわせた合計額は15億ユーロ(約1850億円)に達する。

 経済危機に苦しむギリシャだが、国有資産の売却、民営化を条件に支援を受けている。
 昨年12月には国内14空港の株式を独フラポート株式会社に売却。
 ピレウス港は空港に続く、第2弾の大型国有資産売却となった。



Record china 配信日時:配信日時:2016年4月14日(木) 4時50分
http://www.recordchina.co.jp/a133136.html

中国がギリシャ最大のピレウス港買収契約締結
=日本ネットで「中国の怖さを知らないんだろうね」の声

 2016年4月12日、中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)がギリシャ民営化基金と同国最大の港であるピレウス港の株式を過半数取得する契約を結んだことについて、日本のネット上では「中国の怖さを知らないんだろうね」などのコメントが寄せられた。

コスコ・グループは中国政府の管理下にある国有企業で、今回の買収は習近平指導部が主導する形で進められた。
 まず基金の株式の51%を3億6800万ユーロ(約450億円)で売却。
 その後10年間で3億5000万ユーロ(約430億円)の投資を実行するなどの条件を満たすと、さらに16%を売却するとの内容だ。
 株式取得額と追加投資の合計額は15億ユーロ(約1850億円)に達する。
 中国は既にピレウス港のコンテナ埠頭の運営権を握っていた。

 経済危機に苦しむギリシャは欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の支援を受けて財政再建中で、ピレウス港などの民営化は支援実行の条件。
 昨年12月には国内14空港の株式をドイツのフラポート社に売却しており、同港は大型国有資産売却の第2弾。

 日本のネットユーザーからは
 「落ちぶれたくないものだ」
 「財政難に突け込まれたな」
 「これで欧州でも『中国の厄介さ』が分かるようになるから、良かったのかもしれない。
 本当に分かった時には手遅れかもしれないが…」
 「そのうち軍艦が寄港する」
 「取られたのは港だけでは済まないことがこれから分かるだろう」
などの声が集まった。



Forbes JAPAN 2月10日(水)11時31分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160210-00011238-forbes-bus_all

「ドバイでの経験」が語る中国の世界戦略の真実

 ドバイ在住の中国人ビジネスマン約30人を対象に、市場開拓戦略についてインタビューした。
 彼らの話から分かったのは、中国の「一帯一路」政策が今後、「シルクロード経済圏」でどのように広がっていくのかということだ。

 過去10年で、何が変化したのだろうか?
 さまざまなことだ。だが、中でも最も重要な点は、中国政府の政策はビジネスにおける主要な推進力ではないということだ。
 ドバイに進出している中国人の起業家たちは一様に、
 「習近平国家主席は一足遅い。
 一帯一路政策が打ち出されるずっと前から、私はすでにこの地で儲けていた。
 儲かる場所ならどこでも行くよ」
と話した。

 要するに、一帯一路政策に関する論議は盛んではあるが、民間企業を中心とした中国人のビジネス・コミュニティがこの政策にどう反応しているのかもまた、同様に重要だということだ。
 そして、そうであればドバイは、中国のシルクロード経済圏の確立に向けての最前線になるということだ。
 ドバイにはシルクロード地域で最大の中国人コミュニティがあり、約12万人が暮らしている。
 そしてその数は、増加を続けている。
 ドバイにはまた、中国の民間企業も大手国営企業のコングロマリットも進出している。

■重要なのは市場原理

 インタビューの結果から分かったことで、特に印象深かったのは次の2点だ。

 UAEの中にある中国と呼ばれる巨大モール「ドラゴン・マート」は、この10年近くにおける中国のビジネス分野における中東地域への関与の象徴だ。
 中国製品を販売する中国の貿易業者でほぼ埋め尽くされたこのショッピングモールは、2004年のオープン当初から中国政府の支援を受けてきた。

 しかし、その支援は実際にどの程度、進出した企業にとって重要だったのだろうか。
 「政府の後押しは、もちろん見逃すことはできない」
と中国人事業者は語る。
 「でも、我々はいずれにしても、ドバイに来ていただろう。
 ここなら稼げるんだからね」

 ほとんどどのインタビューでも、私はこうした意見を耳にしてきた。
 ドラゴン・マートのおかげで、中国の貿易業者の仕事がしやすくなったことは間違いない。
 中国政府による当初の支援は正当に評価すべきだ。
 しかし、ドバイの中国人コミュニティ急拡大を説明するのは結局のところ、市場原理だ。

--{国営企業はサプライチェーンごとやって来る}--

 一方で、国営企業に話を聞くと少し別の話が見えてくる。
 中国企業の多くは、独力で海外に進出するには小さすぎたり、必要な経験に欠けたりする。
 そのため、中国建築工程総公司のような巨大国営企業のサプライチェーンの一部として、国外に進出する場合が多いのだという。

 これは、巨額の政府間取引がシルクロード経済圏諸国と中国の結びつきのきっかけになり得ることを示しており、重要な点だ。
 中国の巨大な国営企業は機器メーカーから物流会社、銀行までのサプライチェーンを、その基盤から引き連れて進出するのだ。

 しかし、こうした中小のサプライヤーに自ら海外市場を拡大していく体力ややる気があるとは限らない。
 国営企業に追随するだけで満足な企業も多いだろう。
 中国の一帯一路戦略がこうした中小企業のマインドを変えられるかどうかが、今後の発展において非常に重要なポイントになる。

■見通しは明るい

 中国のシルクロード経済圏戦略の今後に関する見極めを難しくするのは、市場原理と政府間取引の間のこうした緊張関係だ。
 結局のところ、巨大な国営企業も利益を上げなければ、サプライチェーンを築く中小企業も付いてはこなくなるだろう。

 これを見極めるためには、ドバイで起きていることをみると分かりやすい。
 中国政府の戦略の影響を分析する最も簡単な方法は、単純に「資金の流れを追え」ということだ。
 シルクロード沿いには利益を上げる機会が豊富にあり、活発な事業活動が今後、集中することになると考えられる。




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