2016年2月8日月曜日

東日本大震災から5年:復興は「スピード」と「コミュニティー重視」

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レコードチャイナ 配信日時:2016年2月7日(日) 19時23分
http://www.recordchina.co.jp/a128461.html

<東日本大震災から間もなく5年>
復興は「スピード」と「コミュニティー重視」で
―被災地の3市長が明かした“本音“とは?


●東日本大震災が発生した2011年3月11日から間もなく5年になるのを前に、被災地の3市長が、復興に賭ける思いを率直に語った。写真は菊地啓夫・岩沼市長。

 未曽有の東日本大震災が発生した2011年3月11日から間もなく5年になるのを前に、被災地の3市長が日本記者クラブで個別に会見した。
 復興が最も進んでいるとされる宮城県岩沼市の菊地啓夫市長は「スピードを重視し、集落単位で計画を進めたことがよかった」と言明。
 宮城県気仙沼市の菅原茂市長も「元の集落を生かし、なりわいとコミュニティーを大切にする復興に取り組んでいる」と明かした。
 岩手県釜石市の野田武則市長は「三陸沿岸は将来的に大幅な人口減少が想定されており、各自治体が連携して三陸全体の振興策に取り組むことが重要だ」語った。

■<宮城県岩沼市・菊地啓夫市長> 

 被災から1カ月後の4月下旬に市の復興方針を決め、スピード感を持って対応しようと心がけた。
 津波により市域の48%が浸水し、死者181人、家損壊5428戸。
 人口4万4000人のうち、6700人が避難所に入ったが、避難所を被災自治体で初めて閉鎖することができた。
 仮設住宅に希望者全員がコミュニティーごとに入居してもらうようにした。
 避難所も仮設住宅も、小学校、中学校の学区を基本とする集落単位としたのがよかった。

 集団移転に当たっては、被災した各集落の方々から意見を聞いて6集落を1カ所にして新しい街を作り、災害公営住宅を建てた。
 それぞれ徒歩圏内のコンパクトシティとし、集団移転した農家に代替農地20ヘクタールを貸し出し、ホウレンソウ、チンゲンサイなどの野菜畑となっている。
 仮設住宅は今年4月28日に使命を終える。
 仙台市に近いこともあって、人口は被災前より増えている。

 11メートルにかさ上げした津波退避所「千年希望の丘」も数カ所完成、これを10キロにも及ぶ堤防道路が連結する。
 計画したインフラの7割が完成、あと2年間で残る3割を完成させたい。

 今後も被災者に寄り沿い、生きがい対策を推進したい。
 仙台空港周辺の整備と企業誘致、雇用の確保にも力を入れ、通常の3倍予算を組んだ。
 震災からの脱却が可能となる。

■<宮城県気仙沼市・菅原茂市長>

 太平洋に面した気仙沼市は、市全体が最大で1メートル以上も地盤沈下した。
 死者1042人、行方不明220人。
 大震災直前の人口7万4247人は昨年12月末で6万6733人と7514人減少した。

 大震災の半年後の10月に気仙沼市がまとめた復興計画は「海と生きる」と題した。
 過去に何度も津波に襲われながら、海を敵視せず、人間は自然の一部であると対等の関係を築いて海と生活して再起を果たしてきたという意味だ。
 
 基幹産業は水産業である。
 気仙沼市の製造業出荷額の8割を水産加工品が占めるが、ほとんどの事業所がリアス式海岸にあるため被災した。
 気仙沼ではコンパクトシティーはできない。
 元の集落を生かし、なりわいとコミュニティーを大切にする復興に取り組んでいる

 水産業は消費者の魚離れ、資源の減少、就業者の減少など逆風下にあるが、観光と水産を融合する魚市場の建設、津波対応型造船施設の整備などを推進したい。

■<岩手県釜石市・野田武則市長>

 釜石市の死者・行方不明者は1千人を超えた。
 釜石市では16年度中に復興公営住宅は約9割、自立再建を目指す被災者のためのかさ上げ工事も約8割は完成する見通し。今年は復興の歩みを実感できる年にしたい。

 課題はこうした生活基盤が整った後、新たな釜石をどう作り上げるのか。
 地元企業の再建や新たな企業の立ち上げ、「橋野鉄鉱山・高炉跡」の世界文化遺産登録をテコにした観光振興、企業誘致を積極化したい。
 中国の太陽光パネル製造販売企業が物流拠点を建設中だ。

 2019年のラグビーワールドカップ日本大会では、釜石市でも開催され、スタジアムが建設される。
 大会終了後はサッカーなど他のスポーツやコンサートにも利用できるようにし、スタジアムを起爆剤として三陸地域の底上げにつなげたい。
 三陸沿岸は将来的に大幅な人口減少が想定されており、各自治体が連携して三陸全体の振興策に取り組むことが重要だ。



サーチナニュース 2016-02-26 14:43
http://news.searchina.net/id/1603458?page=1

どうして日本人は「負け続ける者」を愛し、尊敬するのか
・・・その理由に心が震えた! =中国メディア

 まだ「名のみの風の寒さや」といった感はあるが、暦の上ではもう春。
 「春」といえば、レースで113連敗を記録して「負け組の星」とムーブメントを巻き起こした競走馬「ハルウララ」が競走馬から引退してすでに10年が経つ。
 「ああ、そんな馬がいたね」といった印象になりつつあるが、中国では近ごろ「ハルウララ」の物語が紹介され、そこから「日本人の特殊性」を見出した人もいたようだ。

 中国メディア・新浪体育は25日、中国中央テレビ(CCTV)の番組で紹介された「ハルウララ」のエピソードを見て「心が震えた」とする記事を掲載した。

 記事は、番組では戦えど戦えど勝てない「ハルウララ」に日本の人びとが注目し、多くの人がわざわざ競馬場にその姿を見に訪れるうえ、「当たらないことが分かっているような馬券を購入して、友だちにプレゼントし」さえする、「夢はいつかかなう」などといった歌まで作られるといった話が紹介されたと説明。
 「最初は、日本人がどうして連戦連敗の馬を愛するのかが分からなかった」
とした。

 そのうえで、司会者による
 「日本人はその弛みない努力を重く見ているのだ。
 勝ったことのない馬が、怠けることなく毎回全力で走るという点に、多くの日本人は感動したのだ」
という解説があったと紹介。
 「日本人は決して単純に弱者に同情しているのではなかった。
 奮闘する姿を愛し、励まし、崇拝するのだ。
 彼らにとって、努力こそ尊敬の対象であり、結果は重要ではないのだ」
ということに気づき、「見終わった時には心の中が震えていた」との感想を伝えた。

 そして
 「社会の大多数はハルウララ同様、努力しても栄冠を勝ち取れないということはみんなよく分かっている。
 日本人は失敗者からパワーをもらい、自己を奮い立たせることで、全体の向上につながっていくのだ。
 これは経済的な奇跡よりももっとすごいことではないか」
と評価するとともに、中国と日本との間には「軽視されがちな価値観の違い」が存在し、実は
 「それこそわれわれが留意するに値するものなのだ」
と論じている。

 「ハルウララ」のブームについてはいささか「やり過ぎ」といった印象が否めない部分もあったと思われるが、
 確かに日本には「いくら頑張っても勝てない、弱い者」に対して愛着を持ち、応援する傾向がある
のではないだろうか。
 記事は
 「単なる同情ではなく、努力する者をリスペクトする」
という解釈をしている。
 もちろんそれもあるが、同時に「判官びいき」という言葉が日本に存在することも是非知ってもらいたいところである。









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